今日は品川で開催された「AMED再生医療公開シンポジウム」にでかけてきました。
もくじ
AMED(エイメド)って?
AMEDというのは、「日本医療研究開発機構(にほんいりょうけんきゅうかいはつきこう)」の英語表記の「Japan Agency for Medical Research and Development」頭文字からきている名前だそう。アメドではなく、エイメドと読みます。内閣府の管轄に置かれた国立研究開発法人で、文科省、厚労省、経産省と連携・協働し補助金の管理分配も行っている、いわばオールジャパン体制の研究機関みたいな組織。
今日はそのAMEDが主催の公開シンポジウムだったのですが、冒頭の特別公演にiPS細胞の生みの親、山中伸弥先生がご登壇されました。忘れないように、私なりの感想をまとめておきたいと思います。
ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥教授の特別公演
講演のタイトルは「iPS細胞 革新的医療を目指して」。山中先生がご登壇されると大きな拍手が沸き上がりました。TVで何度も見ていたノーベル賞受賞者である山中先生、私、生でお目にかかるのは今日が初めて。研究者としての鋭い表情やここ最近の「山中先生のせいじゃなくないっすか?」っていうあの謝罪会見の厳しい表情とはうって変わって、スラっとした立ち姿がとても素敵な方でした。かっこいい!
●ご自身の御父上を亡くされた時の心情や経緯
スピーチは山中先生のとっても身近な体験談からはじまりました。その話が印象的だったので、少しご紹介したいと思います。
小さな金属片が足に当たったお父様の手術。レントゲンに映ったその小さな破片を取り除くために行った手術での輸血が原因となり肝炎を発病、当時はウイルスの原因が特定できず対処療法しか打つ手かなかったという話を丁寧に語られていました。
山中先生のお父様がお亡くなりになられた翌年の1989年にアメリカでC型肝炎のウイルスが特定され、2014年にはハーボニーという治療薬が登場。しかしそのハーボニーという薬は1粒5万円以上する大変高額なものなのだそうです。
山中先生の提唱する問題点は2つ。
研究に時間がかかりすぎていること、
そして
せっかく開発された薬が高額すぎるということ。
●iPS細胞でたくさんのストックを作ることを目指している
iPS細胞って、私は今日の今日までその詳細をよく理解すらできていなかったのですが、論理的にはわずかな細胞から人間の臓器をなんでも作れちゃうみたいなイメージのものなのだそう。このあたりの話も、普通の人にでもわかりやすく細胞を洋服などに例えながら、どのように多くの人に適合するストックを作ろうとされているのかを説明されていました。
治験用の臓器も、iPS細胞からたくさん作り出すことが論理的には可能なのだそうです。その技術を最大限に活用しながら、研究や新薬の開発のスピードUP、コスト削減、手術を実施していくことで最終的には多くの人を救いたい、(ホントはもっと深いんだけれど)やろうとされている方向性はそんな感じです。
山中先生の話を聞きながら、私が思ったこと
医療のことなんてちっともわかっていないので、昨日慌てて予習をしようと山中先生の本を読んだら難しすぎてうっかり昼寝をしてしまった私。でも講演をこうして生で伺える機会があって、自分なりに考えさせられることがとても多かったので、そんな感想もまとめておきます。
●自分に何か協力できることはあるのかな?
世の中には多くの人に適合するスゴイ細胞を持ったスーパードナーという方がいるそうで、なんでもすでに日本人の30%をカバーするiPS細胞のストックを製造できるようになっていると聞いて、とても驚きました。
私はバカだけど、とても健康です。でも元気だとあまり病院へ行く機会も少ないので、きっと山中先生たちがほしがっているサンプルのデータのなかにも私の数字は入っていない、はず。ただ採血とか、ちょっと細胞をとるとかで、データの一部としてもし誰かの役に立つのであれば、せめてその技術の発展のために協力できたらいいなと思いました。あれ、どこにいけばいいんだろう?
