もくじ
うっとりする夕暮れ!金沢のひがし茶屋街
金沢にある重要伝統的建造物が立ち並ぶひがし茶屋街エリア。昼間は定番の兼六園とか近江町市場などに遊びに行っていたのですが、なんだかイマイチ私の琴線に触れることはなくって(そんなこと言っちゃうと石川県の人に怒られそうですが)、「銀座でよくない?!」と、料金の高さや交通の便の悪さにぶつぶつ文句を垂れたりしながら観光していました。もう、ひでぇとしか言いようがない生意気さなのは自分でも自覚しているんですけれども、そのなかでも夕方に到着したこのひがし茶屋街はとても美しく、「もっと早い時間から来ればよかったよーう!」な後悔がにじんだほど気に入ったのでご紹介します。
江戸文化の情緒があふれるお茶屋さんは、日が落ちかかるこの時間帯になると独特なオトナの雰囲気が立ち込めていて一層カッコよさが増します。
重要文化財!金沢ひがし廓 志摩を見学
文政三年(1820)に建てられたという「志摩」は、歴史的な評価も高く2003年に国の重要文化財にも指定されているという由緒正しきスポットとして人気です。一般の人にも公開されていて、カメラもスマホも持ち込みOKで見学ができるので、写真大好き女子にもおすすめしたい場所。灯篭と丁寧な手入れがされている草花のお庭、これがお茶屋さんの典型的なお庭のスタイルなんだそうですよ。京都や江戸とは、また一味違った金沢の「粋」を感じさせられます。
ちなみに、昼間はお庭を眺めながら甘味をいただくこともできるんだそう。
「 寒 村 庵 」
ここでお抹茶もいただくことができます。金沢の伝統ある和菓子と共に、お庭を眺めながら静かな一時をおすごし下さい。※生菓子付き 700円
お干菓子付き 500円
団体様でのお立寄りの場合は事前にご連絡願います
引用:志摩公式サイトよりhttp://www.ochaya-shima.com/shima/shima_f.html
これからのシーズン、特に6~9月の間は襖や障子戸を簾戸(すど)といった夏の装いにチェンジするんですって。お庭を眺めるひとときもより涼し気な時間となりそうですね。
お茶屋遊びに欠かせない芸の裏側
お琴や三味線、そして踊りなどといったお茶屋さんならではの芸どころ。見学ではその支度の様子を彷彿とさせる展示物なども見ることができます。私はてっきり日舞とお太鼓、あと三味線くらいがひければ一人前になれるのかと勘違いしていたのですが、金沢の芸者さんたちは茶の湯から、和歌、俳諧など、かなり幅の広い教養が求められていたんですって。もちろんその技術の高さもウリのひとつだったとか。
時代劇の世界でもなかなか出てこないような支度の裏側。ちょっと覗き見るようなわくわくするひとときです。美しいだけでなく、頭もよくないと売れっ子にはなれない厳しい世界。私だったら3日くらいで断念しそう…、3日も持つかな…。
映画やドラマのようなストーリーが、このお部屋にもあるのかななんて想像を膨らませながらの時間は、とても興味深いものになりました。
あの戦国時代の人気武将のひとり、前田利家が金沢の地に入城してから城下町としての栄華を極めた金沢の街。当時は、「空から謡(うたい)が降ってくる」と言われるほどの華やいだ風情が漂っていたそうですよ。そんな昔の空気感を今に伝えてくれるしっとりとした情緒が本当に素敵です。
藩政時代の面影を感じる
建物は全体的にバリアフリーの真逆をいくような感じです。食べ物などを保管していたという「石室」に通鶴階段もこの狭さ。体格がよくなった現代人にとっては、不便さも感じたりはしますが、当時のものがそのまま残っているという部分にとても価値を感じます。
志摩は建物の2階が客間となっていて、見学の時にも階段を使って昇り降りをするんですけれど、愛媛の松山城以来の急な角度と狭い足元。これもまた一興ですね。
うっかり転げ落ちたらマジでカッコ悪いけれども、へっぴり腰で手すりにしがみついている後ろ姿もダサイ、私。お茶屋デビューはまだまだ遠いね。
リアルな当時の生活をうかがい知ることができるという意味での価値の高さも。きらめく遊芸が披露されていた客間とのコントラスト。ハレの日とケの日じゃないけれども、表舞台と裏舞台を同時に鑑賞できるところもこの「志摩」の見学の魅力ではないかなと思います。
それにしても、やっぱり、もうちょっと早い時間から、ここでゆっくりしたかった。次回の金沢旅行のときには、「ひがし茶屋街」に直行しそうな予感です。
今回ご紹介したスポットは石川県にある観光名所・ひがし茶屋街の「志摩」というお茶屋さんです。
住所:石川県金沢市東山一丁目13-21
TEL:076-252-5675
公式サイト:http://www.ochaya-shima.com/