年末のある日、おせちの材料を買い出しにいかねばならないというミッションを抱えていた私は、築地からすったもんだしながら移転していった東京の台所、初めての豊洲へと向かいました。そしたらマグロ卸売場でせりの様子を一般の私たちも見学できるということを知りまして、さっそくでかけてきました。
抽選申し込みから豊洲市場で行われた早朝のマグロのせりを見学する様子など含めて、どのような感じだったのか一連の感想をまとめておきます。
もくじ
豊洲市場でマグロのせりを見学するには?
事前抽選に応募しよう
2018年12月14日付の東京都の報道発表で平成31年1月15日(火曜日)から豊洲でマグロの競りが一般の人も見学できることを知りました。
申込の受付日程は以下のような状況です。
ア 平成31年1月分
豊洲市場マグロ卸売場見学者デッキでのせり見学について |http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/12/14/08.html
平成30年12月17日(月曜日)15時00分から12月24日(月曜日)23時59分まで
イ 平成31年2月分
平成31年1月7日(月曜日)15時00分から1月14日(月曜日)23時59分まで
ウ 平成31年3月分
平成31年2月4日(月曜日)15時00分から2月11日(月曜日)23時59分まで
4月分以降は3月上旬に中央卸売市場ホームページにスケジュールがアップされるそうですよ。気になる方は早めにチェック。
で、どのくらいの倍率なのかも不明なのですが、試しに申し込んでみたら一発で当選。妙なことで年末の運を使ってしまいましたが、年始早々に夫とともに楽しくでかけてまいりました。
豊洲市場に朝5時半集合!持ち物は顔つき身分証明書
なんとなく知ってはいましたが、マグロのせりって、朝がめちゃめちゃ早いです。当選メールに書いてあった集合時刻は朝5時半。場所は豊洲市場7街区管理施設棟となっていました。
というわけで、私はせり参加の当日4時起き。まだ完全に夜!いつもより3時間ほど早い起床ではありますが、不思議ですねぇ。こういう楽しみな予定があるときには、目覚ましをかけている時間の2分前にスカっと自動で目が覚めました。私の体内時計って捨てたもんじゃないなと思う瞬間です。
豊洲市場があるゆりかもめの「市場前駅」までは、まだこの時間、電車が動いていませんので、眠い目をこすりながらタクシーで出発です。普段、自分が活動していない時間の世界というのは、同じ風景でもキラキラしていて、妙な発見があったりして面白いものです。
「あそこのなか卯って24時間営業なんだねぇ」「この時間でも車多いんだねぇ」そんな話をしていると、運転手さんに「お客さんは豊洲で働いているかなんかの方ですか?」と聞かれました。「マグロのせりを見に行くんですよー」と話すと、運転手さんは、豊洲に移転して以降、朝のせりを見に行くお客さんがめっきりいなくなったという話をされていました。
そもそも、そんな状況なので、運転手さんに「集合場所が豊洲市場7街区管理施設棟ってなっているんですが」と話しても、Googleマップをチェックしながら「豊洲市場の交差点のあたり」ですね!となり、無事に交差点まで到着しました。
渋滞もなく、スムーズに到着した豊洲の交差点。しかし、さすがすでにいろんな車が行き交っています。人気がないのに車だけが行き交う交差点がすごくキレイ!
豊洲市場の建物は歩道橋みたいなので全部繋がっているので、とりあえず階段で上へ向かおうとすると、見学ギャラリーこっち!の矢印も発見です。
先日、丸の内で迷子になった私ですが、無事に管理施設棟に到着しました。
施設の中に入ると、「試験運転中」と書いてあるテレビモニターの下に、見学者こっちの矢印が。ここに至るまで、まだ人にあっていない。まるで宮沢賢治の「注文の多い料理店」の世界を体験しているような気分になってきました。
しかし施設の奥にようやく人影発見です。この管理棟のなかには飲食店もあって、すでに市場関係者とおぼしき方々がご飯を食べたりしていました。私は朝、家でおしるこを食べてきてしまったのですが、もっと早めにやってきて、ここで早めの朝食をとるのでもよかったなと思いました。
時間は5時10分。集合時刻の20分前。てっきり1番のりかと思いきや、すでに10人くらいの方がならんでいらっしゃいました。みんな気合はいってますね!
PRコーナーという部屋で受付をしてもらうのですが、この時に当選したメールの画面を提示し、名前の確認を写真付きの身分証明書でチェックされました。驚いたのは、申し込んだ私の分だけでなく、付き添いでやってきた夫も身分証チェックがあることです。なかなか厳重な管理をひいているんですね。
PRコーナーの中には、かわいいマグロちゃんのオブジェもいて、記念写真を撮ることもできます。でかい。
受付がすむと、見学者用のVISITORカードと赤いチョッキが渡されました。チョッキはかなり大き目にできているので、ダウンの上からでも着用できます。これがマグロのせり見学ルック!
