変化をちゃんと楽しめる生き方を見つけたいな♪『迷路の外には何がある?』を読んでみた

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今日は扶桑社の方に、2月27日に発売を予定しているという「迷路の外には何がある?――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語」という本のサンプルをいただきました。夕方、神保町で仕事を終えた後、早く読んでみたくって、そのまま喫茶店へ直行。

神保町の喫茶店で迷路の外には何がある?
――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語を読了。

カウンターの席には、私のほかにも読書しているお客さんが2名。神保町ブレンドを注文し、頭の中をスッキリさせながら、1時間集中の読書タイム。あっという間に読み切ってしまった一冊はかなり心を動かされる部分が多かったので、書き留めておきたいと思います。

今ならわかる!チーズがある日、突然、消えること


チーズはどこへ消えた?

そもそもこの「迷路の外には何がある?」は、アメリカのスペンサー・ジョンソン博士による「チーズはどこへ消えた?(Who Moved My Cheese?)」のその後のストーリーです。本を渡された瞬間、「チーズの本、学生の時に読んだなぁ」となつかしさがあふれてきました。

当時、”IBM、アップル、ベンツ等々、世界のトップ企業がこの本を社員教育に採用した旬なビジネス書”という位置づけで、日本でも、ものすご~く流行り出していました。物語のなかで、幸せの象徴として登場する「チーズ」は理解できても、「変化」が何を意味しているのか、20歳そこそこの私にはいまいちピンと来ていなかったんですよね。

チーズが消えた世界で、小人のホーとヘムは茫然とします!

「ねぇ、ヘム、物事は変わることがあるし、決して同じことにはならない。この事態もそうじゃないかな。人生は進んでいく。ぼくらも進まなくてはならない」

扶桑社|迷路の外には何がある?――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語 より

そういって、新しいチーズを探しに行く結論を出したホー。いつもの生活をその場で待つ結論を出したヘム。この結論に至る考察が前作の根本だったわけです。

学生時代の私は、「自分は行動力がある」と思いっきり勘違いしていたので、同じ状況に直面したら、「私もきっと新しいチーズを探しにでかけていくタイプだ」と信じてやみませんでした。けれども、「自分は行動力がある方です!」と声高らかに宣言して入社した福利厚生が充実した会社で、思いもよらぬ事態に直面します。

動けなくなった小人のヘムとあの日の自分が重なる

この「チーズが消えた世界」と、ホーの言っている「変わる」の言葉の意味が、今の私にはわかります。無事に就職をして、フレックスをフル活用しながら、のんびり楽しく過ごしていた会社生活。よき上司や同僚にも恵まれ、昼夜問わず酔っ払い続けているようなポカポカした日々を過ごしていました。

しかし2009年にリーマンショックが来ると、充実していた福利厚生が徐々に消えてゆきました。住んでいた会社のマンションは、3000円の家賃じゃ安すぎるという理由で6000円になり、通っていたスポーツジムの補助は利用者が少ないという理由でなくなってしまい、社食も業者を変えたとかいってまずくなったうえに値上がりしました。あの日のホーとヘムのように私のチーズが一方的に消えはじめたのです。

そして2011年の大震災。薄暗く、寒い会社のなかで、ホッカイロを片手に、白い息をはきながら仕事をしていた私は、完全にチーズを見失った小人と一緒でした。誰もがそれぞれに辛い経験をした出来事ですので、「お前なんかが文句言うなー!」と怒られてしまうかもしれませんが、たいした理由もなくフレックスを禁止し朝7時に来い!と平気で言ってくる会社のことも、節電しろ!ばかりいう日本の政府のことも、大好きだったお花見すら自粛せねばならないどんよりした世間の空気も、ぜんぜん好きになれそうになかったし、「早く前みたいに戻ればいいな」と薄い希望を持ちながら、オール電化が裏目となって、ついには営業すらできなくなった困った社食で、私はコンビニのパンをかじりながら文句ばっかり言っていました。

「なんで100年に一度の不景気と、1000年に一度の大災害が、キラキラするはずの20代に重なるんだー!ちくしょう。」と自分がめぐりあわせた運命を呪っていましたが、定年で会社を去るおじさんに「いいねぇ、若いうちにこんな歴史に残りそうな時代を経験をできて」と言われて、「あぁ、長く生きているとそういう風に思う人もいるのか」と思ったりもしたものです。

当たり前だった日常が、壊れて、変わるという体験をした20代の話でした。

震災の2年後、私は、定年まで勤められそうだと思っていた例の会社を、夫の海外赴任に帯同するという思わぬ事態に見舞われてあっさり退職したわけですが、2019年の今になってようやく、私の本質的な部分は、ホーよりもヘムだったことを神保町の喫茶店で思い知るのです。随分、時間がかかったなぁ。

神保町の喫茶店

ふと視線をあげると、目の前の花がすごくキレイ。この喫茶店落ち着く。

次のステップに進むと、新しい仲間に出会える

今回の続編では、ひとりぼっちになったヘムがおなかをすかせて死にそう!と追い詰まったところでやっと、新しいチーズを探しにでかけます。重たい荷物を持って。するとそこに、ホープさんという新しい小人の仲間がやってきて、「育ってきた環境が違うから~♪」と、SMAPのセロリみたいな小さなすれ違いを繰り返します。ヘムは彼女にひっぱってもらいながら行動を共にしていくのですが、このホープさんがまた出来たいいパートナーなんですよ。

