朝の飛行機に乗って、広すぎる北京空港からえっちらおっちらなバス移動で2時間半、ぼんやりしながら、私がまず訪れた先がここ!長安大戯院です。
私は歌舞伎とかオペラが好きなので、「きっと京劇も面白いんだ!」と勝手に思い込んでおりなんかほとんど勢いだけで、本当に劇場まできてしまいました。
もくじ
北京を代表する京劇会場「長安大戯院」へのアクセス
北京で京劇がみれるスポットはいくつかあるようですが、ここは京劇専門劇場として戦前からの由緒正しいスポットらしく、800人収容可能の席数をほこるという大規模劇場です。
トップクラスの俳優がほぼ毎日なんらかの公演をしているということだったので「チケット、うまく買えますよーに!」と願いながら、さっそく乗り込んでみたのです。かなり近代的な建物。京劇のメイクのようなかっこいいオブジェがお出迎えしてくれています。
最寄り駅は地下鉄の建国門です。駅からは歩いて10分ほどです。明るい大通り沿いなので、夜でも安心。
長安大戯院のチケット売り場は中国語オンリー。クレジットOK
そうそう、私、飛行機降り立ってからまだ両替もしてないタイミングで現地通貨の人民元もなくいきなり到着してしまって、「まいったな~」とか思っていたのですが、(←すげーのんき…)この建物のなかには、CitiBankのATMがありました。
しかも建物のなかで警備の人もいたので、もし機械でお金をおろしたい人はココ結構おすすめです。では、チケットの買い方をチェックしていきましょう!
●長安大戯院の正面ロビー右手の角にチケット売り場
すっごくわかりにくくって、警備員さんに教えてもらってやっと見つけたチケット売り場。
どこの劇場よりも探しました。窓口の二行目に小さく英語表記もあります。
私が買いに行ったときはおばちゃんが2人いらっしゃいました。
●長安大戯院のチケット売り場は英語が通じない。筆談で購入。
おばちゃん2人はとても人がよさそうな親切な感じ。しかし全く英語が通じませんでした。
私はとにかくガイドブックの京劇のページを見せながら、コレが見たいんだ~!と伝え、はじまる時間、座席、価格、などのやり取りはすべて紙に書きながら筆談で…。もっと北京語ができたらスムーズだったな~と反省がまじる瞬間です…!
おばちゃんたちは一生懸命対応してくれて、一番前のド真ん中の席がポツンと空いているからとPCのモニターまで見せてくれて、無事にチケットを購入できました。
<参考情報>
チケット代:200RMB(最前列の真ん中、お茶付の席)
公演時間:19:30~22:00
当日の15時くらいにチケット窓口で直接購入
憧れのお茶席で初めての京劇鑑賞
チケットを買った後はひとまずホテルへ。そうそう、泊っていたニューオータニが徒歩圏内だったので、これにはホント助かりました。とはいっても思っていたよりは距離があって、地図で見ていた時は、「ま、5分くらいかな」と見積もっていたのですが、昼間に実際に歩いてみたら15分まるまるかかった…!
でもところどころに公安(おまわりさん)が立っているので、これなら夜でも安心です。女性が一人で京劇を見るときは、終わる時間が遅くなっちゃうから、帰りの足を確保しとこうね。コンシェルジュに聞いてみたら京劇は歌舞伎のようなお食事をとれる休憩時間はないそうで、先に食べてからいったほうがいいよとアドバイスをされたので、夕飯を済ませてから劇場へ。
夜はオブジェもライトアップされてて素敵です。
●ロビーでは筋書きやパンフの販売も
ちょっと早めの1時間前に劇場に到着しました。早すぎたかな~と思ったのですが、すでに人が。
ロビーではパンフなどの販売がされていました。けっこう若いお客さんも多い。
ちょっと見てみたら、完全に中国語のものしかなかったので、購入はあきらめました。あまり外国人向けではないのか、中国人のお客さんばかりです。しかし、どんどん人が集まる。
これはあまり当日のチケット購入はおすすめできない状況です。できれば数日前に買っとこうね!
●一番前のお茶席!相席だけど楽しいひととき
劇場の扉があくと、すぐに係りの人が来て、チケットごとに席を案内してくれます。
このあたりのサービスは歌舞伎座と一緒だね。
お茶席は、コの字型にテーブルを囲むようになっていて、5人がけ。知らない人と相席に。
「だから1つだけポツンと空いてたのか~」と思ったけれど中国の人同士も1人とか2人での申込が多いみたいで、どのテーブルも相席同士という感じの雰囲気です。
席につくとすぐにお茶とお茶菓子、おしぼりが運ばれてきました。
私の席は3人で見に来ていた中国人の年配の親子と一人できていたサラリーマン風の男性。テーブルには大きなポットが置かれていて、各自でお湯をそそぎ足しながら、中国茶を飲めるという仕組みみたいです。
お茶の蓋は、かぶせたまま、少しずらして飲むと、茶葉が口に入らなくていいのだそう。
恐らくこれ、現地では当たり前すぎると思われる作法なんだろうけれど、そんなことすら、よくわかってない日本人の私に、皆さんいろいろ教えてくださってありがたかったです。待っている間もちょっと楽しいひとときでした。
でも北京語ができたら、もっとよかったのになーとここでも感じました。
演目は「三岔口」「白蟒台」「思凡」「白水灘」
さ、いよいよステージがはじまりました。最初の演目は「三岔口」。
これは京劇のなかでも有名なお話。暗やみのなかで、敵と勘違いしてすったもんだして、戦い合うという姿が面白いストーリーです。最後に、やっぱり仲間でした!と分かって仲直り。
お決まりなんだけれども、言葉がわからなくっても動きだけでも十分楽しいお話です。
舞台の右袖では、民族楽器と思われる楽器で音楽が生演奏されています。独特な音色。
で、ここで一つ問題が発生します。
なんと、字幕が中国語だけ!わお。事前にネットで調べていた時は英語も出るとあったのですが、私が行ったときには、完全に中国語だけ。これには舞台がはじまってからかなり焦りました。
何しろ、このあとの3演目は全くの初見で、ストーリーも知らなかったから…!
