「何があるのですか?」と聞かれるたびに、「何もないところがいいのです」と答えているパサディナの街。今回は、この街で唯一といってもいいほど、観光スポットとしてちゃんと成立している<ノートン・サイモン美術館(Norton Simon Museum)>のなかの、お庭をご紹介したいと思います。
もくじ
駐車場からロダンの有名な彫刻だらけ!
エントランスに到着する前から、私の感動がはじまった理由は、突然のロダン(Auguste Rodin)!あの有名な「考える人(The Thinker)」が美術館の外からもお目にかかれるのです。だから、「美術はそれほど詳しくないんだけれど…と」いう初心者でも十分楽しめると思いますよ。しかもこれ、レプリカとかじゃなく、ちゃんと1880年のオリジナル!
パーキングエリアからエントランスへ向かう途中にも、ズラズラっと彫刻が並んでいるわけですが、そこにもロダン!
1347年の百年戦争時、フランス側の主要な港だったカレーを舞台に描いたといわれる「カレーの市民(The Burghers of Calais)」という、これも超有名な作品。まだチケットを買っていないのに。この美術館のスゴさは、入場前から存分に発揮されるのです。ストとデモで、何度もズッコケそうになっているパリの有名美術館とは大違い。
もう、ひたすら「アメリカのお金持ち、スゲー」とつぶやきながら中に入りました。
マイヨールもたくさん!回遊式の彫刻庭園(Sculpture Garden)
エントランスホールでチケットを購入して、スグ正面の扉から外へ出ることができます。
この<ノートン・サイモン美術館>は、ガイドブックなどには「回遊式庭園が有名」と書かれているほど、ぐるっと散策しながら見て回れるお庭がものすごく素敵です。
箱根彫刻の森美術館でもいろいろ見れるヘンリー・ムーア(Henry Spencer Moore)や、巨匠ジャック・リプシッツ(Jacques Lipchitz)の作品などが、ゴロゴロしているのです。
ロダンと同時期に活躍していたあのマイヨール(Aristide Maillol)の作品も。男性的な彫刻作品が多いロダンに対して、マイヨールは女性の裸体像をモチーフにしているのもばかりなので、美術初心者な私でも「あれはマイヨ~ル~!」と、見つけやすくていいです。
アジアの彫刻エリアでは、仏陀の石像までありました。ぼんやりお散歩しているだけで大富豪・ノートンさんの趣味というか、コレクションの幅の広さに圧倒されます。
植物が大好きな人にもおすすめ!絵画のような癒しの景色
中庭のシンボルでもある大きな池に浮かんでいる睡蓮なんかは、まさにモネの世界。
このお庭に正確に何種類くらいの植物が植えられているのかはわかりませんが、スモークツリーやイチジクの木、サゴヤシやシルクフロスの木、背が低い草花なども本当に素敵で、私は7月にでかけたのですが、春先とかだともっといろんなお花が咲いているんだろうなと思うようなうっとりする景色が広がっていました。
自然のなかに溶け込むように飾られている彫刻が、またこの庭園の良さを引き立てているというか、なんていうんですかね。これが日本に持ってこられてどこかの美術館で展示される場合「これが、マイヨールです!ジャーン」って見せられるよりも、感動が大きいんですよ。ただ静かにたたずんでいる様子にこそ、グッと胸に迫るものがあるように思うのです。
巨大美術館を、順番にゆっくり見ることができず、有名作品めがけてダッシュで駆け抜けるような節操のない私がいうのも説得力にかけるとは自分でも重々承知のうえなのですが、広さも、すごくコンパクトにまとまっているので、ゆっくり散策しながら順番に見て回りきれるという点も、気が短い私の性格によく合っているのかもしれません。
夏は日差し対策を!そして歩きやすい靴を!
ただ、失敗したなーと思ったのは、こんなに庭を歩くことになると思わなかったので、ヒールのサンダルでやってきてしまったことです。これから<ノートン・サイモン美術館>の庭園を真面目に観光しようと思っている人は、絶対スニーカーのほうが歩きやすくていいと思います。
それと、私はカリフォルニアの真夏・7月にでかけたせいもあり、もう日差しがスゴイ!多少焼けてもいいやと思って、帽子もかぶらずにやってきたことも大失敗でした。
庭園の周囲には、かろうじて木陰もありますが、池の周りは超カンカン照り。なんかアメリカって、つばの大きな帽子をかぶっていると、すごく高貴な…、というか気取っている人のような感じでみられるような気がして、なにも日よけグッズを持ってこなかったことを後悔しました。ちなみに帽子をかぶっているだけでも、現地の人からやや冷ややかなまなざしを浴びるわけですから、日傘とかさしたら、ちょっとおかしい人扱いされるのは間違いないと思っているので、人の目気にしすぎ星人な皆様はぜひお気を付けください。
庭園のカフェBARではお酒を飲みたい人はパスポート持参必須
モネ感あふれる池の脇には、小さなカフェBARがあります。カリフォルニアの冷えたワインも充実。席には大きなパラソルもあるので、涼みながら休憩スポットとしてもおすすめですよ。ここで1日中読書にふけるのもよさそう!
しかし、この小さなお店でさえ、アルコールを購入するときには年齢確認を求められますので、お酒飲みたい人はパスポートの持参もお忘れなく。一人観光ではありますが、同行のサンゴリアス君とピカチュウのぬいぐるみと一緒に、散策の合間の白ワインは最高でした。
散策の後半は、すごく汗をかいたのでペリエで水分補給も。
圧巻の彫刻コレクションを楽しめるノートン・サイモンの庭園
化粧品の「マックス・ファクター」やソフトドリンクの「カナダ・ドライ」など、日本人の私たちにも馴染みの深いさまざまな事業を起こしてきたアメリカ人実業家・ノートン・サイモン(Norton Simon)氏。2月にでかけた大富豪・ハンティントンさんの庭の規模にも腰を抜かしそうになりましたが、今回のノートン・サイモンさんのお庭は、彫刻の数が本当に多くて、ちゃんと見て回ると庭だけで半日かかりそうだと思いました。
美術大好きな人も、カリフォルニアワイン好きな人も、私のようなミーハーな人も、まるっと1日楽しめる美術館です。内部の絵画の展示もすごかったので、それはまた今度。
今回ご紹介したスポットは<ノートン・サイモン美術館(Norton Simon Museum)>のSculpture Gardenです。
住所:411 West Colorado Boulevard Pasadena,
California 91105
TEL:+1 626-449-6840
庭園を見るには美術館の入場料が必要です。詳しくは公式サイトをご確認ください。
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