バーで飲むのはもちろん、ボトルを並べているだけでも、なんだか幸せな気持ちになってくるウイスキー。いまだに朝ドラの『マッサン』ブームに浸っているニッカファンの主婦です。こんにちは!飲めば飲むほど、その奥深さにハマってしまうんですよねー。
今回は、仙台から車で45分ほどのニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸留所へでかけてきました。2019年は設立50周年を迎えるアニバーサリーイヤーなんですよ!
ニッカといえば、この髭のオジサン!余市工場に続いて、仙台工場でもW・P・ローリー卿と記念撮影。自然豊かな山あいに佇む仙台工場のなかを見学してきた様子や宮城峡蒸留所設立50周年を記念して作られたリミテッドエディション2019をテイスティングさせてもらった感想など、魅力あふれるウイスキー工場でのわくわくするひとときをご紹介したいと思います。
余市とはココが違う!宮城峡のウイスキーが華やかな秘密
ニッカのウイスキー工場は北海道の余市とこの宮城の仙台工場の2つだけ。<宮城峡>のあの華やかなウイスキーの個性の秘密を、工場見学しながら探してきました。
●澄んだ空気と美味しい水に恵まれた峡谷の環境
敷地面積はおよそ東京ドーム4個分という広大なニッカの宮城峡蒸溜所。この景色をみていると、工場のなかというより、森のなかに溶け込んでいるかのような不思議な気持ちになってきますよね。奥にそびえる鎌倉山へ向かって、工場の道路がゆるやかな上り坂になっているんですが、これ、もともとこの地にある自然をそのまま生かしているからなのだそう。
工場の至る所に木・木・木。創業者のマッサンこと竹鶴政孝氏が、「木もできるだけ切らずに!」と工場を作るときに指示されたからなんですって。この見学にでかけたのは2月でしたが、まるで春先のようにポカポカした気持ちよさ。平均気温も余市より2℃くらい高いそうですよ。本当に静かで、空気が澄んでいて、緑がいっぱいな素敵な場所です。
自然の地形や森林を最大限に守り、景観にも細かな配慮が成されています。これは、「自然を大切にしなければおいしいウイスキーはつくれない」という竹鶴政孝の自然への敬意の表れです。
引用:宮城峡蒸溜所 原酒の特徴 |https://www.nikka.com/distilleries/miyagikyo/feature/region.html
電線も全部下に埋めているそう。スッキリ見える景観に和みますよね。マッサンが近くを流れる新川の水を飲んで、この地に工場の建設を決めたというエピソード伺いながら、原風景を壊さないように作られた工場のなかで深呼吸して、空気の濃さを体感。工場の真ん中には大きな池。海が近い余市とは趣が違う環境の中でウイスキーの原酒が作られているんですね。
●蒸溜方法も余市とは違う!宮城峡はスチームの蒸気間接蒸溜
ドラマで見たー♡とテンションが上がるポットスチル。ずらりと並ぶ姿は壮観です!実は、この蒸溜方法も余市と宮城峡とでは異なるんです。
余市は、今やスコットランドでも珍しいと言われているポットスチルの炉に石炭をくべ続ける「石炭直火蒸溜」であるのに対して、宮城峡はカフェ式連続式蒸留器を使った「蒸気間接蒸溜」という製法が用いられています。
ポットスチルそのものの胴体部分の形も、シュッとしたストレートヘッド型の余市と違って、宮城峡はバルジ型という鏡餅みたいな丸みを帯びています。上のラインアーム部分の角度も余市は下向き、宮城峡は上向きになっていました。
このあたりが、余市の力強くスモーキーな感じに対して、宮城峡が華やかでスッキリした感じといった個性が全然違うウイスキーの原酒の特徴に繋がっているんだそう。しめ縄をまいて、一見すると同じ蒸溜行程でもこんなに違うなんて。マッサンの余市とは違うタイプのウイスキーを作りたいという考えで生まれた蒸溜所なんだなということが、一番わかりやすいスポットだと思いました。
●激しく燃える樽の焼き入れ作業も見れる!
原酒を貯蔵する樽づくりの現場も必見!樽に使う材料の木や古い樽だと過去に貯蔵していたお酒の種類によってもウイスキーの熟成に影響が…!
