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[アメリカ司法試験の仕組み<現地受験編>]日程や科目、問題の難易度は…

米国弁護士試験!日本人が現地で受験した体験ブログ

カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。 前回は試験勉強のコツについてお話をしましたが、今回はカリフォルニア州の現地で実際に受けたときの体験談をご紹介します。

パサディナの街でカリフォルニア州弁護士試験を受験!

パサディナのシティホール。

現地で受験(不合格だったのでただのアメリカ旅行になってしまった…(;^_^A)した際にはPasadena(パサディナ)という街を選びました。日本人受験生のブログでの評判が良かったのと、Google Mapで見たら綺麗な街だったからです。

ロサンゼルス国際空港から車で30~40分程度のところにある都市で、観光地というわけではないですが、綺麗な街で、治安も良いところです。日本とは時差が16時間あり、試験日までに時差ぼけを克服するため、4日前に渡米しました。Airbnbで泊まるところを借りて、1週間程度の滞在です。

試験会場近くのショッピングモール。

滞在したアパートメントは試験会場のCity Hallまでは徒歩15分とまずまずの立地で、周辺にスーパーやショッピングモールなどもあり、日常生活は快適でした。その他の現地での移動は主にLyftという配車サービスを使いました。

Lyftという配車サービスは便利だった。

(参考:ロスの移動におすすめ!Lyft(リフト)の使い方を解説

パサディナの街に実在する!「Big Bang Theory Way(ビッグバンセオリーウェイ)」

なお、このパサディナという街はアメリカのTVドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則(原題:The Big Bang Theory)」の舞台となっています。

米国弁護士試験の日程。カリフォルニア州の場合は…

試験は2日間、1日目が記述式で2日目がMBEです。

1日目の記述式試験はあらかじめ試験用ソフトウェアをインストールしたノートPCを持参します。試験会場で試験問題とパスワードが配布されるので、そのパスワードを試験用ソフトウェアに入力することで、試験を開始できます。試験時間が終了すると自動的に問題ファイルも閉じます。試験用ソフトウェアが起動している間は他のPC機能は使えなくなるので「インターネットで検索してカンニング」というようなことはできません。試験問題の冊子は回収されますが、問題自体は後日、HPに公開されます。

午前はEssay3問を3時間で、午後はEssay2問とPerformance Test1問を3時間30分で解きます。比較的易しい問題で時間を稼いで、難しい問題に割り当てる作戦が有効です。

なお、私は会場に入る直前までテキストを開いて勉強していました。近くには、中国語の巨大な単語帳を見直している受験生もいました。ただ、そのような受験生は少数派で、多くの受験生は仲間とおしゃべりしていました。まぁ、出題範囲も広いですし、どの科目が出題されるかも分からないので、ジタバタしてもって感じでしょうか。

ノートPCを持ち込んで受験!試験中ビビったこと…

ノートPCを持ち込んで受験。

試験用ソフトはWordと同様にコピー&ペーストやフォントの変更、各種記号の入力などが備わっています。日本人受験生が重宝するのはスペルミスへの波線付与機能でしょう。多少のスペルミスは簡単に正しながら進めることができます。

周囲との席が近いので、多少は他の受験生の画面が目に入ってきますが、あまりのタイピング速度に驚愕しました。ネイティブのタイピングはこれまでにも見たことはありましたが、試験での本気モードの速さには本当に驚きました。

1日目の試験が終了した後、ホテルなどのインターネット環境がある状況で回答ファイルをアップロードします。基本的に自動で行われるので、受験生は特にやることはありません。たまに自動で動作しない場合には、手動アップロードになりますが、特に難しいことはありません。

100問を3時間ぶっ通し!マークシートで答案に迷ったら…

2日目のMBEはマークシート形式です。

こちらは問題冊子とマークシートが配布され、100問を3時間ぶっ通しで解き続けます。午後も同様です。私は5分くらい余って見直しをしていましたが、余裕で30分以上残して退場していく受験生もいました。羨ましいことです。

ちなみにMBEではどうにも迷ったら「B」を選ぶことがまことしやかに推奨されています。いわゆる割れ問だった場合に、受験生の回答をBに集めることで、出題側に圧力をかける趣旨のようです。実際にワークするのかは不明ですが、大勢に従っておく方が無難かと思い、私もBを含む選択肢で迷った場合にはBと回答しました。

ある程度の時差対策をしていても、2日目のMBEの最中に猛烈な眠気が襲ってきたので、持参した眠気止めとレッドブルを試験前に飲みました。

↑コーヒーの味がしました!

↑アメリカでも買える安定のレッドブル!

午後の試験開始前に会場内で「シャープナー?」と聞きまわっている女性がいたので鉛筆削りを貸してあげました。なんと鉛筆1本で試験に臨んでいる猛者でした。臆病な私(4本持参)には考えられない装備(;^ω^) 試験中に芯が折れないことを祈ります。

司法試験の会場に持ち込み可能だったもの。合格発表は…

米国弁護士試験のホントのトコロ。試験会場。

試験会場には透明な袋に入れた鉛筆やIDなど限られたものしか持ち込めません。時計もデジタル式はNGです。透明な袋といってもよく分からなかったのでちょっとオシャレなジッパーバッグを買っていきましたが、ジップロックで十分でした。

問題冊子は回収されて、公開もされませんので、受験生は後日点数のみ知らされることになります(カリフォルニア州の場合は合格者には点数の通知もないので最後まで知ることなく終わります)。

試験終了時の様子。会場の外では出待ちの人…

試験出待ちの人々。

↑試験会場で、出迎え待ちの人々。なかには花束を持った人まで…

2日目の試験終了時に「会場で拍手が起きて感動した」という口コミも見かけましたが、私が受験した会場ではそのようなことはなく、粛々と退場していきました。会場外に友人や家族が待っていて、開放感から楽しそうにディナーへ出かける光景は見かけました。私はロクな出来ではなかったので、陰鬱な気持ちで会場を後にしました。

というわけで、次回は今年受けた日本からのオンライン受験のお話をしたいと思います。お楽しみに!


【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。