令和になって初めての防災の日を迎えています。9月1日。今日の関東は秋晴れ。大正12年(1923年)の今日、あの関東大震災が発生し、大きな被害が出たことを私たちはしっかり教訓にできているでしょうか。
今回は避難所生活におけるリアルなトイレ事情を考えてみたいと思います。先日、家族で有明にある「そなエリア東京」という施設にでかけて、東京直下の地震が発生した後の72時間の生存率を高めるための知恵を学ぶ体験型のツアーに参加したのですが、そこで展示されていたトイレ事情もかなり衝撃でした。
もくじ
仮設&携帯トイレ一覧!災害時に電気も水道も使えなくなったらどうする?
「被災者からの問いかけ」という目線で展示されている避難所生活のトイレの話。電気や水といったライフラインがストップしてしまって、72時間(およろ3日間)、自力で何とかしろと言われて、たぶん一番困るのはトイレではないかと思うんですよね。
災害直後からすぐに困るトイレ問題。人間の体の生理現象、我慢なんてできないし。避難場所へたどり着くことが、ゴールじゃない。わかっていても、なかなかピンとこない部分も多いのではないでしょうか。「そなエリア東京」のタブレットでは個人で携帯トイレを持ち歩くようにと推奨されていました。
そなエリアでも紹介されていた!在宅避難にも使える災害用トイレおすすめ3選
売店「そなえカフェ」(←ネーミングがいい!)でも携帯トイレが3種類販売されていました。 これらはネットでも購入できます。
◆水のいらない災害用トイレ
▲水のいらないトイレ処理セット。
30回分ならひとまず!取付はたったの20秒。簡単に取り付けられる簡易トイレです。日本製の凝固剤で、菌の増加による嫌な匂いをしっかり抑えることができて15年保管が可能なので、備蓄にいいですよね。
◆非常用トイレ袋くるくるトイレ
▲こちらは、非常用トイレ袋 10回分。
ロール状のトイレ袋には吸水シートがセット済で使い勝手がよく、排泄後すぐにジェル化し始めます。
◆備蓄の場所をとりたくない人はコレ
↑こちらのAmazon限定ブランドは楽天でも買えるんですが、省スペース設計(約22.5×22.5×10cm)なので、備蓄に場所をとりたくないというご家庭に人気です。
◆15年保存!トイレの缶詰
▲サッと固めるタイプで、約30回分(凝固剤粉末約210gのみ)
トイレの缶詰ってちょっとビックリはしましたが、15年保存がきく、備蓄用トイレです。Ag抗菌性活性炭配合で大腸菌、黄色ブドウ球菌などの対策もされてて安心です!在宅避難にはこういうほうが現実的かもですね。
2人暮らし2日分。自宅の便座にかぶせるだけ!匂わない簡易トイレセット
▲2人暮らしで約2日分(50回分)の設計になっているトイレセットです。
防臭袋BOS(ボス)がついている簡易トイレ。特注の大きな便器や簡易トイレなどには、汚物袋や便器カバーが設置できない場合があるので、先にサイズを図っていただきたいのですが、在宅避難ならコレもよさそう。
着替えやトイレの目隠しにもなると注目のアルミブランケット
▲外で避難することになった場合、トイレの目隠しにもなると注目されてます。
こういうアルミブランケットがあると、おトイレのときだけでなく、ちょっと着替えるときなども便利だったと聞きました。安いし、なかなか機能的で私も購入しました。
しかし、普通の外出先で被災した場合は、いつもこのトイレ缶を持ち歩いているわけにもいきません。
在宅避難ができない場合のトイレの備えもチェックしておこう
避難場所だって家や職場、出先のように、ひとりひとりの個室トイレが用意されているわけではないし。いざという時にどのようなトイレがあるのか、見てみましょう!
■マンホールトイレ
災害時の避難場所として指定されているような公園や施設などのマンホールが、こうしてパカっと蓋をあけると、下水にそのまま繋がっているから、トイレとして使えるようになっているのだそう。
施設の管理者や、防災担当者はこの使い方を知っているから、避難場所として指定されているエリアに行けば、電気や水が止まっていてもひとまずその場を何とかしのげるように対策が取られているとのことです。
出典:国土交通省公式サイト| 災害時に使えるトイレ
国土交通省のHPにも実際に災害時に使われたマンホールトイレの様子がでていました。便座や手すり、囲いも作られていて、プライバシーもなんとか確保されていそうな雰囲気です。
◆便座とレジ袋のエマトイレ
ゴミ袋やレジ袋を使った「エマトイレ」という仮設トイレも紹介されていました。
◆防災グッズに入れておきたいパームトイレ
▲15年保存可。災害用トイレ 60回分。
A4以下のサイズなので、トイレの棚や玄関など、取り出しやすい場所へ保管できます。たくさん入っているのでお守り代わりに持っておくといいよ!