そんなこんなで、また「まいったな~」な気分から始まったのが、「白蟒台」です。
ぜんぜん事前予習がなさすぎて、残念だったのもこの「白蟒台」。上演時間も一番長かった。
会場の人のほとんどがこの演目を待ってましたとばかりにワァ~!と盛り上がっていました。ところどころ、歌舞伎でいうところの見得をきるような場面には、同じテーブルのお客さんも「オッ!」と大きな声で盛り上げていて、私も「オッ!」と言いたいけれど、どこでくるのかわからないというとっても残念な結果に。
でも一番前だからこそのいいことも。京劇ならではの豪華な衣装やメイクをこんな近くで見れた!
そうはいっても気になるあらすじ。どうも戦いで、敵軍を防いでいる最中、主人公は白蟒台を建ててそこに隠れることにしたんだけど、建設に携わった人たちを皆殺しにしちゃった。でも一部の人が逃げ延びて、白蟒台の場所を突き止めて、主人公に死を迫る。というような壮大なストーリだったみたいです。ざっくりすぎてて、違っていたらごめんなさい。
人気の役者さんがセリフを言うと拍手がわき、要所でみんなが一斉に「オッ!」っていう。
本場ならではの空気感はすごくよかったですが、ストーリーはちゃんと予習すればよかったな。
3幕目の「思凡」は、私の中ではザ・京劇といった雰囲気のかわいらしい女の子の一人芝居。
この女優さんは最高にかわいかった。
夢見る女の子のほんわかした歌と踊りであっという間のひとときでした。
最後の白水灘は、とってもアクロバティックな展開で、迫力満点でした。
白水灘(はくすいたん)Bai-shui-tan
これから見ていただくのは、白水灘、白水という川の岸辺(きしべ)、という芝居です。
許世英(きょせいえい)と、妹の許佩珠(きょはいじゅ)は、自称・山に立てこもる反政府ゲリラ、実際には山賊の兄妹(きょうだい)でした。兄の許世英は、酒に酔ったところを逮捕され、政府軍の武将・劉仁傑(りゅうじんけつ)の手で連行されることになりました。妹の許佩珠は、逮捕された兄を救うため、劉仁傑たちの一行に襲いかかります。たまたまそこを通りかかった穆十一郎(ぼくじゅういちろう)は劉仁傑に加勢して戦い、ゲリラの兄妹を撃退します。
それでは、京劇ならではの華麗な立ち回りを、どうぞお楽しみください。
引用:http://www.geocities.jp/cato1963/KGZbst.html
これはセリフよりも動きがメインのストーリーだったので、中国語を知らない私でも
無事に楽しむことができました。相変わらず「オッ!」のタイミングが不明でしたけど。
一度は見てみたい!本場の京劇
中国の古典演劇・京劇。初めて見た感想は、大満足の一言でした。
セリフがわからなくっても生でみる舞台の迫力は圧倒的なインパクトがあります。
旅先だったからなおさらの感動もあったかもしれないけれど、本当におもしろかった。独特な旋律で奏でられる民族楽器の音や、お客さんの「オッ!」、役者さんのメイクや動き、言葉がわからなくっても驚きとか感動とかはちゃんと感じることができます。
この数日後に故宮博物院にいったんだけれども、故宮の中には皇帝専用の劇場があって「マジかよ~!ちょう贅沢じゃん!いいな~、私もここで京劇みた~い」とか言っていたら、さらにその数日後、トランプ大統領が習近平さんに故宮を貸切ってもらってて、しかもあの劇場で京劇鑑賞してたとかいうニュースを見ながら「羨ましすぎるぞーーー!」と一人騒いでいました。
私の夢は、アメリカの大統領にでもならないと叶いそうにありません。
がんばりようがないけれども、自分の道を地道に歩いて、いつかそういうチャンスがきたらいいなと願いながら頑張ろうと思います。
中国の偉い人、もし読んでいたら、普通の人も故宮で京劇鑑賞できるようにしてください。そしたら、すぐにみにいきます!ほんとに笑
今回紹介したスポットは…
北京の「長安大戯院」
住所:7 Jianguomen Inner St, ChaoYangMen, Dongcheng Qu, Beijing
TEL:+86 10 6510 1155
最寄り駅は地下鉄の建国門です。1号線と2号線の交差している場所なのでアクセスはいいよ。
目の前の道路は夜は大渋滞していて、タクシーを拾えそうにはありませんでした。
ニューオータニ(長宮飯店)までは徒歩15分。
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