世間のオシャレ女子がチョコレートづくりに専念している今日、私は人生初の手作り味噌を仕込んでいました。講師は料理研究家の小田真規子先生。いろんな意味で、一生の思い出になりそうなバレンタイン当日のお料理日記です。
もくじ
手作り味噌の仕込み時期!おすすめは冬1~3月
昨年作ったというお味噌で作ったお味噌汁。これ、本当激うま。
日本には古来から「寒仕込み」という言葉があるように、醤油やお酒など発酵食品は冬に仕込むと美味しくなると言われています。今年の冬はとても暖かいけれど、「おいしくなーれ!」と味噌に話かけながら、3キロの味噌づくり。 3キロ の味噌、結構な分量です。
◆自慢したくなる小田先生直伝の手前味噌
私の家は、子どものころから市販の味噌しか使わない家庭でしたので、味噌を家で仕込んでいるおうちにはとっても憧れていました。続くかどうかわからないけれど、何事もやるなら、最初が肝心!ということで、今回はお弁当作りで私が勝手に心の上司だと思っている小田先生の味噌づくり体験会に参加する機会に恵まれたのであります。とってもラッキー。
九州から東北まで!全国おいしいお味噌食べ比べ
味噌は地域によって、さまざまな種類があります。その土地の風土や材料の配合や製法により、さまざまな味噌がつくられているですよ。
今回は代表的な5つを食べ比べもしました。
九州:麦麹でつくる「むぎみそ」
関西:米麹でつくる「白みそ」
信州:米麹でつくる「信州みそ」
東北:米麹でつくる「仙台みそ」
東海:豆麹でつくる「東海豆みそ」
拙宅でよく使っているのは信州みそなんですが、夫が赤味噌好きなので、両方まぜて使うこともしばしばです。馴染みが薄い「白みそ」はその濃厚なコク深い甘さにもびっくりしました。大豆の芯の部分だけを使って、贅沢に仕込んでいる都らしい風情を残した味わい。
今回、小田先生のレシピで仕込んだのは、都内の人も多く使っている信州味噌。すごく作りやすいので、これから初挑戦を考えている人にもおすすめです。
塩分少な目!小田真規子先生の手仕事レシピ
◆基本の材料と比率
大豆(乾燥):米麹(生):塩を1:1.1:0.5
今回は長野県にある「オレンジページ畑」で育った大豆と「信州ファーム荻原」の農薬不使用米で作られた生米麹に、うまみが強めなお塩を加えて仕込みました。で、参加する人から「なるべく減塩で作りたい」という要望に応えて、小田先生が調整してくださった分量がこちら。
◆小田先生オリジナルの分量
・大豆(乾燥)700g
・米麹(生)840g
・塩 320g
・焼酎 大さじ3(消毒用)
しかも大豆農家の方がすでに大豆を美味しくゆで上げてくださっていて、こねるところからスタートしました。
途中途中、余計なゴミなどは、オレンジページのスタッフの方が対応してくださったり、豆をつぶしたり、麹とまぜてこねていくときのコツや体重のかけ方など、農家の方が直接レクチャーしてくださったりと、初心者にはぴったりな内容で、ありがたかったです。
詳しいレシピはこちらの本に細かく掲載されています。
甘めに仕込むコツは、麹を多めにすること
もっと甘めのお味噌を!という人は、麹の量を多めに調整するといいそうです。また発酵させる環境によっても、味噌の出来や味わいがぜんぜん変わってくるそうですよ。
◆みんなで仕込むと味噌が美味しくなる理由
麹って、国の菌でもあるんですが、とてもパワーが協力。今日、会場には40人以上のオレンジページマダムがいらっしゃっていたんですけれど、教室全体が米麹の良い香りで充満していました。菌は生き物なので、「美味しくなれ!」って、みんなで力強くこねていくと、そのパワーが味噌にも宿っていくのだそう。わくわくしますよね。だから、味噌仕込みって、一人でやるよりも、大勢で集まってやるといいそうです。
私としては、こねる作業をする際も力が弱くて弱くて、本当につらくてつらくて…。でも周りの奥様や、スタッフの方に励まされながら、なんとか仕上がった感じです。
気になる保存方法は?東京のマンションなら…
平らに詰めて、上からラップフィルムをかけた私の仕込んだ味噌。でもこれまだ完成ではなく、ここから半年以上の熟成をかける必要があります。
どんな場所に保管して熟成するかでも味に影響がでるそう。
◆熟成させるときの保管場所は15度以下で湿度変化が少ない場所
東京のマンションで熟成させるおすすめは、クローゼットのなかとか、床下収納などの直射日光が当たらない、暗くて空気が乾燥している寒い場所。オレンジページは会社の書庫で保管していると言ってました。
◆流しの下は絶対NG
湿気が多い流しの下やお風呂場などは、味噌の保管には適していないそうです。また冷蔵庫のなかに入れてしまうと、発酵しなくなってしまうそう。
保存容器は2000円の琺瑯のタッパー
今回はぬか漬けなどにも使えるこの琺瑯容器のなかにいれました。
味噌は丸型のほうが空気を潰しやすく隙間なく仕込みやすいそうです。伝統的には丸型が主流。
でも家庭用に3キロ程度仕込むのならば、ゆくゆく冷蔵庫にいれやすい四角が便利。
ひるむな!カビは生えるもの!月一の点検は焼酎で
一番心配なのは、カビ問題です。でも小田先生曰く「カビは生えるもの。ひるまないで、きちんと取り払うことが大事。」なんだそう。カビが生えてきたら、35度以上の焼酎で消毒したスプーンですくいとって、捨てながらケアしていけばいいらしいです。
もちろんアルコールでもOKなのですが、「食べるものだから」という小田さんの考えはやっぱり共感できる。 作り置き料理にお酢を使ったり、スプーンの消毒に焼酎を使ったり、家庭料理ならではの「手仕事」の安心感ってこういうところにあると思うのです。
「赤とか、黒とか、紫や白とか、パッとみてギョっとするようなカビが生えてきますが、底の部分を捨てれば味噌は食べられるので、あきらめて捨てたりしないでください」と何度もアナウンスされていました。あー、そんなカラフルなカビが生えたら…。心の準備はしておりますが、今からドキドキするのであります。
というわけで、私の初めての台所手仕事。味噌仕込みby小田先生編。まだ完成していないので、今後の経過にこうご期待なんですが、重たい3キロの味噌をえっちらおっちら都バスに乗って持ち帰ってきたら、すごい達成感とともに疲労感MAX。明日絶対筋肉痛来るわー。というバレンタインでした。月一カビ点検なので、次回蓋をあけるのは、ホワイトデーです(笑)
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【小田真規子先生直伝!】つくりおきおかずで朝つめるだけ!弁当BESTを体感▼オレンジページの教室はこちらにも参加しました!
ツウな料理人!今井和正シェフに学ぶイタリア産チーズのおいしい食べ方ほかにも<カラダにやさしい料理 / COOKING>では、 自分で作ったおうちご飯の日記を中心にご紹介しています。カツオや昆布で出汁をとった本格的な和食からホームベーカリーを使った簡単パンづくりのレシピなど幅広く毎日の食事について大研究中。