「おすすめの国はどこですか?」と質問されたとき、グルメ、観光、買い物、体験…、どこを切り取ったとしても常に“ベスト3”に入るのがイタリア。
「この店は日本にもあるだろー!」とツッコまれながらも、帰り道のミラノの空港で特大モッツァレラが乗っかったサラダを食べ、名残惜しくワインを飲み続けるほど、イタリアの食事は美味しいんです。何度でかけても「帰りたくなーい。」と思うくらい最高の滞在を楽しんでいます。
さてさて、そんなイタリアが大好きな私は、今回、イタリア産チーズを思いっきり楽しめるイベントに参加してきたのでご紹介したいと思います。
イタリア大使館主催!種類豊富なイタリア産チーズの世界
「イタリア人にとって、チーズは毎日食べる身近な食材」と挨拶されていたのは、このイベントの主催者でもあるイタリア大使館。確かに、現地のマルシェでは、多種多様なチーズがずら~並んでいて、あの風景だけでもおなかいっぱいになりそうなくらい。
そのワインと同じように、チーズにもDOP(原産地呼称保護)とかIPG(地理表示保護)、STG(伝統特産品保証)の認可がつけられていて、パクリものが出回らないように厳しくチェックがなされています。EU全体で、これらの認可を受けているチーズの数は55種類(乳製品を含む)にも及ぶそう。日本ではまだまだいろんな種類が手に入りにくいという現状があるとはいえ、イタリアの人のチーズ消費量は日本人の9倍にも上るというから、驚きますよね。
私はワインもチーズも大好きなのですが、あまりにも薄い知識しかないので、今回はもっと詳しくなりたいなと思ってこのイベントに参加しました。会場はクリスマスらしい素敵なお花の飾りつけも。ドッキドキのイベントがスタートです。
ペペロッソ・総料理長の今井和正シェフのチーズ解説と料理講習
今回、イタリアチーズに関する解説や現地の最新情報をレクチャーしてくださったのは、三軒茶屋にある老舗イタリア料理店「ペペロッソ」の総料理長の今井和正シェフです。なんとわたくし、運よくめちゃくちゃ前の席をゲット。
お料理のデモンストレーションの最中は湯気がかかるほどの迫力満点の様子をすごく間近で拝見することができました。ラッキー。
■年に2回以上はイタリアへ出かけるというイタリア通
今井シェフは、年に2回以上はイタリアへ出かけることで、最新のイタリアの情報を常にアップデートし続けるようにしているそうです。だからイタリアで今、何がトレンドになっているのか、日本人ならではの目線で、現地のシェフやチーズ作りの様子を教えてもらうことができました。スクリーンに映し出される写真はどれもリアルな体験をそのまま感じ取れてよかったです。
ペコリーノロマーノの説明では羊の写真も。かわえぇ♡
イタリアは料理留学みたいな制度が充実しているので、「向こうで修業してきました!」というシェフにはよくお目にかかりますが、わざわざ毎年現地へ足を運び続けていらっしゃるシェフは珍しいですよね。
でも本当にトークを聞いていると、時差のないタイムリーな情報が満載。
普段私みたいなミーハーな観光客は、なかなか出向く機会のないような山奥のチーズ生産者のお話まで、写真たっぷりで解説してくれました。
■タイプの異なるチーズ4種食べ比べ
この日テーブルに用意されていたのは、モッツァレラ、カチョカバロ、サルヴァ、ゴルゴンゾーラという趣の異なる4種類。
○日本でもすっかりお馴染みのモッツァレラ
ピザとかサラダなどの定番でスーパーなどでも比較的手に入りやすくなったモッツァレラチーズ。フレッシュで甘くて、とろんとした口あたりが最高です。でもこれ、現地のチーズ製造現場で作り立てを食べると、もっとフレッシュなんだそう。あぁ、それを食べてみたい。
○カチョカバロは熟成期間で味わいにも違いが
馬にぶら下げて運んだとこがその名の由来となっている「カチョカバロ」。製法はモッツァレラと同じなのだけれど、だいたい2週間~1年の熟成をかけることで、塩味が増し、歯ごたえのある食感のチーズになるのだそう。2週間~1年ってざっくりしていますよね。これは好みが分かれすぎて、明確な定義づけができないからなんですって。
