みなさん、10月31日の今年のハロウィーンはいかがお過ごしでしたか?わたしは後楽園ホールへボクシング観戦にでかけていました。
(ご参考:旅行から続く不思議なご縁で日向野選手の応援)
初めての後楽園ホール。初めての女子ボクシング。浮かれポンチな私の初めて尽くしのエキサイティングなハロウィーンナイト!スポーツのことやボクシングのことをよくわかっていなくても、ものすごく楽しかった好き勝手すぎる観戦レポをご紹介したいと思います。
もくじ
ハロウィーンの後楽園が熱いことになっていた…!
いきなりなんの騒ぎだ。渋谷では暴動が起きていた今年のハロウィーン。東京ドームの前もすごい人。
撮影した写真はもう人が写りこみすぎているんで、さすがに画像の下半分をカットしましたが、原因はハロウィーンではなくポール・マッカートニーさんでした。この日、来日コンサートを開催されていたらしく、熱狂的なファンで巨人戦では見たこともないような大混雑。すれ違う人、すれ違う人、次々とおじさん、みんなポール・マッカートニーTシャツ。ここにたどり着くまで、事情が分からず、新種のTシャツ仮装でも流行しているのかと誤解してしまいましたよ(;^_^A
さすがに暴動を起こしそうな人はいませんが、ポールの入り待ちっていうんですか?入場するポイントらしき場所にもうすごい人・人・人。みんなアグレッシブ。
もう後楽園ホールは見えているのに、なかなか前にすすめない。おじさんパワーすごい。
えっちらおっちら、たどり着いた後楽園ホールがこちら。普通に歩ければ東京ドームからスグなんですけれどもね。ルートが悪かったようで、人混みを逆行する羽目になってしまいましたが、中へ入ること自体も初めてなので、ますますドキドキしてきました。
さすがに世界のBeatlesと比較してしまうのは酷かもしれませんが、こちらは穏やかな時間が流れています。
が!!!
中に入ると、おじさん。おじさん。おじさん。
なんなんだ、今日は。おじさんの呪いにでもかかってしまったのか…?と思いましたが、私気合入れすぎて、来る時間が早すぎたことにあるみたい。そりゃそうですよね。平日の17時すぎ。外はすっかり暗いですけれども、普通の方はまだ会社ですよ。ここにいらっしゃるおじさんたち、何者?(笑)
DANGAN(ダンガン)開場:後楽園ホール5階
後楽園ホールのなかに入るといきなり大きなポスターが目に入ってきました。
私はずっとこのブログでも、友人にきかれたときにも、ボクシングのことよくわかっていなすぎて「日向野選手の試合を見に行くの」ばっかり言っていたんですが、これ、「DANGAN(ダンガン)」という名前の興行みたいです。
そして会場について一番びっくりしたのが、肝心の日向野選手の試合が今回のDANGANの主たる試合らしいと、このポスター見て知った自分です。勉強不足で申し訳ない。ポスターに写真まで載ってる。ファイナルマッチがどういう位置づけなのかは知りませんけれど、相撲でいうところの結びの一番じゃないですか。すごい。後楽園ホール5階へエレベーターで上がると、いよいよ会場です。エレベーターのなかも、おじさん、おじさん、おじさん。
事前に本人から20時ごろですとメールをもらっていたのですが、この日は午後のスケジュールをまるまるあけてあったんで、気合をいれすぎてオープンと同時に入場…!
