土井善晴先生の『一汁一菜でよいという提案』は主婦の教科書♪


今日のカプチーノを飲みながら読みたくなる一冊は料理研究家の土井善晴先生が書いた『一日一菜でよいという提案』という本です。

一汁一菜でよいという提案

これ、ただの料理本ではないんですよ。レシピではなく、土井先生の料理哲学がいっぱい詰まった素敵な一冊です。

つくるという行動に意味がある

うまいかどうかはともかくとして、私は料理が好きだけど、そりゃ「わ~今日大変!」って思うこともあります。ひとつのことに集中しすぎると、あっという間に外が暗くなっていて、「まだ13時くらいだと思っていたのにもう19時!わお!」って思う日が週に何度かあります。本を読んでいるときもあるし、仕事のときもあるし、写真の編集とかしているときもそう。あっという間に時間がなくなって、めちゃくちゃ焦ります。うちは、夫が18時すぎると帰ってきてしまうからね。

別に帰ってきたときに「ごはんがないと困る!」とか文句をいう人ではないのだけれど、玄関を入ってくるときに、私が料理をしていると「この匂いは…親子丼だな!」とかいって、メニューを毎回当てようとしてきます。その様子を横目で見ているのが、すごく好きなのです。それと、だいたい答えハズすのも面白くってね。普通に「ただいま」を言わないし。それが、わが家の18:15くらいに繰り返されるいつもの会話。奥様友達にはいつもビックリされるのですが、夫は仕事が終わるとガチでまっすぐ帰ってくるので、金曜19時のドラえもんにも間に合うのです。

土井先生のおうちは仕事場兼ご自宅になっておられるそうで、お料理の撮影など仕事で作った料理がいつもいっぱいあるのだそうですが、それらはスタッフの方々で食べたり、お客さんに持ち帰ってもらったりして、土井先生の奥様は自宅のテーブルに並べることがなかったというエピソードが書いてありました。

妻がその場で娘のために作る料理の音を、娘は制服を着替えるあいだに聞いたでしょう。匂いを嗅いだでしょう。母親が台所で料理をする気配を感じているのです。
引用:一日一菜でよいという提案 (グラフィック社)毎日の食事より

当たり前すぎてあまり意味がないと思っていた毎日の夕方の風景に、なんか結論がでたような気がしました。すごく美味しいものを作ろうとしていなくっても、あわててバタバタしている様子を夫が楽しそうに見ていて、私も嬉しい気持ちでお料理していて、結果的に出来上がったものなんて、たいしたクオリティじゃないんだけれど、つくっている気配が家族にいい影響を与えるんだ!土井先生は「台所の安心は、心の底にある揺るぎない平和です」と書いておられて、そっか、夫が帰ってくる瞬間は私にとっての平和な瞬間なんだ!と、ごくごく当たり前すぎることに改めて気づかされました。

一汁一菜は手抜きではない

SNSなどの投稿を見ていると、一汁二菜を御膳に正しく並べた画像に「今日は手抜きしちゃった」と言葉を添えてつぶいています。和食は簡単、普段はもう少し手を掛けていると、少し自慢もしているのでしょうか。
引用:一日一菜でよいという提案 (グラフィック社)暮らしの寸法より

ココ読んだときは、ちょっと笑ってしまいました。毎日つくるものも、気合を入れてつくるご馳走も、上とか下とかないんですよね。

日々の生活の中にある”ハレの日”と”ケの日”の話が印象的。ハレは特別な状態なのに対し、ケというのは日常を指しているのだそう。お正月のお節料理とかお誕生日の豪華なお食事はまさにハレの日のお料理だし、普段の仕事に出かける毎日のいつものご飯はケの日のお料理ということになります。もう少し厳密にいうと、神様のためにつくるかどうかなど、深いんだけど簡単にいうとこんな感じ。だから、一汁一菜はケの日のお料理の代表格ということになります。

土井先生のおっしゃる一汁一菜は具沢山なお味噌汁と炊き立てのご飯、あとお漬物を三角形に丁寧に整えるというとてもシンプルなもの。でもそれがすごく美味しそう。本の途中には具沢山な汁もののレパートリーがカラーカラーページであるんですが、細かいレシピが大事なのではなく、家にあるもので毎日さっと作ってきちんとした栄養をとるということの当たり前すぎる大切さの深い意味がたくさん書かれています。

だから私もマネして、朝は左にごはん、右に汁物、真ん中に漬物を置いてみて、さっそく実践しているんですけれど、土井先生のおっしゃる正しい三角形ができると、それだけで朝、すごく嬉しい気持ちになるようになりました。お弁当のおかずの残りとかを豆皿において出しておくと、夫は更に喜んでいます。

器も、旅行した時に買った九谷焼とか古伊万里とか、結婚したときに会社の同僚にお祝いでもらったお箸とか、木婚式のときに買った漆器とか…、ぜんぶ自分で好きだな~と思ってそろえたものばかり。日常のケの日を丁寧に暮らすことの大切さを、毎朝じんわり感じるのです。

日々の暮らしが尊いものになる

家で食べる食事なんて毎日同じでいいし、おいしくできなくっても気にすることはない、そんな土井先生の哲学がいっぱい詰まっています。「食べる」という毎日の行為に料理研究家視点ですごく丁寧に向き合っている本。これは教科書がわりに大事に定期的に読み続けていこうと思っています。

【INFO】

今回ご紹介した本は、TVなどでもお馴染みの料理研究家・土井善晴先生の「一日一菜でよいという提案」です。

一汁一菜でよいという提案

レシピブックではありませんが、美味しそうなお料理もいっぱい出てきます!