なかでも、チャーという焼き入れの作業がすごくって、昔は樽職人が行っていた作業を、今は機械ですべて数値化されて作業ができるようになり、こんなに間近で見学することができちゃうんです。
炎の高さは1mを超えるくらいの勢いにまで!逆に、これ、昔は手作業だったのー!と驚きました。
<リミテッドエディション2019>余市と宮城峡のシングルモルトを飲み比べ
今回はこの宮城峡蒸溜所が設立から50周年を迎え、施策発表会があるということで、扶桑社の方々と一緒に参加させていただいたのですが、会場にはウイスキー好きな報道陣がいっぱい。そして、男性率高し。いつものキャラクター関連のイベント取材とは真逆なカッチリな雰囲気のなか、3月12日に発売される2019年のリミテッドエディションのシングルモルトのテイスティングも楽しんできました。
左が余市、右が宮城峡。色合いは、宮城峡のほうがやや琥珀色が赤く濃い感じ。両方とも1960年代、70年代、80年代、90年代、2000年代の5つの年代ごとの原酒を厳選して作ったというかなり特別なウイスキーです。特に宮城峡に関しては、50年前に工場が竣工した際、最初に蒸溜したというモルト原酒を使っているんですって。
ちなみにその樽も見せてもらったんですが、、、
すごくない?奥の樽と比べても圧倒的な存在感。風貌から何から、ここで静かに過ごしてきた歴史がギュギュっと詰まっていました。奥の若い樽と色がぜんぜん違うでしょ。見つめているだけで、いろんな感動がこみ上げてきます。
ちなみに味わいですが、余市は「スモーキー!」と宮城峡は「華やか~!」な特徴が、もっと深みを増して、舌に乗ったときに強烈にびりびりっと美味しさがしびれる感じです。何を言っているのか自分でもわかりませんが、どちらも強烈にしびれるが一番ピンとくるんですよね。ただの美味しい~とか、香る~という言葉では、ぜんぜん足りない重厚感なんですよ。
▲今回も香りや味わい、余韻の楽しみ方を丁寧に説明してくださったチーフブレンダーの佐久間さん(右)
各700本限定で業務用中心に販売されるそうなので、ぜひ素敵なバーやレストランで見かけたらチェックしてみてください。ボトルは1本30万円なのでグラスでいただくときも、それなりに緊張感漂う価格になる予感ですが、この原酒不足の中、こんなに貴重な年代物のウイスキー楽しめるなんて、最高の贅沢だと思いました。
憧れのマッサンとリタさんご夫婦♡宮城峡のお土産物屋さんの横にある貴重な展示にもご注目
帰りに自宅で飲むように宮城峡蒸溜所限定のウイスキーをガッツリ買い込んで、遠足の〆を楽しんでいたわけですが、このギフトショップの横にはマッサンと奥様・リタさんの貴重な品々が展示されていました。
マッサンがウイスキーづくりを学んだ時のノートです。字の美しさもさることながら、内容が本当に細やかで、真剣に学び取ってこられた様子がうかがえます。
「頭の良い日本の青年が、1本の万年筆とノートでウイスキーづくりの秘密を盗んでいった」。かつての英国首相は、ユーモアと親愛の情を込めてスピーチしたという逸話があります。
引用:竹鶴ノート|ニッカウヰスキー80周年 https://www.nikka.com/80th/sp/story/note/
これは、大げさでも何でもなく、歴史に残る真実だったんだな!と驚かされますよー。
リタさんのパスポートも。日本にはまだ本物のウイスキーがなかった大正時代、私にとっては、ピンとこない部分も多いわけですが、こうして実際の古い昔のパスポートを見つめていると、海を渡ってウイスキーづくりを持ち帰ってきたマッサンもすごいけれど、言葉も文化も違う日本にお嫁にやってきて、マッサンを支え続けたリタさんが、ドラマのなかのキラキラしたヒロインではなく、実在した一人の女性だったのだと改めて感じて、いろんな意味でキュンとくるものがありました。
ここから私もうまいことニッカのウイスキーに影響をうけて何か成し遂げた人!って、かっこいいストーリーへと続けばいいですけれど…(笑)なかなかそうはいかずとも、買ってきた宮城峡のウイスキーで幸せに酔っぱらいながら、今日も1日機嫌よく過ごせますように。
今回ご紹介したスポットはニッカの<宮城峡蒸溜所>です。
住所:宮城県仙台市青葉区ニツカ1
TEL:022-395-2865
工場見学のアクセス方法やお休みの日など関しては公式サイトをご覧ください。ちなみに、今回テイスティングしたリミテッドエディション2019の余市と宮城峡は、今、Amazonでも売っていました。
カクテルセミナーやブレンド教室もあるそうです。作並温泉でもいった時には、また出かけたいなと思いました!
ニッカウヰスキー仙台工場 宮城峡蒸留所 (その他 / 作並駅)
昼総合点★★★★☆ 4.2
*本件は扶桑社・ESSEの方に声をかけてもらってでかけたプレス向けの発表会に出席したものを記事にしています。楽しいひとときをありがとうございました。
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