見学開始時間を待っているこのエリアには、産地から中央卸売場を通して、食材が私たちの食卓へやってくるまでの簡単な流れが展示されていました。私が子供のころ、この仲卸業者と仲買人の関係がよくわからなくて、理解に苦労したものですが、そういうときこそ、市場を直接見学すればあの日の悩みが一瞬で解決したのにななんて思ったりもしました。食育って食べるばかりではなく、こういう角度からの勉強もおもしろそうですよね。今回の見学にも、ベビーカーをひいて着ていらっしゃるファミリーも参加していたりして、子供の時からこんな経験ができるなんて羨ましいなとも思いました。
水産卸売場にベルが鳴り響く!活気あふれるマグロのせり見学に大興奮!
集合時間の5時半を迎えるころには、赤のチョッキがA列、青のチョッキがB列、黄色のチョッキがC列…という感じで、縦3列の60名(各20名ずつくらい。ちゃんと数えてないのでだいたいですが)近い人数になりました。
抽選自体の申し込み方法がやや複雑なのもあって、外国人の観光客がいなかったのが印象的でした。
受付をした管理棟から、各A、Bの列ごとにマグロのせりが行われる水産卸売場棟へ歩いて移動です。管理棟は暖房が効いていたので、ダウンをきていると暑いくらいでしたが、この渡り廊下のあたりから、一気に真冬の早朝の寒さに。
水産卸売場棟の中に入ると、展示スペースの奥がマグロのせりを見下ろせる見学スペースになっていました。
今回、抽選に当たった人たちが入ることができるのは、ここからひとつ下の階へ移動した見学デッキという場所です。
中に入ると、騒々しい音とマグロの匂いに圧倒されました。巨大な冷凍マグロがズラっと並ぶ様子も壮観!これだけ数がそろうと独特の魚というか、動物っぽい匂いがして、こんな経験は今までで初めてだったので、子供みたいに見学デッキの手すりにしがみついてわくわくしながらの大興奮のひととき。
すると、チリチリチリ…というけたたましいベルの音とともに、マグロのせりが奥の角からはじまりました。スクワットしながら独特の動きでマグロを売りさばいていくオジサン。
また別の一角では、これからはじまるマグロのせりに備えて、マグロの様子を細かくチェックしている仲買人たちの様子も。
手にはバールみたいなものを持っていて、これで、買い付けたマグロの尻尾をひっかけて早速移動させている人もいれば、これから買うマグロの個体の様子をチェックしている人もいます。
ほかにも懐中電灯で、マグロの切り落とされた尻尾の部分を照らしながら、入念に何かを調べているオジサンもいました。
オジサン率高い。年齢も高い。売る人も買う人も、オジサン。私の見た限り、女性らしき人はいませんでした。これもまた独特な世界なのだなと感じさせられます。
そうこうしているうちに、また別のブロックでベルが鳴り、せりがはじまり、手やりという合図で瞬間的に売買が成立していく様子を眺めていたら、B列の方々と交代になりました。
反対側の窓では、マグロ以外の魚が競られていたのですが、こちらはまた静かで整然と発泡スチロールがならんでいて、マグロのエリアとの雰囲気が対照的なことにもちょっとびっくりしました。
こんな感じで、5時45分からはじまったマグロのせりの見学は15分で終了。あっという間ではありましたが、とても満足度の高いひと時になりました!!最後に、チョッキと見学者カードをスタッフの方にお返ししたら解散です。
迫力溢れるデッキでのひとときは一生の思い出になった…!
上から見下ろす見学とは違って、今のところ抽選に当選した場合だけ入ることができるこの見学者デッキからの眺めは、グンと目線が低くなって、なかなか貴重な時間を過ごすこととなりました。当たり前だけど、マグロは生き物だから、1本、1本、個体差があって、それを目利きの仲買人たちが買い付けて、美味しいお寿司屋さんやレストランへ納品しているの様子をみることができたのは、なかなか思い出深いひとときとなりました。
戻り際、渡り廊下のところの窓から、すでに買い付けされたマグロたちが、トラックにのって、搬出されていくのが見えました。
そして、反対側の窓からは、明けかかる豊洲の空です。お寝坊な私は、こんな景色久しぶりにみたので、ちょっといい1日になりそうだなとか思った瞬間に軽く地震がきたりしたので、油断も隙もあったものではありませんが、たのしい見学でした。
ちょっと長くなってしまったので、マグロのせりを見に行くときの服装などの注意ポイントや朝ごはんの様子などは、また次の記事でご紹介したいと思います!
今回ご紹介したのは豊洲市場の<マグロの競り一般見学>の様子です。事前抽選に関する申し込み方法は公式HPをご確認ください。
▼豊洲市場へ行くなら、こちらもチェック!
▼市場価格でお得に買い物するには?
5000円以上で送料無料!大田市場直送.com