秋の夜に感傷にひたっているわけでもないのですが、かなり疲れました。夜の東京タワーは、いつ見てもきれいですよね。もう、夜景も影をひそめる午前0時。東京タワーのライトが消える瞬間を見ると、未だにキャッ!となります。
コンビニに立ち寄り、夫にアイスを買ってもらって家に帰る。そんないつもの夜のはずでした。
もくじ
火事は突然に!マンションのサイレンが鳴り響く夜
買ってきたアイスを冷蔵庫にしまって、翌日の朝食の準備でもしておこうかと思ったそのとき、ドア外で「サイレン、サイレン、火災が発生しました。」の音。…なに?この音。
最後まで何かのジョークかと思いながら起こったうちのマンションの火災騒ぎ。結果は、上の階の住人の鍋の空焚きによる小火で済んだのですが、この体験は、家族で話し合いながら防災意識を高めるいいきっかけになったので、まずは実体験をシェアしたいと思います。
大変!火事よ!急いで逃げなければ
自分の住んでいるマンションでも家でも、職場でも学校でもなんでもいいんですけれども、みなさん、「サイレン、サイレン、火災が発生しました。」って音が聞こえたら、どう思いますか?
「ヤバイ!逃げなきゃ」
って急いでくださいね。私は、いざという時が来るかどうかは別として、自分は一目散に逃げるタイプの人間だと思い込んでいたんですが、どうも違ったみたい。ドアの外でなっているサイレンの音が聞こえたとき、真っ先にこう思いました。
「誤作動かな?」
このマンションに越してきて、もうすぐ5年になるけれど、誤作動で火事のサイレンなんて鳴ったこと一度もないのに。夫なんかテレビのスポーツニュースを見てて、下手したらサイレンの音にすら気が付かないくらい。あとで警備会社の人から聞いたのですが、火災発生の階とそこから上の階には「すぐに避難するように」という警報が鳴って、下の階は順次、時間差で避難指示がでるというタイプのマンションだったみたいです。それすら今回の件で初めて知ったんですけれども、3つ上の階でピーヒャラなっているのが、ドア越しに聞こえて来ていても、避難準備をしている間、私はずっと
「誤作動でしたっていうアナウンスまだかな?」
くらいのんびりしたことを思っていました。で、肝心の避難準備は何をしていたかというと、部屋着に着替えた直後だったので、もう一度、洋服へ着替え直していたのですが、万が一、外に泊まるハメになったらどうしようとか、いろいろ考えてしまって…要するに、ただの洋服選びにもたついたのです。心のどこかではずっと警報の誤作動じゃないかという思いも捨てきれず、バッグを持って、荷物の最終確認をしていたとき、部屋のなかにけたたましいサイレン音が。
「ビー!ビー!火災が発生しました。すぐに避難してください。ビー!ビー!」
インターホンところから、聞いたこともない大音量。これは、誰でも気が付くわ…というレベルのすごい音。「マジか…」と夫と顔を強張らせながら外に出ると、焦げ臭いにおいがして、マンションの下にたくさん人がいて、私たちもあわてて外に出たのでした。それからまもなく、消防隊の人がマンションに到着しました。まさか自分の住んでいるところでこんなことが起きるなんて。まさか自分が深夜0時半に、避難することになるなんて。最後の最後まで信じられない気持ちでいっぱい。
マンション火災が発生して、実際に持ち出すことができたもの
パニック状態というよりは、とんちんかんぶりを大いに発揮してしまった今回の火災騒ぎの避難騒動。私が、ドタバタのさなか、実際に持ち出した荷物がこちら。
- お財布(現金とかカード類もまるっと)
- 仕事用のバッグ(ノーパやカメラ、スマホや充電器などまるっと)
- アクセサリー(婚約指輪とか大事なものだけ自分に身に着けた)
- パスポート
- ぬいぐるみ(大事な羊と牛だけもって、ほかはあきらめた)
- ハードディスク
◆避難するとき真っ先に頭に浮かんだ心配事は…
頭をよぎったのは、翌日の仕事のこと。とりあえずさっきまで持っていた荷物をまるごと抱えて。あと飛行機乗りとしては、いくら火事になったとか言い訳してもパスポートないと次の出国に影響しそうだ!とか思ってしまって、しまっておいたパスポートもひっぱりだしました。
◆避難用バッグは置いて行った理由
地震などの災害用に、小さなキャリーバッグに避難グッズを一通り詰めていたのですが、「今回は火事だから、必要なものはコンビニで買えばいいんじゃない」と思い、持ち出しませんでした。夫は命の次に大事だからと、写真のデータをバックアップしておいたハードディスクを持ち出していたのですが、よく考えたらAmazonとGoogleのクラウドにも保管しているので、わざわざ持っていく必要はなかったです。
避難完了。外に出たら、ほぼ最終ラインだった
