銀座にある泰明小学校のアルマーニ問題。”らしさ”って何だろう?

東京が世界に誇るブランド街「銀座」にある小学校の洋服についての議論が話題になっていますね!

なぜアルマーニ監修の標準服に? 泰明小校長は、こう保護者に説明した引用:ハフィントンポストより(http://www.huffingtonpost.jp/2018/02/07/principalletter_a_23355613/)

2月8日のハフィントンポストの記事に、この小学校の校長先生の保護者説明が全文掲載されています。私も一応ちゃんと読んだのですが、なんで世間の人たちがこんなに怒っているのか、いろいろ考えてみました。

「銀座らしさ」と「子供らしさ」な服

この問題が議論されるべき点は、たぶん二つあって、それをこの学校の校長先生の言葉を借りて言うならば、「銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさったとき」の銀座の小学校に通う生徒の服の値段と在り方なんじゃないかなと思います。

●小学生の子供が着る服の価格について

まず値段でいえば、ぜんぶそろえると8万とか9万になるという金額。高いか?安いか?こんなものなのか?確かに世間の相場から考えると「ま、ちょっと高いよね」という気がしますが、この泰明ブランドとやら(私にはこのあたりもよくわからないんだけれど)にステータスを感じている校長先生と通わせている親御さんが「そんなものじゃない!」って納得するんだったら、外野がとやかく言う問題ないと思います。実際、日本でもトップクラスに地下の高い場所に住んでいる時点で、うちなんぞとは金銭感覚が違うくらいのそれなりな世帯年収なんでしょうし。「たまたまそこに住んでいた学区の家はどうするんだ?」っていう意見もあるみたいですが、たまたまそこに住んでいるような人たちは、子供の服以上に普段からいろんな場面で割高を感じているけど、それでも納得してそこにお住まいなんでしょうから、今、この問題で本当に値段が高いぞ!の部分を怒っている当事者っているのかな?って思いました。実際、「泰明に通わせている親なら払える」くらいの認識を校長も保護者もしているみたいだし。

価格の一番の問題は、校長先生が一人でお決めになったというところだと思います。コンペもせずに、交渉もせずに、ド素人がプロの言値で高い買い物をさせられている雰囲気を多くの人が感じているのはまずいのではないでしょうか。もちろん、この標準服、校長先生が既存の制服との差分を負担するとか、学校の経費としてくれる予定とかで見通しが立っているんだったらいいんですけれど、赤の他人の保護者に半ば強制力をもって買ってもらうという、一番大事な部分がすっぽ抜けていたんじゃないでしょうか。たとえば、どこのデパートのバイヤーだって、仕入れるときに値段って絶対に気にする部分です。

いくらいい生地だろうが、いいデザインだろうが、「この値段でお客さんが買いたいと思うかな?」という当たり前すぎる視点が、この校長先生は持っていたのかなと思ってしまいました。ブランドとの契約の関係で口止めされていたという話も、別に教育委員会に漏らすなとか職場の先生に相談するなとか、別にそういう意味じゃないし。もっと身近な人たちに一言「子供の毎日着る服の値段として、どう思う?」って意見を聞いていれば、耳を傾けていれば、もう少し手前で、違う結論に至っていたのではないかと思うのです。

●銀座で着る服について

銀座という町はホントにとっても素敵です。私も未だに銀座で何か用事があるとちょっとドキドキするし、実際、素敵なオトナがいっぱいいます。コドモたちも、かわいらしい服を着ていて、砂場で泥んこになっているイメージはあまりありません。

だからデザイン性や銀座らしさに重点を置きたいという気持ちはとてもよくわかるのですが、この校長先生、保護者説明の文面でこんな風に書かれておられます。

では、なぜアルマーニ社かということですが、他のブランド社(どのあたりまでをブランドと呼ぶのか悩みましたが)にもアプローチをしたのですが、程合いの違いはありますが、受け止めてもらえなかったというのが結論です。引用:ハフィントンポストより(http://www.huffingtonpost.jp/2018/02/07/principalletter_a_23355613/)

「え?消去法??」って思ったのは私だけでしょうか?”どのあたりまでをブランドと呼ぶのか悩みましたが”というのも、どのあたりまで声かけたのか気になって調べたら、どうやらバーバリーやエルメスといったヨーロッパの有名ブランドの名前が次々と…。

「銀座にも優れた日本のブランド店ありますけど?」ヨーロッパに絞ってしまったのも、この校長先生のセンスのなかった部分というか、ちょっと偏りすぎていませんか?って思ってしまいました。別にアルマーニが悪いわけではないのですが、”銀座=アルマーニ”とは思えないし。ほかの海外ブランドも「銀座らしいね!」にはならないでしょ。ましてや「泰明小といえば、アルマーニっぽい」って思っていた人が、この事件の前に何人いたのか気になるところ。事件後はすっかりおなじみの「アルマーニの学校」として全国区の知名度になったけど。

ちょっと意地悪な言い方しちゃったけれど、例えば、銀座の地に店を構える子供服ブランド「Familiar(ファミリア)」とか「英国屋」だったら、アルマーニよりも前からあの場所にお店があるんだし、銀座っぽいなって思った人もいるはず。そーだ、そもそもファミリアなら子供服専門店だから、こういうの得意だったろうし、価格面だって、もう少し歩み寄るような提案をしてくれただろうし。ファッションブランドって、私もう詳しくないからよくわからないけれど、海外の人が銀座に来て「ほしい!」って買っていかれているお店って、銀座にいっぱいあるのに。

”どのあたりまでをブランドと呼ぶのか悩みましたが”とおっしゃる校長先生の枠のなかに、日本のブランドがひとつも引っかかっていなかったのかなと思うと、すごく残念に思いました。

”街との絆”とか”街が一体化”とおっしゃるなら、余計に消去法で残ったアルマーニの服を着てっておしつけるの、なんかアルマーニにも申し訳なくなってきちゃったよ。

制服じゃなくて標準服という観点

最後に、私ははじめ報道がでたころ、制服の話をしているのかと思っていたんですが、これって「標準服」という謎の位置づけらしいですね。絶対に着なければいけないものではないし、買うかどうかも保護者の判断でいいというものらしいです。もう何を言っているのか全然理解できませんが。

これ、着ている子とそうじゃない子で「差」が生まれることが、教育上プラスになるのですかね?世の中、格差だらけですから、100%だめだー!とは言いませんが、そもそも校長先生のはじめに意図していたものとだいぶ状況が変わっているのであれば、一度柔軟な判断をされることを願っています。泰明ブランドのお子さんたちだから、きっとたぶんメイビーいじめ問題にならなるようなレベルの低い事態には陥らないものだと願っていますが、ひとりでも嫌な思いをする子供がいたとしたら…、胸が痛いよ。私は。

親でも何でもないけれど、勝手なひとりごとでした。