ちょっと早すぎましたね。熱烈なファンと思しき方々とスタッフやプレスの人くらいしかいない…。ちなみに、フラッシュと動画はNGですが、観戦中も撮影はOKとのことでした。念のためにと思って望遠レンズも持参したけれど、とてもよく見える席でよかったです。
飲食のルールはよくわからなかったのですが、まわりに食べている人はいませんでした。でも会場には自動販売機もあって、飲み物を持ち込んでいる人は多かったですよ。入口はチケットチェックだけで、野球の試合みたいにバッグの中身検査はありませんでした。まだ仕事中であろう夫にメールで飲み物指示。わくわくしながら18時に試合開始を待ちます。
3分ってすごく長い!白熱のボクシングの試合
ライト級4Rからはじまった試合。
男子のボクシングはその昔、横浜での疑惑の判定的な某有名選手の観戦をしたことがあるのですが、TV中継も入っていて派手さばかりが際立った印象しかなかったのですが、あの時とは全く逆の印象を受けました。
「3分ってこんなに長かったっけ?」とびっくりするくらいの一瞬一瞬の勝負。こっちの息が止まりそうなくらいの迫力です。
■序盤はTKOが連発
”今日がデビュー戦!”的な方々のガチンコな試合は、見てもつまらないという意見もあるかと思いますが、私みたいな初心者は、けっこう勉強になる部分が多かったし、わかりやすくレベルアップしているのを体感できるので面白かったです。パンチをいかにヒットさせればいいかばかりを、いつも注目して見てしまっていたのですが、パンチをよけたり、ダメージを最小に抑える技術もすごく大事なんだなと感じました。
なぜなら、1試合目から開始早々、ポンポンと4試合連続TKO(テクニカルノックアウトのことで選手の力の差が明らかな時、または負傷で試合続行が不可能な時に、レフェリーにから試合終わり―と言われるノックアウトのこと)だったから。
スポーツですから、潔くっていいですし、私だって凄惨な状況なんかみたくないので、大いに結構なんですが、パンチまともに当たると、あんなにあっさり倒れてしまうものなんだという現実を目の当たりにして、びっくりしました。割と攻めてても、まともにパンチくらったら、パタっと倒されてしまうものなのです。私なんかカスっただけでも涙が出てきそう。
■若さは不利なのか?応援ボリュームの差
何がイイとか悪いとかいうつもりはないんですが、いわゆる”スター選手”が不在のボクシングの試合というのは、その選手の知り合いや関係者の比率が多くなるので、会場の雰囲気がちょっと独特だなとも思いました。お客さんの声援が、会場の一角に集中しがちになるのです。
で、別にこれも仕方ないといえば、仕方ないんですけれども、キャリアが長い選手は、プロといってもある程度社会人経験を積んでいるわけで、知り合いや関係者がけっこうきていたりするわけです。そうすると、試合中の声援のボリュームが大きくなる。一方で、若い選手(たとえば10代とか)だと、大手のジムは別として、知り合っている人の数や関係者の数に明らかな差がでていました。今回、私が買ったチケットは6000円で、当日販売の立ち見席だと4000円、リングに近い席だと8000円とか1万円チケットもあります。
この金額は、さすがに普通に働いていて、暮らしていけるくらい稼いでいる人なら特に問題はないと思うんですけれども、10代の選手のお友達にとってはどうだったのかなとか思ってしまったんです。バイト先や学校の友達、同世代の人にとってのチケットの金額は、けっこうインパクトがあるし、そうそう連れ立って応援というのも難しいような気がするんですよね。
人気とか実力よりも、なんか年齢的な部分に声援のボリュームの差が出ているような気がしてしまって、赤コーナー側に座ってはいましたが、なんか気持ちは「どっちもがんばれー!力を出し切れ―!」なんですけれども、応援の量が少ない方に気持ちが同情してしまう始末。縁もゆかりもないんですが、何事も下積みは大変なんでしょうが、特にボクシングの場合は、10代の若い選手にとってはリングの上っていろんな意味でのキツさがあるよなとも感じたわけです。
■ハロウィーンらしいコスプレマスクも!
これ、どういうつもりなのか、よくわからないんですが、悟空のマスクで登場された選手もいました。あと別の試合ではフリーザもいました。ドラゴンボール最高だよね。
「ハロウィーンなんか大っ嫌いだーくそー」とやさぐれそうな私ですが、後楽園のリングで悟空を見れるとは思わず、大興奮な瞬間です。ちなみに悟空は勝ちました。誰よりも必死で応援していらした女性が試合後、観客席に泣きながらお辞儀をしていらして、お母上でしょうかねぇ。こっちまでもらい泣きしてしまいましたよ。また健闘した対戦相手の選手にも、こういう人がきっと会場にいるんだろうなとも思うと、試合結果というのは残酷なような、無情なようにも感じちゃいます。
広いような広くないような…、後楽園ホールのなかで、リングを見つめながら繰り広げられる悲喜こもごもな様子に目を白黒させていたら、あっという間に最後の試合になりました。そう、日向野選手の戦いです。
<日向野知恵選手>女子日本王座をかけた一戦がはじまる
対戦相手の成田 佑美 (姫路木下)選手が青コーナーから登場しました。さすがにファイナルマッチまでくると、会場の応援の熱が一段も二段もアップしたかのような盛り上がりっぷり。
赤コーナーからは日向野知恵選手(S根本)がやってきました。
私はといえばあわてて着けた望遠レンズが近すぎてうまく調整できないままバタバタ。きたきた。かっこいい。
私の周りも皆さん、彼女がお目当て(というか、みんな知り合いなんだろうか?)すごい勢いで声援を送っていらっしゃいました。
もちろん、私も!
全力で。
全力…、ぜんりょく…、ん?!
