ナチスの強制収容所といえばアウシュビッツが有名ですが、今回は南ドイツの主要都市・ミュンヘンからも日帰りで観光しやすい<ダッハウ強制収容所(Konzentrationslager Dachau)>のお話です。
ダッハウ強制収容所で私たちが学ぶことは多い
「戦争中に出回っていたヒトラーのコインがほしいんだけど、どこで買えるのかな?」とつぶやき、ドイツ人をビックリさせた私が通ります。
大戦中のナチス党政権下におけるエピソードのあれこれは、今でもタブー視されています。たとえば、ヒトラーが住んでたアパートとか行きつけだったレストランとか、ミュンヘン市内に今も実在しているのですがガイドブックには載ってなかったり、現地の人もみんな知っているんだけれど、あまり積極的には話そうとはしません。
でも、ダッハウにある強制収容所には、多くのドイツ人が見学に訪れていてびっくりしました。
◆最も古い強制収容所
ダッハウにある強制収容所はオラニエンブルク強制収容所と並ぶ歴史の古さ。送り込まれた人は20万人にも及んだといいます。しかし、ユダヤ人はその3分の1程度だったそう。私はてっきり、ユダヤ人ばかりが狙い撃ちされていたのかとばかり思っていたので衝撃でした。
◆飢えや病気で多くの人が命を落とした
強制収容所というとガス室であっという間に殺されてしまったのかと思っていたのですが、ダッハウにいた人たちの多くは食料状態の悪化による飢え、そして酷い衛生状態によって引き起こされるチフスなどの病が原因だったそう。
ダッハウ強制収容所の内部には、過重収容で人間の尊厳が保たれないまま暮らしていた人たちの食事やトイレといった生々しい生活の様子が多数展示されていました。私はとてもカメラを向ける気にならず、言葉を失いながら見学していたのですが、写真撮影はOKです。
悲劇の歴史はドイツだけの話じゃない…
戦争というと、自分の国の事でさえ、すべてを勉強しきれているわけではないし、私は世界史も苦手だったので、ほとんど基礎知識ゼロで訪問したのですが、日本人にもわかりやすく当時の様子が展示されています。
特に敗戦が濃厚となり、やけっぱちになってからの死者急増のグラフは、冷静さを失った指導者の残酷さ、逃げることもできずに命を落とした多くの人の無念さに胸がつぶれそうな気持にもなりました。
ぜんぜん楽しい場所ではないけれど、海外からの見学者にまざって、ドイツ人の学生さんや親子連れも多くいました。悲しい歴史を忘れず、繰り返さないように、正しい歴史を真摯に学ぶ姿勢は大事ですよね。
ダッハウ強制収容所は公共交通機関で行きやすい
ダッハウ強制収容所まではミュンヘン中央駅からSバーン2(ダッハウ行き)に乗って簡単にいくことができます。Dachau Bahnhof からはバス726が出ているので、7個目の「KZ-Gedenkstätte」で下車。そこから歩いてスグ。片道1時間もかかりません。案内もいっぱい出ているのでわかりやすいですよ。
強制所の入口にはあの有名なスローガン「Arbeit macht frei(=働けば、自由になれる)」の文字。たのしい観光地ではないけれど、ミュンヘンへ行って、時間があったら、ぜひ足を延ばしてみてください。
今回ご紹介したスポットは<ダッハウ強制収容所(Konzentrationslager Dachau)>です。
住所:Alte Römerstraße 75
85221 Dachau
TEL: +49 (0) 8131 – 66997 – 0
知らないからこそ、行く価値はあると思いました。詳しい見学時間などは公式サイトをご覧ください。
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