もう沖縄が梅雨入りしたというニュースが飛び込んできましたが、都内はカラっと晴れた気持ちのイイ陽気が続きますね。ドイツにいたころは、朝から楽しそうにビールを飲んでいるバイエルン人に圧倒されていましたが、気づけば私も陽が高いうちからお酒を飲むのが好きな人間になってしまいました。

このおもろ楽しい時間の使い方が、東京でも当たり前になればいいのにって思いながら過ごす、10連休明け。六本木にある<Mixology Experience>という窓から首都高が見えるバーで開催されたカンパリセミナーにでかけてきました。
もくじ
世界的にも有名な伝説のバーマン!Charles Schumann(チャールズ・シューマン)氏が東京に!

ミュンヘンにある<SCHUMANN’S BAR AM HOFGARTEN(シューマンズバー)>のオーナー、チャールズ・シューマン氏が来日されていたんですよ。

シューマンズバーというのは、世界に名を馳せるトップバーのひとつで、1982年に、あの中東のオカネモチマダムがあふれているマキシミリアンズ通りにあった伝説のバーなのだそう。現在はオデオンズプラッツの近くのホフガルテンに移転したそうですが、それでも連日多くのお客さんで賑わっているお店なんです。

私はミュンヘンに住んでいた時、連日ビールを飲み歩くばかりで、バーへの関心が薄かったので、今になってそんな有名なお店があったなんて!とミーハーらしく激しい後悔にかられているわけですが、ご縁あって、まさかの六本木でお目にかかれることになりました。出会いというのは、どこに転がっているかわからないものですね。

ちなみにこの記念にとってもらったツーショット、別に私はいきなり嫌われてたわけではありません。シューマンさんは、写真で笑わないというポリシ―をお持ちだそうで…、ものすごい温度差な雰囲気に(苦笑)

世界中の有名なバーテンダーの方々は、このチャールズ・シューマン氏に憧れてバーの世界に足を踏み入れたという人が多いのだそう!そんなご説明と司会進行をされていたのは、会場となっている<Mixology Experience>のオーナーの南雲主于三氏です。

今回は、このスペシャルなカンパリ セミナーのなかでチャールズ・シューマン氏からうかがった素敵すぎるバーライフについてご紹介したいと思います。
映画にもなった!チャールズ・シューマン氏の世界のバーめぐり

実は、シューマンさんは、伝説のバーマンでありながら、世界中のバーで愛読されていうカクテルレシピ本『シューマンズ バー ブック』の著者でもあるのです。ついでに、モデルで、思索人で旅人。すごい多才で魅力的な肩書ラインナップ。一つの道を極めるのもカッコいいですが、私はやっぱりハイブリッドにこなしていくパワーと生き方に憧れました。
ニューヨークやパリ、東京などのトップバーをご自身が訪問するというドキュメンタリー映画も公開されているわけですが、今回のセミナー会場でも、映画『シューマンズ バー ブック』の予告動画が流されました。

なかでも印象的だったのが、NYのお店のお話。もともとはドキュメンタリーの制作にもそんなに乗り気ではなかったそう。でも「自分の名前がついているお店には足を運んでおかねば」ということで、訪問したところから、心が動かされていったんですって。バーのトレンドや在り方、ご自身の考えを語るシューマンさんはとてもカッコイイ。
なかでも「バーはお酒も大事だけれど、作る人がどういう人なのかが最も大事」という言葉が印象的でした。

例えば、ミュンヘンのシューマンズバーを東京に持ってきても、同じお店にはならないというのです。それは、バーテンダーもお客さんも、日本人だからということ。バーって雰囲気とかお酒を楽しむところではありますが、そこに存在する人がどういう人で、足を踏み入れたお客さんにどういう出会いをもたらせるのか?という点にすごく価値を置いていらっしゃるんだそう。すごく納得。こんな大人な感じのバーとか、自分ではなかなかいかないし、将来バーテンになる予定も今のところないけど、勝手に強い感銘を受けました。
この<Mixology Experience>に入って早々、「首都高が見えるー!」と、はしゃいでしまった自分にリグレット…。はずかしくなってきました。
仕事中はお酒を飲まない! チャールズ・シューマン氏にとってのバーで過ごす時間とは?
あと、びっくりしたのは、シューマンさんは、仕事中はお酒を飲まないのだそう。「話ながら飲むバーテンもいますが、あれはよくない」ときっぱり。

「自分は働いているときは飲まない、お客さんに勧められても飲まない。なぜなら、お店を一番愛しているお客さんが、自分になってしまっては意味がないでしょ」
すごい。突然のすさまじいプロ意識に、とても驚かされた瞬間でした。

