ガウディ没後100年に当たる2026年に完成が発表されていたバルセロナの世界遺産サグラダ・ファミリア教会の完成が、また先送りになってしまいました。今回は紆余曲折すぎる近年のサグラダ・ファミリアのすったもんだな歴史をご紹介します。
もくじ
実は建築許可がないままだったサグラダ・ファミリア教会
建設が始まったのは1882年のこと。コロナ前は年間数400万人もの観光客が押し寄せていた超人気観光スポット。なんと2016年にサグラダ・ファミリアが許可を得ないまま違法に工事が進められていたことが発覚。1885年にガウディが役所に建築許可を申請していたんだけど、返事がもらえないまま137年もの間、放置されちゃってたんですって。
で、2018年に130年以上許可なく建築を続けてきたことへのペナルティーとして、市に4100万ドルを支払うことに合意となったそう。無事に2026年までの建築の免許が与えられ、めでたくガウディ没後100年に完成させてお祭りできる~!とみんながワクワクしていたものの、そうコロナ禍に巻き込まれてしまうのです。
コロナでサグラダ・ファミリアの工事費が激減?!
建築許可証によれば高さ172メートルになるとされていたサグラダ・ファミリア。その工事費は3億7400万ユーロ(約460億円)で、寄付金と入場料のみが頼りでした。ところがコロナで状況が一点。2019年3月、スペイン政府が新型ウイルスの感染拡大を防ぐためにロックダウンを発令。サグラダ・ファミリアの工事も中断してしまったのです。
キリスト教徒からの献金や、観光客へのチケット販売収入も大きく減ってしまい、秋には「2026年(の完成)は不可能だ」と公式に発表されました。
サグラダ・ファミリアの内部は息をのむ美しさ
現時点では、18塔の中で2番目に高い、聖母マリアにささげられる巨大な塔のところまでの工事費用しかないということで、コロナが収まって工事が再開したとしても、そのペースはだいぶゆるやかにすすめられる見込みです。とはいえ、教会内部の様子は、一見の価値アリ。
まるで生き物の体内にいるかのようなやわらかな曲線、ステンドグラス越しのあたたかい日差し、厳かな空気に包まれた不思議な空間に身を置くだけで、魂が浄化されていくような気分になります。人々の現世の罪を購うために、聖家族に捧げられた大聖堂。
外観の完成はまだ先になりそうですが、バルセロナへいったら、ぜひなかまで観光してほしいイチオシの教会です。
サグラダ・ファミリアのチケットは公式サイトが一番安い
サグラダ・ファミリアのチケットは公式サイトからオンラインで事前購入できます。価格はサグラダ・ファミリア教会の内部見学のみが26ユーロ、ガイドツアー付が27ユーロ。(2021年7月時点)
価格は徐々に値上がり傾向ですので詳しくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。
21世紀に入ってからも、ニュースに事欠かないサグラダ・ファミリア。観光にでかけて、応援しましょう。
今回ご紹介したスポットはスペイン・バルセロナ(Barcelona)で建設中の<サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)教会>です。
エステーバ・カンプス(Esteve Camps)建設委員長によると「(工事完了するまでの)新たな日程を提案することはできない」そうです。ま、未完のままであっても素敵ですけどね。できれば生きているうちに完成を見たいな!
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