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カリフォルニア州は2022年からオンライン受験廃止<米国弁護士資格レポ>

アメリカ弁護士試験の受験体験ブログ<カリフォルニア州オンライン受験編>

カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。 前回はWEBカメラで監視されながら日本からリモート受験した様子をお話しましたが、今回は試験当日ホテルで受験したときのお話です。

受験場所は家ではなくホテルを選んだ理由

試験当日の受験場所は自宅でも問題ないのですが、私は念のため近所のビジネスホテルを借りて受験しました。

自宅の通信環境に不具合がでたら困りますし、夜中の試験なので家族にも気を遣わせてしまいます。また、リモート受験では、試験前にカメラで室内をグルっと映すという情報がWeb上で流れていたので、テキストなどいろいろと物を置いている自宅では都合が悪く思え、慌てて近所のビジネスホテルを確保した次第です。

ホテルの様子。

とはいえ慣れないホテルの環境なので、少しでも不安を払拭するため、予約の際に部屋を見せてもらい、有線LANや机の広さを確認しました。変な映り込みが生じることはなさそうです。また、大学受験シーズンだったため、他の予約客は高校生が多めでした。騒がしくはなることもなく安心でした。

ホテルの部屋の机。

後は好みにもよりますが、私は外付けキーボードとノートPCスタンドを使って、少しでも快適に操作できる環境を整えました。これも渡米しての受験の場合には荷物になって面倒ですので、近所で受験できて幸いでした。

結論からいうと、”試験前に室内の様子をノートPCのカメラで撮影する”という要求はされませんでした。とはいえ、集中して受験できたので、ビジネスホテルを借りて正解でした。

◆米国間の時差受験!試験の休憩時間はどのくらい?

ホテルの部屋の様子。

時差の関係で試験は日本の真夜中頃に始まり、昼頃に終わります。試験開始は30分のタイムスロットがあるので、自分のタイミングでスタートし、1時間なり90分なりの試験時間が経つと試験ソフトによって終了されます。休憩時間は30分の設定ですが、それも試験の開始・終了時間次第というわけです。

◆ホテル受験はチェックアウト時間に注意!!

ホテルで受験する場合には夜間の賑やかさ、ルームクリーニングの有無、チェックアウト時間をしっかりと確認しておきましょう。今回は、初日の試験終了は11時00分~11時30分(現地時間で18時00分~18時30分)、2日目の試験終了が9時30分~10時00分(現地時間で16時30分~17時00分)でしたので、事前に「部屋の清掃は不要です~」とホテル側に伝えておき、チェックアウトも1時間ほど延ばしてもらいました。試験中に部屋をノックされると困ります。部屋の電話は念のため線を抜いておきました。スマホの電源や部屋のアラームも全てオフにして、万全を期しました。

◆一人ぼっちのホテル受験。休み時間は…

リモート受験では試験間のインターバルが多いので、集中力を保つために事前にコンビニでいろいろと買い込みました。眠眠打破、アリナミンV、リポビタンD、オロナミンCといったドリンク剤、バナナ、おにぎり、ラムネといったエネルギー補充食をモリモリと取りました。これもリモート形式ならではです。

ランチタイム(といっても夜中ですが)は鮭弁当を5分で早食い(笑)少し昼寝したい気もしましたが、本格的に寝入ってしまいそうなので断念し、残りの試験に備えて勉強しました。

メリットいっぱいだったオンライン受験。その理由は?

渡米の手間・費用・日程等といった特大のメリットを抜きにして、純粋に試験の解きやすさで考えた場合でも、1日目の記述式試験は若干のマイナスで、2日目のMBEは普通にプラス、トータルでは受験生にやや有利にはたらくことになると思います。

◆Mock Exam は真剣に

記述式試験は以前からPC受験でしたが、上述の「容易な問題で時間を稼いで、難しい問題に時間を割り当て」ができない点に加えて、問題冊子がなく、試験用ソフトの画面で全てこなさないといけない点は不便でした。ソフトの都合上、長い問題文の場合には全文を一時に画面に表示することができなかったため、問題文を都度都度スクロールして確認するのは面倒です。また、Performance Testでは問題文が長いためPDF形式でも問題ファイルが提供されますが、そのファイルにはハイライト等を付すことができず、これまた不便です。事前にMock Examが提供されますので、よく使い慣れておくことが肝要ですね。私は少し真剣さが足りず適当に流してしまったので、試験ソフト/リモート受験の特徴を十分に掴めていませんでした。

◆マークシートへ鉛筆で書き込むより断然ラク

2日目のMBEは、100問3時間×2セットから50問90分×4セットに変更されたことで、問題間の時間の融通幅こそ限られますが、それ以外の点では現地で受験するよりも受験生にメリットが大きいです。問題文の重要箇所にマーカーを引いたり、選択肢のうち不要なものに取り消し線を付したり、見直したい問題にフラグ付けをしたり、タイマーが設定できたりと、至れり尽くせり。いずれの機能も大変重宝しました。マークミスのリスクも紙に比べて大幅に抑えられます。従来のマークシートへの鉛筆での回答よりもPC受験の方が受験生には有利だと思います。

<速報>2022年2月期(次回)からオンライン開催がなくなる?!

アメリカ弁護士試験の受験体験ブログ<カリフォルニア州オンライン受験編>

と、ここまでオンライン受験の体験談をたっぷり語ってみましたが、なんと択一式試験(MBE)を主催しているNCBE(National Conference of Bar Examiners)によると、次回2022年2月期から保健当局が許せば対面式=紙のマークシート形式(すなわち現地受験)の試験に戻したい意向を表明しています。よもやよもや。

https://www.ncbex.org/news/ncbe-anticipates-return-to-in-person-testing-for-february-2022-bar-exam/

2020年10月、2021年2月、2021年7月と3度のリモート開催を通じて運営上は自信がついたかと思いきや、セキュリティと公平性等を理由に戻したい、ということで少し不思議な感じです。事務局側ではいろいろと課題があるのでしょうか…。なかなか受験生フレンドリーな形態だったので残念です。MBEのリモート開催がNGであれば、記述式試験も現地受験になるのが自然ですので、日本からの受験生は負担の大きいチャレンジになりそうです。

◆2022年2月期はIn Personでの開催に

さらにカリフォルニア州の事務局から、2022年2月期の試験はリモート形式ではなく以前の形式(紙媒体での試験問題による開催)に戻す、との正式なリリースがありました。残念。

https://www.calbar.ca.gov/Portals/0/documents/admissions/Examinations/Feb-2022-Bar-Exam-FAQs.pdf

米国内での新型コロナウイルスの感染状況次第だと思いますが、対面式での受験を前提に準備した方が良さそうです。2021年11月からは、アメリカ入国にワクチン接種と日本出国3日前までの陰性証明が必要となるとのこと。ただし、入国後は隔離不要になるので現地でのスケジュールは問題ない一方、帰国後は自主隔離が求められるので、事前に調整が必要ですね。

次回は試験当日、涙目になったお話をしたいと思います。


【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。

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