自分もおなかが空いているのになけなしの最後のリンゴをヘムにあげたり、肩をすくめながら「私もいくわ」と言って付き添ってくれる謙虚なやさしさ。そんな彼女に「道連れがいるのも悪くない」とか言っちゃってるあたりのヘムには、後ろから飛び蹴りしたくなる苛立ちを感じるわけですが、実際のところ、私の決断力や行動力って、周りの人からみたらこんな風に思われるシーンもあるのかもしれないなと改めて反省する部分もあったりするのです。やはり、私はヘムに似ている。

駐在時代には、現地で年齢を超えた良き奥さま友達ができ、帰国してからもなお、連絡をとってはアレコレ悩みを相談に乗ってもらう日々。主婦には主婦にしかわからない気持ちを共有しあい、年齢が、自分の倍以上のご高齢の大先輩がおっしゃる「そんなことは大したことじゃない」の一言で、モヤモヤしていた感情がスッキリ解決したこともあります。

ヘムがチーズの迷路をさまようように、私も思いがけぬ形で新しい一歩を踏み出したわけですが、あれから次々と開いてくドアの先で待っていた人たちに、手を引っ張ってもらいながら、今があることに気づかされました。

思えば、段ボール28箱の洋服が、狭い部屋の半分以上を埋め尽くした結果、夫が深いため息をつくところからはじまった私の結婚生活。あのときの光景も、この物語のなかで重たい荷物を手放せないヘムと重なったんですよね。自分が武器だと思っているものが、実はあまり意味がないことにだんだんと気づかせてくれたホープさんは、夫とも重なりました。何事も直球でこられると反発したくなる人間の性が、拙宅の場合、真逆なわけですが、人生は、そういうパートナーと出会えるかどうかも、生きていくうえで大きな意味を持つのです。

何事も、一人でいるより、誰かと一緒のほうが楽しいんです。けれども、そんな当たり前のことすら、日常の慌ただしさに巻き込まれているとうっかり忘れそうになってしまうから、私は愚かなんですよねぇ。つくづく、夫にめぐり会えたことを、神様に感謝です。

迷路にいることに気が付けない人生なんてつまらない

時代は変わります。そして、私たちのライフステージも、日々刻々と変化します。「チーズはどこへ消えた?」のときに、ホーが教えてくれていた「変化を楽しむ」という生き方が、今「迷路の外には何がある?」を読み終えて、もう一歩踏み込んで理解できた気がしています。

今作の本のはじまりと結びに、シカゴで行われたセミナーで、読者がディスカッションを繰り広げる様子が描かれているのですが、そこで話し合われている現実の世界における「変化」の話も印象的でした。

大手レンタルビデオチェーンのブロックバスターは、私たちがみんな永遠にヴィデオテープで映画を見ると確信していた。ポラロイド社は、人々がいつまでも小さな紙にスナップ写真を撮ると確信していた。

扶桑社|迷路の外には何がある?――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語 より

ドキっとしますよね。先日、ANAの方々がSociety 5.0(超スマート社会)を見据えて、AVATAR事業をスタートさせているという話をされていたのを思い出しました。トヨタの社長も、「自動車メーカーからモビリティの会社になることが目標」と次世代の具体的な計画を様々な場所で発信されています。身近な会社が次々に業種ごと「変化」をしようとしているのです。

ちなみに、私の前職の会社は、今年、社名が変わりました。グループ企業のカーナビメーカーと経営統合したのです。経営状態も株価もパッとしなかったカーナビメーカーを救済するという意味合いでの判断だったようですが、ま、今の時代グーグルマップがあるのにカーナビってもう売れないでしょうし、当のカーナビメーカーにも知り合いはいますが、こんな日がくることを、本当に数年前まで思い描いてすらいなかった様子を間近でみていたので、なんとも複雑な心境になってきます。

そして、親会社である前職の同僚たちもまた、社名が変わることに伴ってメールアドレスまで変わるという地味な部分の「変化」に難色を示している人もいれば、これで何かが良くなると「変化」に期待よせる人もいたりと、同じ「変化」でも受け止め方が様々だったことを思い出したりしました。

どんな仕事をしていようと、それはまるごと、自分の人生です。だから、私生活は常に仕事とリンクします。私は、趣味がそのままビジネスとなっているクチのなんちゃってライターでもあるので、どこまでが仕事で、どこまでが私生活なのかよくわからなくなることの連続です。

「果たして執筆業と名乗っていいものなのでしょうか?」と不安顔で税務署に相談しに行った5年前のあの日、受付してくれたオジサンが「それは立派な執筆業ですよ」と言ってくださらなかったら、開業届すら出したかどうかも怪しいくらいの勇気がなかったヘムみたいな私は、AIが台頭してくる次世代に、きちんとステップを踏んで上手に歩き続けられるのかどうか、大いに不安はあるのですが、そこが人生のおもしろいところかなとも思えるくらいの余裕が生まれたことが、きっと成長なのかもと感じます。
私を待っている未来の世界にも、物語のなかでヘムがたどり着いた世界のように美味しい食べ物がたくさんあるといいな♪

六本木の空

最後に、「チーズはどこへ消えた?」と、本作の「迷路の外には何がある?」を書かれたスペンサー・ジョンソン氏へ、少し人生が変わりそうな浮かれポンチな主婦がココにいるよ~!と東京のビルに囲まれた狭っ苦しい空へ感謝の気持ちをテレパシーに乗せて発信しておきたいと思います。どこかのUFOが、天国にいらっしゃるスペンサー氏へ届けてくれますように。

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