私はいつもフライパンとかで焼いて食べていたのですが、こうして生のままでもすごく美味しい♡あと同じカチョカバロでも、熟成期間ごとに食べ比べしてみるのもおもしろそうですね。
○酸味と香りの表情がおもしろいサルヴァ
これは日本だとなかなか手に入りにくいのですが、北イタリアでは割とメジャーなチーズです。春の乳量が多い季節にミルクをすくう・たくわえるという意味の「サルヴァーレ」が語源なんだそう。
さっぱりしていますが、ねっとりとした食感とコクがすごくて、酸味も強め。乳酸発酵させているので、菌活大好き女子にもおすすめです。
○大人のゴルゴンゾーラ
若き日の私は、ブルーチーズが苦手で食べられなかったのですが、年齢を重ねたら大好きになりました。不思議ですね。この日は、今井シェフおすすめの甘めの白ワインを口に含んでから、余韻の勢いで一口。ものすごくマッチする味わいにびっくりしました。これが、マリアージュか!と、衝撃的な瞬間です。甘口のワインといっても、本当に貴腐ワインくらいのレベルで甘いんですよね。
私、白はひたすら辛口ばかりを飲んでいたので、甘いワインの楽しみ方もこれを機に勉強していきたいなと思いました。
■イタリアチーズ盛りだくさんのお料理
おいしいチーズをいただきながら今井シェフによるお料理のデモンストレーションと試食会も行われました。
○アオスタ風フィオレンティーナのリゾット
リゾットのなかに、アルプスの山のチーズとも言われるフィオレンティーナがゴロっと入っているリゾットです。まるでチーズをそのまま食べているかのようなコク深い味わい。発酵バターの風味もいい仕事をしていて、やみつきになりそうです。
○テルモリ風ペコリーノ・ロマーノ風味のパン団子とムール貝のトマト煮
羊のミルクで作られるペコリーノ・ロマーノは、いつもそのまま食べるとしょっぱすぎて、どう使えばいいのかよく分からなかったチーズのひとつだったのですが、このレシピのおかげで、疑問がひとつ解決した気分です。パン団子にたっぷり使っている卵やトマトソースとの相性が抜群。調味料としてのペコリーノ・ロマーノの使い方をもっと知りたいなと思った逸品でした
○ブッラータと栗と栗の蜂蜜、モストコットのソース
デザートは常温に戻したブッラータに、刻んだマロングラッセと栗の蜂蜜をからめたソースをかけるだけという手軽な一品。これはおいしくないわけ、ないよ!というデザート。しかも簡単ですぐできる。栗の蜂蜜がなかなかスーパーだと手に入りにくいので、今度イタリア食材店にいったら探してみようと思います。
イタリアンマンマのレシピって宝物!
イタリアンマンマ(おふくろの味)のお料理は、ホントに肩ひじ張らずに楽しめるので、ワインもチーズもどんどん進んじゃいます。
今井シェフは盛り付けのコツを「カッコつけないこと!」と連発されていたのも印象的でした。本当に大皿でドカンと作って、おなかいっぱいモリモリ食べられるのが、イタリアの家庭料理の魅力だと思います。
私のイタリア人の友人も口をそろえて言うんですよね。おすすめの料理をきくと、いつもレストランとかではなく、マンマの料理と。で、家庭ごとに、本当に母から子どもに受け継がれているレシピを大切にしていて、そういうのって、とても素敵な宝物みたいじゃないですか。
今回、日本にいながらにして、今井シェフからイタリアンマンマの味に出会うことができて、最高にラッキーだったなーと思いました。忘れないうちに、家でも作ってみよう!と思っています。チーズを買いにいかなきゃー♡
このイベントはイタリア大使館 貿易促進部、株式会社オレンジページ主催による「イタリア産チーズ ジャパンプロモーション」に招待参加した内容によるものです。
とっても楽しいひとときをありがとうござました!
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