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いいことばかりじゃないけれど、楽しかった日々のこと

90℃ってなんだよ!おーこわ。

ろくにドイツ語が読めない上に、やたらと充実した機能の洗濯機のおかげで、いきなりパニックになったドイツのマンション入居初日。カルキだらけのドイツの水は、普通に洗濯すると、白いものがグレーに変色します。だから洗剤と一緒にカルゴンというカルキ除去の薬をいれたり、お酢をいれたり、白物用の洗剤を使ったり、知恵と工夫を凝らしながらのわけわかめなお洗濯事情

水で洗う日本と違って洗う時の温度設定も15~90℃くらいまで、細かく設定できるので、よく落ちる分、素材によってはびっくりするくらい縮んだりもする。夫のワイシャツなんか、一瞬で擦り切れそうになって冷や汗をかいたこともありました。

窓を開けようと思ったら変な開き方するし。なんだよ、これ。脅かすなよ。焦るじゃないか!自宅で料理をしないドイツのキッチンはめちゃくちゃカッコいいんだけれども、洗うところがめちゃ狭い。キャベツ洗うのにも困る小ささ。備え付けの特大食洗器は鍋まで丸ごと洗えるのですごく便利だけれども、カルキをとるメンテナンスをちゃんとしないと壊れちゃう。おまけにゴミを捨てるのは朝〇時~とか決められていて、ワインボトルの色ごとに細かく分別しないとスゲー怒られる。夜もお風呂に入るのは22時までが常識らしい。知らずに日本人がいつものペースで遅い時間に入浴すると下の階の人からクレームがくるという話は日常茶飯事なのです。

郷に入っては郷に従え。わかってはいても、けっこうキツイよ。毎日のことだからね。

お部屋のセントラルヒーティングはあったかくって最高ですが、毎日5分の換気を欠かさずにしないと、密閉率が高すぎて部屋にカビとかはえるそうです。寒さにはやたらと強い反面、なぜか冷房機能がさっぱりないので、夏は死にそうなくらい暑かったこともありました。普通に30℃くらいまで気温が上昇するのに、ほとんどのマンションには、冷房がついていません。

スーパーへいけば、不愛想な店員さんが座った状態でレジを打っています。ま、ドイツの人にしてみれば、なんで日本人の店員は立ってレジ打つのか意味わかんないと思うんだろうけれど。野菜の名前も読めない。値段をユーロで言われてもいまいちピンとこない。お刺身は売ってない。肉なんか大きな塊。ひき肉も薄切りも部位ごとに丁寧にパックで売られている日本とは大違いなんです。

バスや電車に乗れば、外国人の観光客はキセル率が高いからという背景もあって、切符チェックの警察がまっすぐ私に向かって取り締まりに来ました。近所のドイツ人のおっさんたち(毎日朝からテラスでビール飲んでる…!)からは、普通に歩いているだけでガン見されるんです。

私の住んでいたミュンヘンの町は、日本人が当時3000人くらいしかいなくって、日本の食材店も2件くらいしかありませんでした。醤油とかソースとか、鰹節とかラーメンとかギョーザの皮とか。当たり前に使っていたいつもの材料が、近くのスーパーでは手に入らないのです。

好きで住み着いているわけでもない駐在暮らしは、本当に苦労の連続でした。それでもあんなに楽しかったなと思えるのは、現地に住んでいた日本人のとても素敵な奥様たちに巡り合えたから。

三谷さんという日本人のご夫婦が経営しているお寿司屋さんでのランチがたまのご褒美。美味しいお寿司と唐揚げにパワーと勇気をもらいながら、たわいもない主婦トークに花を咲かせて笑い転げていました。

夫に苦笑いされながら、女子会とかなんとか言っては、夜お気に入りのイタリアンレストランに集まってボトルを何本もあけたこともあった。フラフラになるほど酔っぱらって、記憶をなくすようなとんでもない飲み方を覚えてしまったのもあの日々からはじまった。ドイツでの特殊すぎる日々が日常に変わるまでの時間が、あんなにも短く感じたのは、友人たちの存在が大きいです。

ガン見してきた近所のおっさんたちにもドイツ語で挨拶ができるようになったら、みんな笑顔で話しかけてくれるようになったし、切符チェックの警察にも「そろそろ顔を覚えてくれ」って言えるようになった。スーパーで買えないお刺身は週末の市場へ出かけて漁師のおっちゃんから直接仕入れるようになった。お肉屋さんでいちいち注文して買うのは骨が折れると思っていたけれど、その場でミンチにしてくれたり、薄くスライスしてくれるお肉が、パック売りのものよりもはるかに新鮮で美味しいことに気が付いたら、とてもうれしい気持ちになった。

せまいキッチンに文句をいいながらも、大きなオーブンにときめきながらお料理を楽しめるようになったし、好きな食器を買い集めて自己満足にひたったり。電車に乗って、日帰りできるオーストリアやフランス、スイスへの海外旅行ならぬ日帰り遠足にもでかけた。

ランチで集まるたびに、今度のバカンスはどこがいいとか情報をシェアしあったり、習い事にでかけたり、夜のワイン会だけでなく、昼からビールを飲む美味しさや楽しさも覚えて私はいよいよ調子にのりはじめました。

自分の生活や人生は、誰と出会うかで大きく変わる。それを身をもって実感したのが、ドイツでの日々です。

たくさんの苦労の上になりたっていた駐在生活。嫌になって帰国しちゃう奥様達のきもちも痛いほどわかります。私は強かったのではないのです。たまたま気の合う友人たちに巡り合えたという幸運。かけがえのない素敵な時間を一緒にすごせたことは、神様に感謝するばかりです。

バイエルンの空は、晴れるととてもきれいです。青い空と白い雲がバイエルンの旗、Rautenflaggeのブルー&ホワイトを胸に、浮かれポンチな日常は今日も更新されていきます。

今年に入り、とてもお世話になった、そして大好きだった友人の訃報が届きました。主婦としても、一人の女性としても、本当に尊敬できる素敵な人で、散々お世話になったのに、なにも恩返しできないままになってしまいました。

あの青い空の向こうで、またいつか。一緒にワインを飲みたいな。