◆凝固剤で固める「ラップポン」
仮設トイレには、凝固剤をいれて、使用後にスイッチを押すとビニールでラップされて出てくるので、各自、ゴミ箱に捨てるという「ラップポン」という画期的なトイレもありました。
バケツ洗浄不要で介護の負担が少ないと人気のトイレですが、高齢者がいるご家庭なら、検討する価値アリです。
こういうのが住んでいる地域の避難場所にあると衛生的でいいんですけどね。ただ使い方をきちんとみんなが理解していないと、ゴミの捨て忘れみたいなのとか発生しそう…。
避難所のトイレを誰が掃除するのか問題
実際、避難所のトイレの衛生管理的な作業って、結構リアルに問題が多発したらしいんです。展示物のなかにも、水洗トイレがもう使えるような状態じゃないレベルで汚されてしまったり、詰まったり、流れなくなった場合の問題なども、すぐには対応できないことが書かれてありました。
それに、トイレの安全面も女性にとっては超心配なポイントだと思います。そもそも一人でいくのも怖い。いろんな人と共同でトイレを使うという場面には、それだけ注意や危険が伴うわけです。
また汚れたトイレは病気の感染源にもなりますしねぇ。下痢をしたら受診といわれても、病院もそれどころじゃなくって、すぐに薬貰えるのかさえ微妙な感じだし。なかなか公衆トイレも仮設トイレもみんなでシェアする難しさを感じます。
◆提案:避難所には「ほぼ紙トイレ」を用意してほしい!
個人的には、この「ほぼ紙トイレ」を各避難所に準備しておいてほしいなと思いました。まだ家庭向けの販売はなさそうで、価格も不明なのですが、家に庭とか駐車場とかにある程度のスペースがあったら準備しておきたいくらいイイです。備蓄型の組み立て式個室トイレで、素材のほとんどが紙で出来ているのですが、屋外での設置もOK。
オールインワンの設計で、2人がかりで、20分程度で組み立てられるんだそう。しかも50人で約1週間は使用できるという大容量の400リットルタンクがついているから、結構バタバタしている時期にとりあえずこの「ほぼ紙トイレ」があったら、トイレ問題だけはいったん落ち着きそうじゃないですか。
災害時だけでなく、マラソンなどのイベントでも活躍しているそうですよ。これを設置&管理できるスペースさえ家にあれば、いざというときに家族や親せきとも使えるし、すごくいいんじゃないかなと思いました。
私にとって最も怖いのは暗闇だった…
「そなエリア東京」の72時間の生存率を上げるための体験ツアーに参加してみて、エレベーター内の振動や被災後のジオラマの街、避難所のリアルさもすごくショックだったし、勉強になったのですが、私は気分的に一番怖かったのが、暗いビルのなかをひとりで歩いている時でした
この恐怖感はお化け屋敷どころじゃありません。それに、普段から暗所恐怖症というわけではないのですが、不安な気持ちになっている時、自分が、一番怖いな!と感じるのは「暗い場所なんだ!」ということを実感しました。
「ほぼ紙トイレ」があればいいな、と思った理由のひとつに、人感センサーのLED証明がついているからというのもあります。
エレベーターのなかで電気が消えた瞬間は、もう半分パニックでしたし。
いつもスマホを持ち歩いているから、「ピンチのときはスマホのフラッシュの灯りでなんとかすればいい」と思っている人もいるかもしれません。しかしスマホは情報収集や助けを呼んだりするうえで、非常に重要なライフラインになります。電気が止まっている状況では、きっとバッテリーの充電もそうそう安易なことではないかもしれません。
なんかそう考えると、どのサイズでも着くこの懐中電灯はちょう便利!と思ってたくさん準備してあります。
昔から言われているメジャーな防災グッズに抜け漏れがないか、きちんとチェックしておくことだけでも本当に大事だなぁと思うんですよね。
皆さんも、この機会に、家庭の防災対策をぜひ一度見直してみてくださいね。
そして、もし有明方面にでかける機会がある人は「そなエリア東京」の「東京直下72h TOUR」にもぜひ参加してみてください。被災直後のジオラマの街並みはもちろん、AR越しに見る光景や注意事項は、本当にためになる情報がもりだくさんでした。入場も参加費も無料で、個人ででかける分には、予約も必要ありません。
悲惨な現場に出くわした時、自分がどんな精神状態になるのか、リアルな気分までイメージできる衝撃体験は、ESSE onlineでも詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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