カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。今回は、小室圭氏が受験した2022年2月の試験について、読者の皆様からたくさん質問が寄せられているのでお答えしていきたいと思います。
Q.NY弁護士試験の合否結果は、一般の人も調べられますか?
調べられます。NY州司法試験の合格発表がされているサイトの見方についてはこちらの記事をご参照ください。
◆2022年2月の司法試験の結果が公表されました!
先ほど(日本時間4月14日23時50分ごろ)結果が公表されました。下記リンクから確認できます。
残念ながら皆さん注目の小室圭さんの名前はありませんでした。不合格ということでしょう。下のQ&Aの通り、日本人が本来得意で点数を稼ぎたい択一式試験の平均点が低かった点が不利にはたらいたものと推察します。新生活が始まったばかりで、なかなか勉強時間も確保しにくかったでしょうね。https://www.nybarexam.org/EXRF22/FEB2022Results.htm
ご本人には合計点が通知され、その内訳(択一式、論述)も分かりますので、しっかりと対策を立てて、次回7月の試験での合格を期待しています。ただ、7月試験⇒10月合否⇒準備4か月⇒2月試験⇒4月合否発表⇒準備3か月⇒7月試験のローテーションであるため、7月試験までは準備期間が若干短いことが懸念点でしょうか。2月の試験以降も、受験勉強を継続できていれば問題ないですが、経験的に、合格可能性がある場合(それなりの試験の出来だった場合)にはモチベーションを維持するのが困難です。
なお、「フォーダム大学のマーティン奨学金を獲得したのに~」とか、「ニューヨーク州弁護士会の論文コンペで優勝したのに~」とかいうコメントを見かけますが、米国司法試験の(ノンネイティブにとっての)大きな壁の一つは英語のスピードであり、時間をかけて取り組める入学選考やコンペ用の論文の出来とはあまり関係がありません。また、過去問・裁判例・ルールをしっかりと覚えて、試験当日に吐き出すことが求められますので、その点でも得意不得意があるかと存じます。過去の奨学金の対象者は合格している、などといった報道も見かけましたが、ネイティブであればあまり落ちない試験であり、その中でも優秀ならばなおさらでしょう。
Q.小室圭さんが受けた今回のNY司法試験の難易度はぶっちゃけどうだったんでしょう?
既にニューヨーク州法曹会のHPには合格率の統計が発表されており、受験生全体の合格率は45%、再受験者は30%となっています。例年30%台後半から40%台なので、今回は合格率低めです。
出典:https://www.nybarexam.org/Press/Feb2022_PressRelease.pdf
外国人受験生の合格率は全体の値よりも5%程度低くなっていますので、外国人再受験生の合格率は25%程度といったところでしょうか。
もう一つ気になる統計として、ニューヨーク州の司法試験の半分の配点を占める択一式試験(MBE、Multistate Bar Exam)の平均点も公表されています。
◆日本人受験生にとっては向かい風だった…
出典:https://abovethelaw.com/2022/04/multistate-bar-exam-mean-score-reverts-back-to-2020s-all-time-low/
今回2022年2月期は(2020年2月期と同スコアで)過去一番低い平均点(132.6点)となりました。論述試験ではネイティブに後れをとりがちな日本人受験生は択一式試験で点数を稼いで逃げ切るのが定石となっています。米国司法試験は合格者数が決まっているわけではなく、所定の点数(NY州の場合は266点)をとれば合格となる試験です。そのため、択一式試験の平均点が低くなったことは、論述試験で点数を稼ぎにくい日本人受験生にとっては相対的に厳しい試験であったということができます。
Q.アメリカの司法試験って『○歳以上でないと受験出来ない』と決められているのでしょうか?
いくつかの州の記載ぶりは「受験生は少なくとも(若くても)●歳でなければならない」(Applicant must be at least ● years old.)となっており、『○歳以上でないと受験出来ない』に近いかと思います。
40程度の州で下限年齢があり、そのうちの17州が21歳に設定しているとのこと。なお、成人年齢は州ごとに異なり、18歳としている州が一般的で、カリフォルニア州のように成人年齢と年齢制限が一致していることはありそうですが、(結果的に『未成年は受験出来ない』ことになります)
受験資格としては、「Applicant must be at least eighteen years old.」となっており、「minor(未成年)」という表現にはなっていません。
【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは、随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。