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アメリカ弁護士になるには?日本人受験生向けMBE対策おすすめテキスト

小室圭さんで話題の米国弁護士試験を実際に受験して合格してみた

カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。前回はインプット向きのテキストをお話しましたが、今回はアウトプット向き<MBE>対策におすすめなテキストをご紹介します。ニューヨーク州やその他の州の司法試験受験生の方も是非!

コンパクトになった『BarBri問題集(2018年7月/2019年2月)』

eBayで2万円くらいで購入しました。675問を収録。基本的に設問はオリジナルであり、本番と同様のミックス問題が5セット(計500問)用意されているので、本試験に慣れる意味で助けになったと思います。設問の傾向が過去問と異なるという批判をよく見かけますが、本試験も様々な問題がでますので(SNS上でも近時の試験ではユニークな設問が増えているとの指摘が多くあります)、その対応力をつける点でもオリジナル問題に取り組むのは無駄にはならないと思います。以前の電話帳みたいな厚さのものに比べて随分とコンパクトで(その分、問題数も減っているわけですが)、取り組みやすくなりました。

丁寧な解説の『Emanuel 7th Edition』

Amazonで購入しました。『Strategies & Tactics for the MBE』のSeventh Edition。過去問が550問収録されています。正解の選択肢はもちろん、不正解の選択肢についても丁寧な解説があり、理解が深まります。過去問ですので、本試験の問題のイメージもしっかりと掴むことができます。ミックス問題も200問用意されているので、模試感覚で臨むことができます。

難易度の高い問題が多い『Strategies and Tactics for the MBE 2 (Bar Review)』

上記のEmanuelの派生。Kindle版を購入しました。520問収録。特に苦手としていたCivil Procedure強化を目的に購入(なんと93問!)。Civil Procedureは基本的にオリジナル問題です。本番よりも問題が長文で難解、解説もボリュームがあるため全てこなすのは正直ダルかったですが、民訴法への苦手意識はなくなりました。Civil Procedure以外の科目についても、Emanuelの本家(?)よりも難易度の高い問題が多い感じです。

Emanuel 7th Editionは製本版、Emanuel 2はKindle版を購入しましたが、どちらがよいのかなんとも言えません。まとめて問題を解いてから答え合わせするのであれば、使い勝手は大差ないのですが、都度解説を読みながら進めたい場合には、Kindle版はページ移動が若干面倒です。私はタブレットで問題を開き、ノートPCで解説を読んでマーカーをつけるかたちで進めました。それほど分厚い本ではないので紙媒体でも悪くない気もしますが、復習する際にはKindle版の方が便利ではあります。

目を通す価値アリ『NCBEのサンプル問題』

無料で公開されているミックス問題21問とCivil Procedure10問。解説はなく解答のみですので、不明点は自分で調べる必要があり、少し面倒です。ただ、NCBE公式のサンプル問題であり、本試験で似たような問題がでると評判ですので(類似問題が2問出題された回も)、一度は目を通しておく方がよさそうです。

https://www.ncbex.org/pdfviewer/?file=%2Fdmsdocument%2F17

https://www.ncbex.org/dmsdocument/16

正答率を他の受講者の平均と比較できる 『NCBEの過去問』

基本的にMBEの過去問です。NCBEの公式サイトで購入し、オンラインで受講しました。各科目50問(Civil Procedureのみ25問)と試験形式の100問が3セット、合計625問が含まれているものを購入しました。正答率を他の受講者の平均と比較できる点は面白いと感じつつ、(購入前に分かっていたことですが)科目ごとの問題には解説がないのはやはり不便でした。多くの過去問でしっかり学習したい場合には、EmanuelかAdaptibar(私は無料体験版しか受講しておりませんが)などをこなす方がよいかと存じます。

https://www.ncbex.org/study-aids/

サンプル問題と過去問(AdaptibarかEmanuel)は必須

私の場合は、【NCBEのサンプル問題、Emanuel 7th Editionで過去問、BarBriでオリジナル問題&ミックス問題、苦手科目は別途問題集を購入(Civil Procedure用にEmanuel 2)】という組み合わせで臨みました。試験直前のミックス問題では8割程度の正答率を維持できていましたので、対策としては十分だったと思います。なお、以前にBarBriの古い問題集やKaplanの赤本にも取り組みましたが、ボリュームがありすぎて復習しきれず、今回は軽く目を通す程度にしか使いませんでした。

他の受験生のレビューを読む感じですと、Adaptibarをオンラインで受講するのがやはり良さそうですね。苦手分野や解答スピードを自動で処理してくれるのは便利ですし、あれこれと教材を試すよりは395ドル払ってAdaptibarを受講する方が早そうです。リモート受験の場合はPC上で回答することになるので、その点からもAdaptibarの方が適しているといえます。もちろんNCBEのサンプル問題を解いておくのは必須でしょう。その上で、苦手科目をつぶしたり、オリジナル問題に取り組んだり、というのが合理的かと思います。


<更新>MBE対策の決定版!?日本語Tips集・ドナルドノートを公開

上記のテキスト群で触れる問題数は十分ですが、肝心の復習に時間がかかるのがネックです。そこでMBE問題集を解く中で私が得たTipsを日本語でまとめておりましたので、この機会に公開します。ご活用いただければ幸いです。(2021年12月22日更新)


次回はエッセイとパフォーマンステストにおすすめなテキストをご紹介する予定です。お楽しみに!


【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。