私は人見知りなので、バーには知っている人としか行ったことがないし、そもそも“自分のお店”というのもないわけで、過去いったお店も、友人や先輩らの紹介ででかけたバーばかり。でも、そこで過ごした時間って、さすがにお酒に飲まれることはなかったですけれど、その場の静かな雰囲気には飲まれまくりで、あまりバーテンダーの人との会話を楽しむみたいな過ごし方はできなかったなーと振り返ったりもしました。
「お好みは?」なんて、聞かれても、「アイラをロックで飲みたいのでおすすめありますか?」と呪文のように唱えるのがやっとで、「あー煙たいですね、美味しい!」とコメントをすることで、大人の階段を1段飛ばしで登っているような気分に浸ったりしています。
ところが、「カクテルもありますよ、何かお好みがあれば!」ときかれた瞬間、「弱めで甘めで、美味しいやつ」と、30歳過ぎてもなお、子供じみたどうしようもないオーダーの仕方をしている自分がいたりする現実。あぁ。もっとスマートなやりとりはできないものかと自分でもしみじみ思うことがあるんですよね。酔って次の日には忘れていましたが、今思い出しました。

だから、日ごろ、バーの内側にいらっしゃるシューマンさんや南雲さんが、ほかのお店を訪れたときのお話やそこにいるバーテンダーたちとの過ごし方の話をきいて、私も、「いつか世界中の都市に自分のお気に入りのバーがあるような人生を送りたいし、バーにいる誰かに会うためにでかけるような旅を楽しめるようになりたいなー」とひとつ目標ができたのでした。
太陽の日差しを浴びながら、ネグローニを味わおう!

前回のカンパリのコンペのときにも思ったんですけれども、本当にカクテルの世界というのは奥深いですよね。同じお酒でも、作る人の個性がそのまま反映される不思議な飲み物です。そういう意味でも、どういう人が作るか?にバーの価値や重要性を置く、シューマンさんの言葉は重いわけですが、今回は特別にミュンヘンのシューマンズバーでも出されているというネグローニを試飲させていただきました。

「ネグローニ」というカクテルは、アメリカーノに少量のジンが入っています。
■Check!ネグローニ誕生秘話
The World’s Best Selling Classic Cocktails 2019でなんと2位にランクインしているイタリアのポピュラーなカクテル「ネグローニ」。1919年にネグローニ伯爵がロンドンへの最後の旅の記念にフィレンツェのバーで注文したのがはじまりだったそうですよ。伯爵がこのカクテルを大変気に入って、ネグローニ伯爵の名前がそのままカクテル名になったのだそう。
■Check! シューマンスタイルのネグローニ♪スッキリ飲みやすい

シューマンズバーのネグローニ in 六本木!スッキリしていて、とても飲みやすい…!夕方に飲んでいるから美味しいというよりも、明るい時間にこそカジュアルに飲みたくなるような味だなと思いました。
そして、窓から差し込んでくる光が心地いいこと。心地いいこと。カラっとした今の初夏にはもちろん、もっと本格的に夏がはじまってからもこの「ネグローニ」はいいかも。

若いころ居酒屋で飲んだカンパリオレンジのおかげで、すっかりイメージが悪化していたカンパリですが、本当にここ最近、今回のようなアサヒビールが主催されているイベントに登壇されていらっしゃるような凄腕バーテンダーが本気でつくるカンパリには、圧倒されまくり。
どうしても明るい時間にお酒を飲んでいると、「みんながアクセク働いている時間に、お酒飲むのは最高なのだ、うっしっしー。」と、ひどい価値観が沸き上がってくるわけですが、ちゃんと腰かけて、丁寧に作られたカクテルを飲み、バーテンダーの方の哲学に耳を傾けていると、なんか自分の生き方をもっとちゃんとしなくっちゃ!と背筋が伸びて、妙なモチベーションが高まります。

人生はモチベーションがすべて。そして、誰に出会えるか、誰と出会うかは、自分の行動力にかかっているよなぁといろいろ考えさせられるのです。じっとしている場合じゃないね。
シューマンさんの本を片手に、自分の人生と照らし合わせながらいろんなことを感じたカンパリセミナーでした。
今度、六本木で飲むときは、<Mixology Experience>でカンパリカクテルを飲みたいので、どなたか付き合ってくださいね。まだ一人BARは緊張する…
■Check!6月24日~30日はネグローニウィーク
CAMPARIが世界各国で実施するチャリティーイベントです。アメリカのカルチャー誌「IMBIBE」とともに、プロモーションをかけ、カンパリグループや参加する飲食店の売上の一部が、慈善団体へ寄付されるそうです。
今回ご紹介したのは六本木の<Mixology Experience>で開催されたカンパリセミナーです。

<Mixology Experience> オーナーの南雲主于三氏
大きなシェイカーを振っている南雲主于三(なぐも・しゅうぞう)氏のお店。六本木の交差点からもスグで、18時からやってるそうなので、夏は明るい時間にカクテルを楽しめるよ。

Charles Schumann(チャールズ・シューマン)氏
登壇されていたCharles Schumann(チャールズ・シューマン)氏。超気さくなのに、写真を撮るときには絶対に笑わないという強いこだわりがあるなか、やっとゲットしためずらしいスマイルショット!

シューマンズ バー ブック
世界のバーのバイブルになったレシピ本。私も家でカクテルライフを楽しもうと思います。
このセミナーはアサヒビールの洋酒祭り3連発の第2弾として、お声かけいただき、ESSEのいつものみなさまと一緒に参加したものです。楽しい時間をどうもありがとうございました。
ミクソロジーエクスペリエンス (バー / 六本木駅、乃木坂駅、麻布十番駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.6
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