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オンライン可!米国弁護士の資格維持に必要な継続研修が意外と大変

カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。前回は、読者の皆様から寄せられた質問にお答えしましたが、今回は、試験合格後にも弁護士資格維持に必要な継続研修のところをお話したいと思います。

遠くの光

アメリカの多くの州では、弁護士資格更新のためにCLE(Continuing Legal Education、継続研修とか継続義務研修とか法曹継続教育とか継続的法曹教育とか和訳は様々)を完了する必要があります。カリフォルニア州でもMinimum Continuing Legal Education:MCLEを要件としています。

パソコンの風景

カリフォルニア州では指定された3年間で25時間(単位)の研修をこなす必要があり、登録を維持する限りそれが3年ごとに延々と続きます。名字がA-G、H-M、N-Zの3つのグループに分けられ、それぞれが異なるPeriodの3年間を指定されています。取得単位のうち、最低4時間はLegal Ethics、1時間はCompetence Issues、1時間はRecognition and Elimination of Bias in the Legal Profession and Societyであることが要件とされています。

これだけであれば大したことはありませんが、カリフォルニア州の場合は25単位のうち、独学(例:オンデマンド型オンライン研修)は12.5時間までと決められており、残りはインタラクティブなもの(例:質問可能な講義形式の研修とか)でこなさなければなりません。ニューヨーク州は登録から一定期間経過後はこのような縛りがないため、全て視聴するだけのオンライン講座で済ませることが可能なようでして、比較的負担はなさそうです。もっとも、カリフォルニア州の場合でも、質疑が可能なかたちのWebinar(なぜかその録画でも可の場合もある)でも条件は満たせるようなので、コロナ禍でもMCLEをクリアするのはなんとかなりそうです。

なお、登録初年度に3年区切りの期限がきてしまう場合には、登録時期に応じて単位数が減免されますので、登録早々にバタバタすることはありません(登録期間が4か月以下の場合には完全に免除)。

新人義務研修:Mandatory New Attorney Training Program

2018年2月以降にカリフォルニア州で新規登録した弁護士は、10時間の必須研修の受講を義務付けられており、State Barが提供する無料のオンライン講座を受講することになります。内容は、4時間のLegal Ethics、3時間のBasic Skills、1.5時間のCompetency、1.5時間のRecognition and Elimination of Bias in the Legal Professionとなっており、これはMCLEとしてもカウントできます。

現地受講を求められると厳しいので、全てオンラインで済ませられるのはありがたいです。特に課題の提出とかもないので、気楽に受講できました。


【連載】米国弁護士試験のホントのトコロでは随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。