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<熊野古道散策>大門坂から那智大社を目指して歩いてみた

普段の仕事が座りっぱなしで、運動不足がたたった熊野三山。その中でも、最も過酷だったのが熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)です。

紀伊勝浦駅からバスで大門坂(だいもんざか)まで行き、そこから熊野那智大社と那智の滝まで歩いてきました。ユネスコの世界遺産にも認定されている熊野古道ですが、『紀伊山地の霊場と参詣道』と呼ぶに、本当に相応しい美しい光景がいっぱいでした。

大門坂駐車場のバス停から熊野那智大社を目指して歩きはじめた

私はまず、紀伊勝浦駅からバスで出かけました。バスでは、大門坂→那智の滝前→那智山へと向かうことができます。本数が1時間に1本程度しかないので、ご注意ください。

大門坂駐車場から歩く

大門坂の駐車場を降りるとき、運転手さんに「あっち行くと看板があるから、そこから熊野古道を歩いてって~」とライトに教えてもらったのですが、不安すぎるくらい熊野古道感ゼロの道路。前を行く黒いコートのオジサンはうちの夫です。

5分ほど歩くと、「熊野古道こっち」の看板を発見。

熊野古道大門坂までの看板

古代から中世にかけて、地位の高い人から庶民までが歩いたといわれる世界遺産の道!さっきまでの道路とはうってかわって、ここからの急な神々しさにワクワクして走り出す私。

あとでわかるのですが、ここから那智山を登って熊野那智大社と那智の滝まで永遠に山登り的なスゴイ道が続きます。パワーを温存しながらゆっくり周囲の風景を満喫するのがおすすめ。

赤い振ヶ瀬橋を渡って神聖な那智の山へ!

熊野古道にある振ヶ瀬橋

鳥居をくぐって奥にある「振ヶ瀬橋(ふりかせばし)」を渡っていきます。実は、このは「振ヶ瀬橋」こそが、那智の聖域と俗界を分かつ(両方の瀬を振り分けるみたいな意味なのかな?!)という意味から名づけられたという大事な橋なんだそうですよ。アホな私は深い意味も考えずに駆け抜けてしまいました。那智参詣曼荼羅(なちさんけいまんだら)という絵図にもちゃんと描かれている大事なポイント!

熊野古道入口の大門坂茶屋

大門坂茶屋というこの提灯のお茶屋さんでは、平安衣装の貸し出しもしていましたよ。熊野って、その昔は、浄土の地と言われていて、熊野詣自体が極楽往生の予行演習的な意味合いなんですって。貸し出し用の平安衣装は、赤や金の刺しゅうがほどこされているような煌びやかなものというよりは、死装束っぽい白が基調になっているシンプルなもの。

熊野古道の夫婦杉

熊野詣にふさわしい葬送の作法に則った装束でお詣りするのもいいかもしれません。私はここも駆け抜けてしまいましたが、那智大社まではここから1時間くらいかかります…!気を長く、根気強く、頑張って歩きましょう!

悠久のパワーを感じる!樹齢800年の夫婦杉

熊野古道入口で最初に出会う夫婦杉

古道に一歩足を踏み入れると樹齢800年の夫婦杉 !

熊野古道のなかでも、古代からの面影をものすごく感じた場所が、ココ!夫婦杉です。なんと樹齢は800年。今から800年前というと、日本は鎌倉時代ですかねぇ。当時からここに佇み変わらず寄り添う二本の木はなんとも表現しがたい圧巻の美しさ。

夫婦杉が大きくてびっくり

写真だと入りきらないんですが、高さもスゴイ!和歌山県指定天然記念物に指定されているそうですよ。見た目もほとんど一緒なんですが、どっちが夫でどっちが妻なんでしょうね?!

どっちが夫でどっちが妻なのかよくわからないけれども迫力満点

抱きつくとこんな感じ。私は身長160㎝なのですが、圧巻の幹の大きさにびっくり。夫婦杉は大門坂きってのフォトスポットです。

熊野古道「大門坂」を散策するなら明るい時間帯がオススメ

神々しい熊野古道

入口の大門坂茶屋以降、那智大社の参道入口まで民家もお店もありませんでした。

陽が陰ると一層深みを増す熊野古道の緑

でも、だからこその、この静けさ。太陽が雲に隠れた瞬間の深まる緑がキレイ。

パワーが満ち溢れている熊野古道

誰もいない静寂と、冷たい空気、緑いっぱいの不思議な光景が繰り返されていきます。真冬なのに、木々の隙間から差し込んでくる光がものすごくあたたかくて、いろんなパワーを感じます。ここはぜひ、天気のいい日の明るい時間帯に散策を!もう最高に気持ちいいですよ。

さすが世界遺産。どこを見ても木々の幹の迫力がすごい!

昔はここを通るのに通行税をとっていたという「十一文関所跡」も。

十一文関跡で昔、通行税をとっていたらしい。

今はただ、こうして看板があるだけ。

昔は、那智川の川原から200mを超える標高差をとことこと登って、この大門坂へとやってきたのだそう。私はバスでスグ近くまできて歩きはじめてしまいましたが、とっても神聖な道のり。熊野古道の神様の力みなぎる空気をたくさん吸い込むことができました。

熊野古道の六町

ふだん体を動かしていない人は、まず鍛えましょう(笑) 六町という石段の先まできて、ようやく那智山の駐車場。目指す熊野那智大社の足元に到着。

那智山の駐車場に到着。地図で現在地を確認。

すでにヘロヘロになった夫は、パンフレットの地図をみながら「マジかよ!」と涙目。ネットにあまり情報がなかったので、「ま、現地にいけば、わかるだろう」くらいのつもりでフラっとでかけたら、その道のりはめちゃめちゃ過酷でした。

大門坂までのアクセス

熊野古道・大門坂

紀伊勝浦駅と那智駅から那智山行のバスで20分。「大門坂」で下車して約500mくらいのところから歩いたポピュラーなルートです。人は少なかったけれど…(^_^;)そして、その弊害として、バス自体の本数も少ない(1時間に1本程度)ので、事前に時刻表をチェックしていったほうがいいと思います。地方あるあるですねぇ。

料金や時刻表の詳細は熊野交通の公式サイトをご確認ください。

というわけで、がんばって登った後半の話はまた次回!

【INFO】

今回ご紹介したのは熊野古道「大門坂」の道のりです。バス停から那智山駐車場まで、写真とりながら歩いたら30分くらいかかりました。全長約600メートル、高低差約100メートルの石畳は、 ずーっと登坂。けっこうキツかったです。

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