アガサ・クリスティの名作『オリエント急行の殺人』の舞台にもなった、あの伝説の長距離夜行列車が、なんと今、日本にあるんですよ。場所は箱根。内部の解説付きでお茶ができるカフェになっているので、温泉旅行の時にはぜひともチェックしたいスポットです。
もくじ
豪華サロンカー!オリエント急行の運賃は庶民の年収くらい
かつてコートダジュールや西ヨーロッパなどを走っていた、青と白のオリエント急行。映画やドラマの舞台として登場するたびに、あれこれ想像を巡らせていましたが、いざ、目の前にすると、その美しさは圧巻。
一等車(ファーストクラス)の寝台料金は、当時の一般庶民の1年分の給料ほどしたそうで、利用していたのは王族や貴族、大富豪などの富裕層だけだったといいます。世が世なら、私なんか触ることすらできなさそうですが、今回はこの一等車両にめでたく乗車♡
海を越えて日本にやってきたオリエント急行は今、箱根にある
バブルのとき、テレビ番組の企画で日本にやってきた「オリエントエクスプレス’88」の車両のひとつが、今、箱根のラリック美術館に展示されています。つくづくバブルって、すごいですね(笑)
◆オリエント急行のカフェは当日予約しかない
なかはカフェになっているのですが、当日現地予約しかできません。電話予約をやっていないので、注意しましょう。所要時間は約40分です。私は仙石原のお宿に泊まっていたので、早めにチェックアウトして朝一で予約しにでかけました。
初回は10時~。1時間ごとに16時の回まであります。が、1回の定員が20人までで、早い者勝ちです。無事に10時の回のチケットをゲット。
オリエント急行の時間制カフェ“ル・トラン”。解説付きでわかりやすい!
乗車時間までは、この入口で待つことができます。まるで駅舎みたいでかっこいい。
◆ツアー形式のル・トラン
まずは、ビデオでオリエント急行がこの箱根にたどり着くまでのロングロングな歴史をサラリと学びます。一緒に乗車する回のお客さんたち(この時は私以外に10人くらいでした)と着席しながらビデオ。なんか妙な一体感が生まれます。
そして、いよいよ憧れの車内へ!
◆ドリンクは珈琲・紅茶・ハーブティーから選べる
アールデコ調の雰囲気は、アガサ・クリスティの世界観そのまま。ちょうテンションあがります。
予約順で席も決められています。
私のテーブルはここ。
チケットを買う時に頼んでおいたドリンクがすでに準備されていました。私は紅茶。ポットでたっぷり。
夫はアイスティー。この日のデセール(お茶菓子)はレモンケーキでした。これは季節によって変わるそうです。
憧れていた、至福のカフェタイムのはじまりです。
◆椅子の座り心地が独特!その理由は…
一番、びっくりしたのが、椅子。お尻がモワっとする感じの独特な座り心地。植わり直すとギュウギュウ不思議な音がします。これ、中に藁が入っているんですって。今までにない人生初の座り心地でした。
調度品のほとんどが、中で組み立てられているそうで、ひとつひとつの重厚感も魅力です。
◆昔はこのボタンでクルーを呼んでいた!
お茶を飲みながら、スタッフの方が、車内の調度品の説明をしてくれるのもよかったです。席の横にあるボタン、当時はこれがクルーの呼び鈴だったそう。
テーブルのレバーや高さを調整できる装置なども、ほとんど現役時代のまま。教えてもらわないと見落としてしまいそうなことばかり。おもしろいなぁ。
◆ランプやガラス細工がラリックの作品
あと、忘れてはならないガラスデザイナーであるルネ・ラリック氏の作品。ここはラリック美術館ですからね!
この艶消しが作風の特徴なんだそう。確かに陰影がハッキリするし、印象的。
車内の装飾パネルの「彫像と葡萄」は、女性のパターンが6つ、男性のパターンが2つあるそうで、車内の前後をみてまわるのも楽しかったです。
◆特等席の見学もできます
車体の一番奥は個室になっていて、利用こそできないものの、中の様子をみることができます。
やばいですよ。かっこよさが。大富豪じゃなければ、入ることも許されなかった席が目の前に。なんとも不思議な感じがします。
お手洗いも。利用はできませんが、とてもきれいでした。
ラリック美術館で優雅なティータイム!入場料はいくら?
ラリックが手掛けたオリエント急行のカフェ“ル・トラン”の乗車料はティーセット付で2200円です。(2020年5月現在)
ラリック美術館の入場料は大人1500円ですが、ル・トランのカフェだけの利用なら、チケットなくても、大丈夫です。
◆古いオルゴールと記念撮影
ラストは、古いオルゴールと記念撮影。この入口付近がフォトスポットになっていて、ツアー終了後、みんな記念撮影を楽しんでいました。ところで、私、リトルミィのTシャツ。私はなんで、こんなマニアックな服装ででかけてしまったのか、大変悔やまれますね(笑)
今回ご紹介したのは箱根のラリック美術館のなかにあるカフェ<“ル・トラン”LE TRAIN>です。
住所: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186−1
TEL:0460-84-2255
※電話予約はできません。当日、現地で受付になるので、余裕をもって計画してください。
▼近くのおすすめお宿
▼箱根観光ならこの記事もおすすめ
箱根フリーパスも使える!新型海賊船「クイーン芦ノ湖」