カリフォルニア州司法試験にマジで受かっちゃったドナルド先生による【連載】米国弁護士試験のホントのトコロ。 今回は、読者からの質問にお答えして、全国民が注目したニューヨーク州司法試験の合格発表者一覧の探し方についてとカリフォルニア州との難易度の比較などについて簡単にお話します。
もくじ
ニューヨーク州司法試験合格者一覧は公式サイトで閲覧可能
まずアメリカの司法試験の合格者の発表については、それぞれの州に試験公式サイトみたいなものがあって、ニューヨーク州もこちらの公式サイトから誰でもアクセスして合格者を検索することができます(受験生本人にはサイトでの公表前にメールで通知が届きます)。
出典:https://www.nybarexam.org/lookup.htmlより
「Bar Exam Pass Result Lookup」の一番上に最新の情報が更新されていきます。今回の2021年7月の試験、日本人受験生として注目を集めていた小室圭さんで調べるときには、「July 2021 Bar Exam」をクリック。
◆ 2月試験の合格発表時期は?
ちなみに次回の2022年2月の試験については例年通りなら4月25日週になりそうです。ここの一番上に 「FEBRUARY 2022 Bar Exam」が 掲載される予定です。
⇒ 4月14日(日本時間4月15日未明)に掲載されるそうです。コロナ禍で効率的な採点プロセスが確立されたのでしょうか。例年になく早いですね。全体の合格率は45%、再受験生は30%とのことですが、択一式試験(4択問題、マークシート形式)の平均点が過去最低だったとのことで、択一式試験で稼ぎたい日本人には不利だったかも知れません。(2022年04月14日更新)
出典:https://www.nybarexam.org/EXJ21/July2021Results.htmより
で、ラストネーム(Last Name = 苗字)から合格者の一覧が見られます。小室圭さんなら「K to L」の欄から「Komuro」を探す感じになります。
2021年7月はリモートでの開始でしたが、2022年2月は試験会場での実施に戻し、ワクチン接種証明か直近のCOVID-19陰性証明が求められるとのことです。受験生の方々、頑張ってください!
受験生には先にメールがきて合否が知らされる!
カリフォルニア州司法試験の合否はインターネット上で確認できます。受験者向けのPass Listサイトが期間限定で用意され(メールでURLが送られてきます)、受験番号等を入力するとリストに名前があるかどうか確認できます。また、受験者用のポータルサイト内でも合否が分かります。その後、合格者リストはしばらく公開され、Excel形式でダウンロードすることも可能です。受験生の居所(CityとState)も掲載されるので、日本に住んでいる方が何名合格したのかも確認が可能です(あくまで居所なので、米国在住の日本人の方は捕捉できません)。
なお、合格者リストがそのまま公表され続けるニューヨーク州と異なり、カリフォルニア州の場合は一定期間経過後に削除されます。
カリフォルニア州の司法試験(2021年7月)試験結果について
すっかり小室圭さんのニューヨーク州司法試験に話題をもっていかれてしまいましたが、11月12日にカリフォルニア州司法試験の合格発表がありました。受験された皆様、お疲れ様でした。受験者数は7536人で例年よりも若干少なめ。ほとんどの受験生がリモートでの受験とのこと(現地受験のかたもいらっしゃるのですね)。
日本在住の方も14人確認できました(あくまで住所が日本というだけですが)。おめでとうございます!
合格率は53%(3995人)で、ニューヨーク州の63%に比べるとかなり低いです。両州では記述式試験の内容が異なるので一概に比較はしにくいものの、カリフォルニア州の方が高く設定されている合格基準点が主な要因といわれます。実際にCA州の得点分布(Percentile)は公開されていて、NY州の合格基準を仮に当てはめるとおおよそ同じような合格率になります。以前はさらに高い設定でしたので、より難易度が高くなっていました。再受験者の合格率はいずれの州も2割弱で、浪人生の多くが引き続き再受験ということですので、改めてタフな試験だなぁと思います。
2021年7月 | カリフォルニア州 | ニューヨーク州 |
受験者数 | 7536人 | 9227人 |
合格基準点 | 1390点/2000点 (2780点/4000点) | 266点/400点 |
合格率(合格者数) | 53%(3995人) | 63%(5791人) |
初回受験者の合格率 | 71% | 78% |
再受験者の合格率 | 19% | 18% |
外国人受験生の合格率 | 後日公表 | 31% |
2021年の2月の試験結果は合格者が大幅減、合格率は大幅増
私が合格した2021年2月のカリフォルニア州司法試験の受験者数は3530人で前年2月の4622人から大幅減でした。コロナ禍で受験環境が整わなかったのと、2020年10月期が受験者数・合格者数ともに相当に多かったために、2021年2月期の受験の必要がない受験生が増えた影響でしょう。
http://www.calbar.ca.gov/Portals/0/documents/FEB2021-CBX-Statistics.pdf
合格率は39.6%(1398人)であり、2月期の試験としては極めて高い数字です。ちなみに2020年の2月試験は27.9%でした。これは合格基準点が1440点から1390点へ引き下げられたことが主要因であり、もし1440点のままだった場合には、合格率は23.7%(おおよそ例年並み)であったとのことです。私のようにAttorney Applicantの受験資格で受けた受験者は22.6%、LLMへの海外留学生の合格率は15.8%でした。日本住所の合格者は私を含めて6名でした。
【連載】米国弁護士試験のホントのトコロは毎週火曜日19時の配信となります。随時、質問などもわかる範囲でおこたえしていこうと思いますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
text ドナルド先生 2021年米国(カリフォルニア州)司法試験合格。世界中のディズニー制覇をもくろむアラフォー。