カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。前回は、米国弁護士資格の一応のお役立ちシーンについてお話しましたが、今回は、読者の皆様から寄せられた質問にお答えしていきたいと思います。
もくじ
Q.アメリカの司法試験を受けるには年齢制限はあるんですか?
各州で年齢制限(下限)が設けられており、ニューヨーク州では21歳以上、カリフォルニア州では18歳以上、などとなっています。もっとも、一般的にはロースクールを修了して受験資格を得るため、18歳で受験できるケースは稀であると思われます。
◆いつまでも夢を追える!
一方で上限年齢は設定されていません。最近では、87歳の受験生がニュースになっていました。試験会場でも20代が中心でしたが、中年の方々も多くいました(他州の弁護士が受験しているケースもありますが)。
Q.もし弁護士試験に落ちた場合、何度も挑戦できるんですか?回数制限とかあるのですか?
ニューヨーク州やカリフォルニア州では、日本のように三振制ではなく、何度でも受験できます。計12回受験して(計11回落ちた後に)カリフォルニア州司法試験に合格したお母さんがお子さんらと喜ぶ姿が昨年話題になりました。
一方で、一部の州では回数制限が設けられているようです。4~6回までとしている州があるようです。日本よりはチャンスが多いとはいえ、制限があるとプレッシャーですね。
https://legal.uworld.com/blog/mbe-exam/how-many-times-can-you-retake-the-bar/
◆ローンを組んで受験に取り組む人もいる
コロナ禍で一時的に制限することはあるかも知れませんが、ローンをしてまでロースクールに通って受験資格を得る学生も多い中、(もともと回数制限がない州で)一方的に受験資格を喪失させるようなことはできないでしょう。
Q.小室圭さんが受ける2月試験や合格発表日っていつですか?
小室圭氏が受験されるかどうかは存じ上げませんが、2月の米国司法試験は米国現地時間の2月22日と23日に実施されます。コロナウイルスの影響でここ過去3回はリモート開催でしたが、今回から会場での開催に戻ります。
合格発表は4月下旬から5月初旬で、開催年によって異なります。下記サイトをご参照ください。
Q.2月試験の方が合格率が低いですが、7月より難易度が高いのですか?
試験問題のレベルや合格基準は変わりません。受験生のレベルが7月の方が高いため、相対的に2月試験の合格率が低くなっています。以下の記事でも書きましたが、優秀な受験生はロースクール卒業後に初めて受験する7月試験で合格しており、2月試験にはリベンジ組が多く含まれます(7月に受験せず、2月が初回となる受験生もいますが)。
Q.アメリカの司法試験は合格率は高いので簡単なんでしょ?普通は落ちないんでしょ?
全体の合格率の高さと難易度との関係では、日本の医師国家試験(合格率90%以上で推移)に似ているかも知れません。簡単な試験というわけではないですが、受験生もしっかりと取り組むので合格率が高いという感じです。
なお、言語の壁もあるため、日本人受験生の合格率は全体の合格率よりも低いと言われています。日本人留学生の多くはいわゆる受験エリートで(一流法律事務所の弁護士や大企業法務部からの派遣留学生)、英語力もかなり高い方々ですが、ネイティブとの差は如何ともしがたく…。
難易度については下記記事もご参照ください。
過去問・模範答案も公開されているので、ご覧になるとイメージが掴めると思います。
https://www.nybarexam.org/ExamQuestions/ExamQuestions.htm
次回は、米国司法試験をとったあとも大変?!継続研修があるお話をしたいと思います。お楽しみに。
【連載】米国弁護士試験のホントのトコロでは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。