ちょっと慌てふためきすぎて、時間はわからないのですが、マンションの外に避難し終わったのは、ほぼ最後でした。かなり遅かった。ここは自覚がなかったので、命を守る行動という意味では、最も反省が残った部分です。
同じマンションのおじいさん、おばあさんたちが、すでに避難を終えている中、大量の荷物をもって、えっちらおっちら登場する私。
ホッとしたら、周囲の空気がかなり焦げ臭いことに気が付いて、たいしたことはない小火とはいえ、本当に怖いと思いました。ここから消防隊の方から「大丈夫です、お部屋に戻ってください」と最終的な指示がでるまで30分くらいかかりました。
反省1:避難開始から行動、完了に至るまで、とにかく時間かけすぎ
たぶん部屋出るのに10分以上かかっています。今回が小火で済んでいて、うちへの被害は部屋がちょっと焦げ臭くなったくらいしか被害はありませんでしたが、大火事だったら、命に関わっていたかもしれませんよね。夫も私もすごく反省しました。だって、「本当かな?」「誤作動じゃない」警報がなっているさなかも、心のどこかで「何かの間違え」な、ような気分でいたのですから。
さすがに、部屋のインターホンがビー!ビー!鳴り出した時は焦りましたが、初動がかなりのろかったという結果は否めません。
あと万が一煙に巻かれたら、吸い込むだけで命に関わる危険性もありました。家事のときはタオルをぬらして、口や鼻にあてて動くといいそうです。…という知識こそあっても、まったくそこまで頭が回らなかったのも事実。他の人がぬれタオルを持っていて「しまった!」と思ううっかりぶり。
反省2:火事で避難するときに本当に大切な優先順位
あとから振り返ってみればという結果論ですが、正直、煙に巻かれて死ぬことを考えたら、荷物なんてどうでもよかったなと思いました。まずは命を守ることが最優先。何を持っていくか選別したり悩む暇があったら、とっとと避難しろ!です。
◆持ち出しにくい思い出の品をどうするか事前に考えておこう
私も夫も、モンマルトルで書いてもらった似顔絵とか、知り合いが書いてくれたぬいぐるみたちの絵を、先日額装して部屋に飾ったばかりだったということもあり、絵を持っていくかどうかでも、少し悩んだんですよ。本気の火事だったら、あの悩んでいる時間が本当に命取りになったかもしれない。額入りの絵なんて、火災のときに持ち出せるわけがないんだから、これは高画質でデータ化しておくことにしました。
◆お金で解決できないものは後悔しないように持ち出す覚悟も
ただ火災で万が一燃えてしまったら、二度と取り戻せないものって、それぞれにあると思います。私にとっては婚約指輪だったり、夫にとってはいろんな場所を一緒に旅してきた干支のぬいぐるみだったり。他人にとっては理解されなくっても、自分にとっては大事なものってありますよね。あとで保険がおりて「はい○○円です」ってお金で返されても、悲しみが残りそうなものはあらかじめ後悔しないように避難グッズとして割り切って持ち出すというのも大事だと思います。
もう、火事なんだから。正直、持ち物なんか気にせず、着の身着のまま、大事なものだけもって、早く逃げましょう!を、次は実践できるようにしたいです。
反省3:エレベーターに、乗った…
一番やばいのがこれ。地上に降りるときに、いつもの調子でエレベーターに乗って避難したんです。
あとから、他の人たちがみなさん階段を使われていたことを知って、自分のうっかりに気がつきました。火事のときに電気系統をやられると、エレベーターは動かなくなるかもしれないしとても危険です。
小学校のころから、何度も「避難は階段」と訓練したはずなのに、真剣みが足りていなかったんでしょうね。私はいざというときに、エレベーターに乗ってしまいました。ここも反省として、次回以降はマンションの避難用の階段で下に向かいたいと思います。
日々の防災対策につとめましょう
何かあってから気が付く、毎日の平和のありがたさ。何もない日常の大切さ。
いろいろダメなところばかりのボヤ騒ぎの避難でしたが、とりあえずどのおうちも被害がなくって良かったし、わが家の反省点も見つかったので、真夜中にテレビもつけずに、夫ともいろいろ話し合う時間をつくれたという展では、防災意識を高めるいいきっかけにはなりました。うちのマンションの警報装置がどういう順番で鳴るのかとかも、はじめて知ったし。
消防隊よりも先に駆け付けてくれた警備会社の人からも説明もきけたので、真夜中に完全に目がシャッキリ冷めちゃって、体内時計がやや狂い掛けたけれど、次、どこかでなにかあったときには、もう少し冷静に行動できるように努めたいと思います。なるべくなら、おおごとな災害には遭遇したくないものですけれどね。備え。備え。
▼この記事もおすすめ!