なんかね、こんな場面で、自分の老化に気が付くとは思いませんでした。声がでない。ぜんぜん。隣の知らんオッサンたちの声量の半分にも満たない。昔はカラオケなんて、マイクいらずだ♪とかほざいていたのに。野球も相撲も、周りのジィさんたちに負けないくらい、ハイトーンボイスをフル活用してヤジっていたのに。
ボクシングを見に来ている世代のオッサンたちの声のボリュームに全然勝てない。日向野選手の背中を眺めながら、試合はじまる前に、私は声の大きさで自信を喪失気味に…苦笑
私のイケてる声がどんどん枯れかかるなかでも、リングのうえでは試合開始にむけて、どんどん進行していきます。
こんなに鋭い眼光で花束を受け取っている女性をはじめてみましたが、そりゃそうなりますよね。がんばれ。チャンピョンの座を掴むんだー。
■ベルトをとれー!試合開始
女子日本王座をかけた一戦。
両陣営とも応援の激しさもますますアップ。こういう時の定番の掛け声みたいなの、調べておけばよかったです。歌舞伎だったら「まってましたー」、横綱土俵入りなら「よいしょー」みたいなの。ないのか。ないんですね。足並みそろわなくって気になるし、私は「ひがのー」とも「ちえちゃーん」とも一度も読んだことないけど、さすがに「ひがのさーん」はないだろうとかごちゃごちゃ考えていたら、はじまってしまいました。うきゃー
■女子ボクシングの試合は2分勝負
一番びっくりしたのは、女子の試合は、1ラウンド2分勝負で6ラウンド戦うんです。
さっきまでの男子の試合が1ラウンドあたり3分だったので、1ラウンド目はあっという間にブザーが鳴って、何が起きたのかと焦りました。はぇぇぇ。その後も一進一退の攻防が続きます。昔からの友達というわけでも、来週ランチをご一緒するわけでもない、ただ旅行先で知り合ったというだけですが、もうなんだか見ていられない心境です。これ、親、兄弟、親戚がボクサーだったら、こっちの心臓が持たない気がします。
そして、素人なので、余計なことを言うつもりはないのですが、やはり男子に比べると、パンチのパワーよりも、いかにかわすか、まともに食らわないようにするかが、クリーンヒットの数が大きく影響するような気もしました。余計なことを言うつもりはないのですが、昔、「それ、頭突きだろー!」っていうとんでもない必殺技かましてチャンピョンになっちゃった女性いたじゃないですか。余計なことを言うつもりはないので気になる人はGoogle先生に聞いてみてほしいんですけれども、男子のパンチに比べると、あれでKOとるって、かなり難しいのではなかろうかという印象。
■長い、長い、2分
とにかく、日向野さんが倒れないで、最後まで力を出し切れることばかりを祈りながら、試合は最終ラウンドにもつれ込みました。
1秒、1秒が、重たい。
パンチが当たるたびに「いいぞー」とか、うまくかわすと「いけー」とか、せき込みながら、声をからして応援していたのですが、最後の1分は名前を叫びながらあと、50秒。あと40秒。あと30秒。あと20秒。とにかく、ただただ名前を叫びながらの時間。とても長い2分が終わりました。
正直、中盤から、もう、まともにゲームを見ていられませんでした。祈るような、願うような。
思えば、はじめ、「絶対勝つので」と、日向野さんからのメールに書いてあったのを読んだときは、私はバカなので「絶対勝つらしいよ。ランキング1位らしいし、ベルトとるところ見に行こうよ~♪」とライトに夫を誘ったのです。
「戦いに絶対なんてあるわけないだろー!!勝負する人は、みんなそういう気持ちで戦うの。君みたいにまともにスポーツしたことがない人はこれだから困っちゃうんだよー。試合にランキングは関係ないってサッカーの岡ちゃんも言ってたでしょ!まったく!」と、ずいぶん偉そうに上からモノを言われました。
でも、そうなんですよ。私、スポーツみるのは好きだけれど、自分がやらないので、選手の気持ちとか、たぶん、まったく理解できていないのだということに気が付いたのです。それこそ、この興行としてのボクシングを、相手の成田選手も含め、彼女たちが、どういう心境でこの瞬間を迎えているのか。
まともに考えていると涙が出そうだけれど、泣いたら試合が見えないから、ただただ手を叩きながら、名前を呼びながら、一生懸命でない声をだして応援していました。
■運命の判定
クリーンヒットの数なのか、全体の細かいパンチも含めてなのか、判定の基準とかもちゃんと勉強していけばよかったとか思いました。正直、私はぜんぜんまともに試合見れなかったので…。隣で、私と同じく、旅行中、ろくに会話もしていなかったのに、ちゃっかりやってきた夫を見ると、「…うーん、勝ったと思う」と、一言。え?は?なにそれ?どっちよ?
