アメリカ司法試験(カリフォルニア州弁護士資格)にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。
前回は2021年の1日目(エッセイ)についてお話しましたが、今回はギリギリのところで気持ちの切り替えをした方法や2日目の択一式の出来についてのお話です。
1日目でコケても2日目がんばれば挽回できる!
カリフォルニア州の合格点は記述式と択一式(MBE)の平均で1390点(合計2780点)であり、初日の記述式のRaw Scoreが410点とするとScaled Scoreで少なくとも1300点にはなるので、2日目にMBEスコア1480(=合格点2780点-記述式1300点)を取れば合格できます。MBEで1480点に到達するには正答率70%で十分に足りるはず。直前の問題演習では80%くらいを維持できていたので、実力を発揮できれば届きそう…。
◆切り替えに役立った!教育系YouTuberの皆さんたちの応援動画
とはいえ、1日目の試験終了直後はあまりの出来の悪さにショックを受け、何とか気分を盛り上げようと受験系YouTuberが大学受験生向けに配信した応援メッセージ動画を何度も再生していました。アメリカ司法試験に限らず、試験前にテンションを上げたい方におススメです。
「CASTDICE TV」のコバショーさんや「Atsueigo」のATSUさんなど著名な教育系YouTuberの方々からの金言をいただけます! 「試験で一番重要なのは運!運がいい人、それは一番勉強をした人」というもりてつさんのコメントは胸に刺さるものがありました。
米国弁護士試験の2日目:生命線のMBE(択一式試験)
リモート受験のMBEは午前に50問90分を2セット、午後も同様に50問90分を2セットの構成で、合計で200問・6時間となっています。対面式の場合は100問3時間を午前午後でそれぞれ実施していましたが、リモート開催では50問ずつに変更されています。
朝8時(日本時間では夜中の1時)の第1セットから絶好調でした。回答に悩む問題が比較的少なく、問題集よりも解きやすい設問が多いように感じました。時間も各セット5~10分程度余り、迷った問題を見直す余裕もありました。画面上でハイライトやフラグ付けができ、不要な選択肢を取り消し線で消す機能もあり快適そのもの。マースミスの心配もなく安心です。
受験生の掲示板では「これまでと傾向が違いすぎる」「過去問で練習した意味がなかった」といったコメントも見かけました。確かに新しい形式の問題が複数問ありましたので面食らった受験生もいたのでしょうが、論点自体は目新しいわけではなかったので、試験対策に大きな変更は不要だと思います。最終的なMBEの全米平均点は134点であり、2月の試験にしては悪くないスコアでした。(参考:MBEの2月の平均点はこちら)
合格者には点数が開示されないため正確なところは分かりませんが、自己分析では75%~79%の正答率であり、MBEスコア(Scaled Score)で1525~1600辺りに換算されたのだと思います。
自己採点による点数の見込みは?合格率を検証し…
というわけで悲観的に見積もっても、記述式試験が1300点、MBEが1525点となり、合計で2825点(平均1413点)の予想です。カリフォルニア州の合格点である2780点を無事に上回って合格できました。もっとも、試験終了直後はより悲観的だったので、合格している確信はありませんでしたが…。
今回のカリフォルニア州司法試験では、合格点の平均が1390点(記述式とMBEの平均点)に設定されて、合格率が37.2%でしたが、仮に従来の1440点(合計点で2880点)のままだった場合には合格率が13.5%も悪くなっていたと事務局から発表がありました。まさに私のような受験生が、合格点の引き下げによって救われたのだと思います。実際のスコアが不明のままなのは少し残念で、ニューヨーク州のように合格者にも点数を通知して欲しいです。
【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。