『九十歳。何がめでたい』は新生活のスタートにおすすめな本

ドキっとする言葉や、ハッっとさせられるような思考、何かと刺激を受けやすい春です。昨日から新年度がスタートして、生活や環境が一転したよー!という方も多いのではないでしょうか?特にこの春、新社会人となったフレッシュな人たちにとっては、気分的にも慌ただしさが立ち込めているシーズンではないかなと思います。
私はといえば、会社員になりたてのころ、「ああいう風になりたいな!」「ああはなりたくないな!」と、いろんな世代の女性たちを目で追いながら、自分が進むべき道を模索していたりしました。今風の言葉でいえば、ロールモデルを探していたのだと思います。

だって、意味わからずに幼稚園に入って、小学校、中学校…と、「義務教育だから」「みんなが行くから」くらいの気持ちで、深く考えずに生き方を決めてきた私にとっては、社会に出てからが「進路を決める」ということの重大さに気が付いた瞬間でもあったからです。これから自分がどういう風に歳をとっていくのか、30代になったら、40代になったら…、自分はどんな人になりたいのか、はじめてちゃんと考えたのが就職した年の春だったような気もします。かなり、遅いんだけれども(笑)それだけぼんやり何も考えないで生きてきたツケが一気にまわってきた感じで、急にキョロキョロ周りを見てソワソワしていたものです。懐かしいな!
さて、そんな私の思い出話は置いといて!今回は、そんなバタつく春をお過ごしの方におすすめしたいおもしろい本をご紹介します。

佐藤愛子さんって力強すぎ!


九十歳。何がめでたい

今回ご紹介する本は、クスクス笑えるおもしろエッセイの名手・佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』という本です。佐藤さんって、性格がいい意味でも悪い意味でも本当に「自分」がハッキリしている人で、読んでいるとそのお人柄と考え方に、勇気づけられることがいっぱい。

春って、傷つくことも多くないですか?

知らない人だらけの職場、はじめて通うようになる駅、仲良かった友達との別れとかぜんぜん性格会わない人との人付き合い、仕事も環境も慣れないことばかりで、小さな失敗が増えて「あぁー!」って疲れることがちょっと増えるような気がしているんですけれど、そんな時に佐藤さんの力強さをこれを読みながら分けてもらうといいかもって思います。

たとえば、佐藤さん、かつて無言電話の被害にあわれていたそうなんですけれど、女性からしたら、このストーカー系ってかなり怖いじゃないですか。私も一人暮らしの時、何度この手の問題にビビっていたことか…って思うんですけれど、佐藤さんのすごいところは、警察に行って相手の番号を突き止めて、やり返しちゃうっていうところ。「えーーー!」でしょ。「えーーー!」なんですよ。そうは、ならないじゃないですか。かけて、どうする?怖いじゃない。

「ハイ、もスもス」
と男の声が出て来た。こういう声の奴だったのか!若いような、中年のような、暗くもなく明るくもないありふれた声である。
私、ダンマリ。 引用:九十歳。何がめでたい (小学館)懐かしいいたずら電話より

なんども「えーーー!」でしょ(笑)いいとか、わるいとか、道徳的理論は置いておくとして、スゴイ行動力に、ただただびっくり。

それから何日か、暇を見てはそれを行った。一人暮らしなのか、いつも同じもスもスが出てくる。そして無言電話はかからかくなった。私は被害者から加害者に転じたのである。
引用:九十歳。何がめでたい (小学館)懐かしいいたずら電話より

「…つ、強すぎる!」

半沢直樹よりもとっくの昔に倍返しを実践していた女性が佐藤愛子さんです。カッコいいなと思いました。スっとおでかけする方の行動力はあるけれど、陰湿ないやがらせに真っ向から立ち向かう方の行動力は全く持ち合わせていないので、いろんなリスペクトと妙なパワーが沸き上がってくる本です。

心が折れそうなときは、遠くを見て元気をだそう

同じようにはなかなか生きられないけれど、それでもこんな風に歳をとって、元気なおばあちゃんになりたいな!っていう、私の最近の憧れロールモデル。それがこの本を書かれている佐藤愛子さん。

うまくいかないこととか、理不尽なこととか、目の前のことに真面目に向き合いすぎると、ブラックホールに落っこちそうになるときってあると思うし、春って、そういうワナが多い季節なような気がするんだけれど、そんな時は、いっそ90歳になったときの自分がこの問題をどう思うかな?くらいの遠い目をして、スルっとかわしていきたいものですね!

『九十歳。何がめでたい』は、そんな視点を少し遠くへずらしてくれるようなエピソードがいっぱい詰まった笑えるエッセイです。クスっと笑って、おもしろい毎日を送りましょう!せっかくの春ですから。

【INFO】

今回ご紹介した本は佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』 でした。
サクサク笑って読めるエッセイです。

九十歳。何がめでたい

Kindle版もあるので、こちらもぜひ!