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合格したのに肩書が弁護士じゃない?小室圭氏の現在について解説

Lowenstein Sandler LLPのプロフィールより

ドナルドです。読者のかたからご質問をいただきました。ありがとうございます!記事での回答でOKとのことでしたので、ここで回答させていただきます。

予めことわっておきますと、小室圭さんについては週刊誌報道を読んだ程度で「ん?んん!?ハァ~???」という印象ですが、それはそれ、これはこれですので、ご了承ください。

※ アイキャッチ画像の出典:Lowenstein Sandler LLPのHP (Kei Komuro)より

【質問】『女性自身』が指摘する小室さんの肩書について

『小室圭さん 合格から3カ月も…肩書が「法務助手」から変わらない“謎”』という記事を某媒体で読みました。

1.実際のところ、3か月経った現在でも弁護士登録されないことってあるんですか?

2.適性試験で通らないと聞きましたがどうなんですか?

3.そもそも受験資格がないと聞きましたがどうなんですか?

【回答】まぁ、そんなおかしな状況じゃないっすよ

勤務先法律事務所である「Lowenstein Sandler」の小室圭さんの紹介ページには確かに「Law Clerk」とあり、『女性自身』の記事はこの点に関する指摘のようです。

結論としては、司法試験(全州統一)を合格しても、すぐに弁護士に登録できるわけではないです。NY州弁護士に関していえば、司法試験以外にも、職業倫理試験(4択式)であるMPRE、NY州の州法が問われるNYLE(4択式+論述式)、人物適正審査(Character and Fitness)などをパスする必要があります。

3か月経っても弁護士登録されないことはある

MPREやNYLEは司法試験前にも受験は可能ではあるものの、司法試験が最大の関門なので後回しにすることも多いかと思います。また、これらの試験は何度も落ちるような試験ではありませんが、毎月開催されるわけではないので(MPREは年3回、NYLEは年4回)、合格発表からテキパキと受けても、パスするまでに時間がかかるのです。

さらにNY州では50時間のプロボノ活動が登録要件とされています。プロボノ活動とは専門的な知見を活かしたボランティア活動(社会貢献)のようなものでして、難しいわけではありませんが手間のかかる要件といえます。

他にも推薦状も複数書いてもらったり、証明書類をあれこれと集めたりする必要があります。

このように司法試験に合格する以外に登録までにはクリアすべき多くの条件があり、それなりに時間がかかります(働きながらだと適時に対応するのはより困難でしょう)。よって「合格から3カ月も」という記事のタイトルがミスリードで、全く“謎”ではありません。そしてNY州司法試験の合格者によるこの手の記事(合格から登録への道のりの長さ)はWeb上にも多く存在しており、少し調べれば分かるものですから、記事に登場する「NY在住の日本人ジャーナリスト」が実在するかどうかの方が“謎”です。

ちなみに、カリフォルニア州は司法試験に州法が含まれるのでNYLE的な試験はなく、プロボノ活動も要件には含まれておらず、ニューヨーク州に比べて手続きは軽めです。さらに私は司法試験前にMPREもパスして、それなりに適時に登録手続きを進めました。それでも司法試験の合格から登録までは、なんやかんやで5か月かかっています。ついでに言えば、日本の多くの国家資格(士業)でも試験合格から登録まで数カ月経過していることは全く珍しくありません。

適性試験というか、審査。犯罪歴とかなければ問題ない

Web上では「適性試験で通らない」説をまことしやかに唱える一派がいるようですが、その制度のなかみも知らずにあれこれと主張するのは全く理解に苦しみます。

そもそも試験ではなく審査(Character and Fitness)ですし、別に興信所のチェックが入るわけではないですし、基本的に自己申告(推薦状も自身がどなたかにお願いして書いてもらうもの)の情報で判断されますので、大きな犯罪歴などがなければパスできます。

もちろんNY州側が日本の週刊誌報道を参酌することはないですし(笑)、仮に参酌したところで問題なく通過すると思います(この点は以前の記事でも指摘させていただいております)。

小室さん、そもそも受験資格がない説について

これもWeb上で相変わらず見かける説ですが、既にNY州側が受験資格を認め、実際に複数回受験していますので、後から受験資格を取り消すことは考えにくいですね。

受験資格に疑義がある場合には、受験前に州側から問い合わせがあり、試験を受けるまでに決着します。受講した科目なども考慮され、いろいろと争った末に受験を諦めたかたも知っています。小室圭さんが通われていたフォーダム大は「プリンセスのフィアンセがNY州弁護士を目指して留学」することと理解していたでしょうから、抜かりなくアレンジされていたのでしょうね。知らんけど。

仮にNY州側の受験資格許可判断が誤っていたとしても、受験生が州側の判断を信頼してそれなり労力をかけた場合(であって、虚偽申告などがなければ)には、そのまま受験を認めることになるでしょう。そうしないと、頑張って勉強してきた受験生が不利益を被ることになりますので。

多くの州では、この2月21日(火曜日)と22日(水曜日)が司法試験です。受験生の皆様、Good Luck!


(2023年03月02日更新)小室圭さん、無事にNY州弁護士として登録された模様!おめでとうございます。


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