そんなすごいドナーになれる可能性はほとんど低いだろうけれども、万が一のミラクルがあるかもしれないからね!笑
●病気になったときに冷静になれない経験
私は23歳のときに母親を癌で亡くしているので、自分は病気にこそまだなったことはありませんが、家族がオオゴトになったときの心境とか、あの大変さは普通の人よりは少しわかる方じゃないかなと思っています。人はみんないつか死んじゃうんだけれども、そんなつらい経験をいい意味で淡々と分析されている山中教授を、今日は人間として、とても尊敬しました。私なんか、今でもしゃべっていると泣いちゃいそうになるときあるから。
●治療方針も薬も、素人は選べない
家族の病気に対して、お医者さんの立場からの視点ではなく、ご自身の体験の視点からの話は、すごく胸に迫るものがありました。当時、母の治療方針どうするかの話になったとき、「生物のテストで赤点だった私に聞かないでよー!」ってパニックになりました。でもいざ病気になったら「どの薬を使いますか?」的な話には、必ずなると思います。もちろん、お医者さんのおすすめ!は教えてくれるけれども、スイーツ情報や旅行スポットとかのオススメと違って、ガチで命に係わるかもしれない選択なので、そんなライトに「へぇ~!じゃあそれに決めた!」ってショートケーキ選ぶときみたいなみたいにはならないのです。大事な選択だからこそ、失敗は許されないくらいのがけっぷち感を味わうし、そんななかで、最後は本人や家族にゆだねられるようなシーンがあるのです。
セカンドオピニオンが~とかいろいろやり方はあるんでしょうけれど、当時の自分を振り返ってもまったく冷静ではいられませんでした。今でも、「あの時の自分の行動は、選択は、正しかったのかな?」「最善を尽くせていたのかな?」って思い出すことがあります。
そんなシーンでこの薬は、あなたと似たような体質の〇%の人に効果がありました!みたいな科学的な実証データがそろっていたら、少しは心の支えになると思うんです。その実証データを作るにあたって、今までは実際に誰かの体で積み重ねていかねばならなかった部分が、山中先生のiPS細胞によって、早く安く安全に作られていくのであれば、「どうしますか?」って聞かれた時のあの絶望感を少し和らげていけるんじゃないかなと…。時間は戻せないけれど、未来にいる、そういう患者さんや家族のために、本当に頑張ってほしいなと思いました。頑張ってほしいって、すごく他人事みたいな言い方だから、今、ブログなんかに書き込むにはぜんぜん適切な表現ではないけれど…、なにもできない私には、精いっぱいの言葉です。心から、頑張ってほしいなと思います。
今日もでかけてよかった!
このシンポジウム、友人に声をかけてもらえなければ、絶対出席することはなかったし、たとえ仕事で依頼されたとしてもこういう医療分野は専門の人じゃないと絶対にダメだと思っているので、私が請け負うことはありえないんだけれども、今日は本当に貴重な話をたくさん聞けたので「えいや~!」って出かけてよかったなと思いました。
私より、もっとふさわしいあの席に座るべき人はいっぱいいらっしゃったことは、重々承知のうえですが、それでもいろいろ考えさせられることが多く学びの多い1日でした。
普段使わない分野の頭を使いすぎて、家に帰ってきてからお昼寝してしまったけれど(^_^;)よりいい未来と、たのしい明日のために。まずは自分でできることから。
今日もおいしいごはんをつくって、お風呂にはいって、ちゃんと寝る。散らかったお部屋は早めにきれいにしなきゃ。日々の生活のなかで当たり前のことをきちんとやるんだ。とてもハードル低めですが、まずはそこから。
今回ご紹介したイベントは「平成29年度AMED再生医療公開シンポジウム」でした。
公式サイト:https://www.amed.go.jp/news/event/RMsympo2017.html
大変勉強になりました。またこういう機会があれば、参加したいなと思いました。
おまけ:ファウンドリーでレッドパールのショートケーキ
久しぶりに品川までいったので、駅のなかのエキュートをぶらぶらして帰りました。相変わらずの充実したラインナップのお店。
大好きなファウンドリーというケーキ屋さんを見つけたので、期間限定のレッドパールという品種のいちごがのっかったショートケーキを買って帰りました。すごくジューシーで濃い味のイチゴ。三重県の志摩産だそうです。
ファウンドリーのケーキって、クリームもスポンジもとっても軽いので、何個でも食べられる気がします!イチゴの旬を楽しみましょお♡
このケーキはエキュート品川のなかにある「ファウンドリー」の期間限定スイーツです。
住所:東京都港区高輪3-26-27 エキュート品川 1F
TEL:03-3444-6151
改札を入ったなかにあります。品川駅にいくと、いつもついつい立ち寄ってしまう魅惑のエリア。
ファウンドリー エキュート品川店 (ケーキ / 品川駅、北品川駅、高輪台駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.8