カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。前回は、米国弁護士資格の一応のお役立ちシーンをご紹介しました。今回は合格後に加入したCalifornia Lawyers Associationがメリットいっぱいだったという件について深堀します。
もくじ
年会費515ドル!所属必須のState Barとは?
カリフォルニア州の司法試験や弁護士登録手続きはState Bar of California(カリフォルニア州弁護士会、カリフォルニア州法曹会、SBC)の管轄で、やりとりもState Barと行ってきました。State Barは他にも継続義務研修の管理や、不祥事・懲戒関係も受け付けていて、年会費515ドルもState Barへ支払います。加入する/しないという選択はなく、カリフォルニア州弁護士は全員が所属することになります。
任意加入のCalifornia Lawyers Association
実はState Bar of Californiaの他に、カリフォルニアにはCalifornia Lawyers Association (CLA:カリフォルニア州弁護士協会)という団体があり、加入は任意ですが、少なくない数の弁護士が所属しています。CLAは法分野ごとの調査研究や情報発信、メンバー間のネットワーキングや教育・ツール提供などを行っています。年会費は150ドル(標準プラン)で、弁護士登録から3年以内は無料です。2018年に設立された比較的新しい団体でして、それまでSBC内で賄ってきた機能が独立したようなイメージです。
State Bar of California | California Lawyers Association | |
加盟 | 必須 | 任意 |
年会費 | 515USD | 150USD (標準プラン) |
活動内容 | 試験・登録・研修・懲戒関係 | 調査研究、情報提供、研修等 |
◆私がCLAに入ろう!と思ったワケ
CLAは任意加入なので入らなくてもよいのですが、SBCだけだとネットワーキングや情報収集の機会が限定的に思えましたので、まずは加入してみました。積極的に調査研究に携わることはできないと思いますが、しばらくは無料ですしね。
納得感のあるCLAの活動・会費
資格者団体には調査研究活動やロビー活動の機能がつきものですが、自分とは関連の薄い分野の研究や相容れない思想のロビーイングが行われることも少なくありません。会務に熱心な一部の人の声が、団体の声として扱われますし、資格維持のために支払った年会費がそのようなかたちで使われることに違和感を抱くことはよくあります。会社員はなかなか時間に融通が利かないので、会務に精力的に取り組む会員は稀です。
その点、CLAは加入が任意なので、そういった不満が緩和されます。150USD/年の標準プランでは、調査研究活動も17あるSectionから参加したいものを1つ選ぶかたちになっており、参加したいSectionを増やす場合には追加料金(1Section追加当たり40USD/年)を支払います。自分の判断で参加し、自分と関わりのある法域の活動にだけお金を払うため、納得感があります。
CLAはCLEの講座も開催しています!
さらにCLAは、継続義務研修(Minimum Continuing Legal Education:MCLE)の講座を提供したり、年間利用料995USDの訴訟データベース(Fastcase)へのアクセスもできたりと、かなり充実したサービスを提供しています。しばらくは無料なので当然加盟しますが、年会費150USDで満足いく内容ですので、有料になってからも継続すると思います。日本の諸団体もこういう形態にしてもらえるとありがたいですね。
◆実際つかったら…
当面は過去のレポートなどを読んで勉強です。Sectionは事業分野ではなく法域で区切られているので、選択したSectionのトピックスでもあまり馴染みのないものも多いですが、新鮮でもあります。
訴訟データベースのFastcaseはまだユーザーインターフェースに慣れておらず、使いこなせているとは言えませんが、徐々に習熟していければと思います。
California Lawyers Association Annual Meeting 2022
ネットワーキングという点では年次総会(Annual Meeting)が秋に開催されており、今年は9月15日に設定されています。コロナが収まっていたら現地で参加してみたいところです。
なお、会場はSan Diego Hilton Bayfrontで、魅惑的なロケーション。。。
次回は継続研修(MCLE)について。
【連載】米国弁護士試験のホントのトコロでは、随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。