夫の眉毛がS字フックみたいになっているときは、なにか心配事があるときのサイン。やばいじゃないか。
特大音量で声援を送っていたまわりのおじさんたちも「勝った…?よね」「けっこう当たってた…し」みたいな。みなさん、一様に不安げ。やめろー。
結果はドローでした。判定は日向野選手の勝ちが一人、成田選手の勝ちが一人、残る1人がドローという、三者三様の結果でした。
「王座は空位です」
のアナウンスで、私はスイッチが入ってしまいました。空位にしておくなよと。おーい、まってくれよー。だーかーらー、2人は命がけで戦ってんのにー!きー!はっきりさせろ、ばかー。
声は枯れ切っていますので、夫くらいしか聞いていないでしょうけれども、この場を借りて公式に自分の気持ちを表明してみました。本当にすみません。私はスポーツのこともボクシングのこともわかっていないのです。試合、まともに直視できていませんから、失礼しました。
でも、日向野選手には心から勝ってほしいと思っていたし、ベルトをつける瞬間を見たかったのですが、万が一の時には、精いっぱいの励ましの準備をとも思って、手を合わせながら判定を聞いていました。バカな私は、まさか引き分けるなんて、1ミリも思っていなかったのです。だから、王座、空位とか言われて、妙な気持ちがこみあげてきてしまったのです。「まぁ、こういうこともあるよ…」と、遠い目をする夫。
日本ボクシングコミッション(JBC)によると国内女子の王座決定戦での引き分けは3例目という。
引用:スポニチ
めったにないことじゃねーか、こらー!(失礼)
でもね、勝たせてあげてほしかったというのは、私の本音なんです。2人の勝負に私の気持ちは必要ないのは百も承知なんですが。いい試合だっただけに。ベルトお預けはもったいなさすぎる。そりゃないだろ。かわいそうじゃないか。ゆるさんぞー!(失礼)
帰りがけに、相手の成田選手が号泣している場面にも遭遇してしまいました。胸が痛みますよ。得てして、ドローという結末もあるというルールのなかで戦っているのですから仕方ない部分はあるのでしょうが、切なさ満点。怒りマックス。夫からは「君はスポーツのことわかってないからー」とまた上からモノを言われながら、電車に乗っておとなしく帰ってきました。
これだけ感情をゆさぶられるのですから、やっぱり生で見るスポーツ観戦はいいですね。まるっと夕方から夜までエキサイティングな時間を過ごせて、初のDANGAN観戦はとても満足度が高い時間になりました。
スポーツマンシップにあふれている両選手のコメントと私の海鮮丼
やっぱり納得いかないよー。と電車を降りてからも、石ころを蹴り飛ばしまくる私。
この勢いでハロウィーンの渋谷にでかけたら、うっかり捕まるんじゃないかと思われる危ない精神状態です。しかし、不思議ですね、ぬいぐるみたちと海鮮丼を食べていたら、だいぶ気持ちが落ち着いてきました。いくらをたっぷり追加してもらいましたよ。つじ半の癒し効果は絶大。
落ち着いたついでに、言いたいことを言いながら、この記事をとっちらかしてきましたが、最後に今回がんばった両選手がご自身のインスタで発信されていたコメントをご紹介したいと思います。
昨日はボクシングの日本ミニマム級王座決定戦でした。
結果は引き分けでした。
お忙しいところ会場にお越しいただいたみなさま本当にありがとうございました。力及ばず申し訳ありませんでした。
想像以上の大歓声の中試合ができました。皆様本当にありがとうございました。引用:日向野知恵さん (@higano_chie)
試合が決まってから勝つ為に
ほんとにたくさんの人に
サポートしてもらって
自分自身も絶対このチャンスを逃すまいと
練習に励みました。
初めての後楽園。
初めての大勝負。
今は悔しい想いが溢れるばかりですが
私にとってすごくいい経験でした✨引用:成田 佑美 …姫路木下Gymさん(@you_me_0411)
美しいスポーツマン精神。このサイトを運営しているどっかのやさぐれ女とは大違い(笑)
お二人が納得したことを知り、私も納得。本当にいい試合を見せてくれて、ありがとうございました。本気になって向き合えるモノがある女性ってカッコイイです。
ぜひ、みなさんも、機会があったら、女子ボクシングを会場で見てみてくださいね!日向野選手も成田選手も、大好きになりました。次がんばれー!
今回ご紹介した試合は、2018年10月31日後楽園ホールで行われた<DANGAN>です。私は日向野知恵選手の応援ででかけてきました。B指定席という6000円のチケットですがすごく見やすくって迫力満点でした◎
インスタでは、救いのヒーローぶりぶりざえもんとエンゼルスのマスコットラリーモンキー、そしていつもの牛と羊が全力で応援をしている様子を発信しています。よかったらフォローしてご覧くださいね。@yans_publisher
▼そもそもボクシングを見に行くことになった経緯はこちら